43 / 137
猜疑心
しおりを挟む
このクラスに守護霊が見えるって奴がいるらしい。
幽霊の存在を信じている奴が存在すること自体、笑い話だというのに……、守護霊が見えるそうだ。
まぁ、好奇心を満たす程度にその話を聞いてみようと少し距離を置き、そいつらのやり取りを見ていた。
その守護霊が見えるという奴は、吹けば飛びそうなどこにでも転がっている程度の話を並びたてている。
「あなたの守護霊は、フランス貴族の令嬢です」「あなたの守護霊は、武家の当主です」「あなたの守護霊は、中世の賢者です」
……よくもまぁ、その程度で守護霊が見えるとか言えんな。
期待していたことが馬鹿らしくなってきた。
俺の後ろに立っている奴も、あくびをして飽きだしている。
どうやら疑わしい目で見ていたのは、俺だけじゃなかったみたいだ。
俺はその輪の中から外れ、一人窓側まで歩いていった。
「どう思う? あいつ本当に守護霊が見えてると思う?」
俺は窓枠に腰を下ろし、グラウンドを見ながら、消え入りそうな声を出した。
「見えてないでしょう」
「だよね」
守護霊が見えるという奴に目を向けると、群がったクラスメイト達が一喜一憂していた。
「……全部嘘なのにな」と、ひとりごちるとグラウンドに目線を戻し、深いため息をついた。
幽霊の存在を信じている奴が存在すること自体、笑い話だというのに……、守護霊が見えるそうだ。
まぁ、好奇心を満たす程度にその話を聞いてみようと少し距離を置き、そいつらのやり取りを見ていた。
その守護霊が見えるという奴は、吹けば飛びそうなどこにでも転がっている程度の話を並びたてている。
「あなたの守護霊は、フランス貴族の令嬢です」「あなたの守護霊は、武家の当主です」「あなたの守護霊は、中世の賢者です」
……よくもまぁ、その程度で守護霊が見えるとか言えんな。
期待していたことが馬鹿らしくなってきた。
俺の後ろに立っている奴も、あくびをして飽きだしている。
どうやら疑わしい目で見ていたのは、俺だけじゃなかったみたいだ。
俺はその輪の中から外れ、一人窓側まで歩いていった。
「どう思う? あいつ本当に守護霊が見えてると思う?」
俺は窓枠に腰を下ろし、グラウンドを見ながら、消え入りそうな声を出した。
「見えてないでしょう」
「だよね」
守護霊が見えるという奴に目を向けると、群がったクラスメイト達が一喜一憂していた。
「……全部嘘なのにな」と、ひとりごちるとグラウンドに目線を戻し、深いため息をついた。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio
本当にあった怖い話
邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。
完結としますが、体験談が追加され次第更新します。
LINEオプチャにて、体験談募集中✨
あなたの体験談、投稿してみませんか?
投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。
【邪神白猫】で検索してみてね🐱
↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください)
https://youtube.com/@yuachanRio
※登場する施設名や人物名などは全て架空です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる