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我がまま
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不出来な妹がいた。
頭は悪かったし、学校での態度も良かったとは言い難い。
私との歳が離れているため、両親は妹を溺愛し過ぎていた。
子供のころから携帯電話を持たせ、どこに行くにも両親のどちらかが送り迎えをする。
買い物も自由。
カードを渡されていて、好きな物を好きなだけ買い与えられていた。
成人してもその性格は治らなかった。
なんでも自分の思い通りになると勘違いしたのだろう。
両親が亡くなったあとは、その我がままの矛先が私に向いただけだった。
何かにつけて私の物を欲しがった。
初めは、バッグや靴などの身の回りの物。
次に私の会社のお金。
最後に私の恋人だった。
仕事が終わり帰宅すると、ベッドで妹が彼の上に乗っていた。
行為を続けながら妹が私に向ける勝ち誇った顔が、今でも忘れられない。
強く言えない私にも問題があったかもしれない……
昨日、また妹から電話がかかってきた。
相変わらずの「ねぇ、ちょうだい」という我がままな発言を繰り返すだけだ。
私は何も応えられない。
無言で妹の「ねぇ、ちょうだい」という我がままを聞き続けるしかないのだろう。
これは、妹の我がままを抑えることができなかった私の罰なのだ。
今日で四十九日が終わる。
喪主としての務めもこれで終わり。
頭は悪かったし、学校での態度も良かったとは言い難い。
私との歳が離れているため、両親は妹を溺愛し過ぎていた。
子供のころから携帯電話を持たせ、どこに行くにも両親のどちらかが送り迎えをする。
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カードを渡されていて、好きな物を好きなだけ買い与えられていた。
成人してもその性格は治らなかった。
なんでも自分の思い通りになると勘違いしたのだろう。
両親が亡くなったあとは、その我がままの矛先が私に向いただけだった。
何かにつけて私の物を欲しがった。
初めは、バッグや靴などの身の回りの物。
次に私の会社のお金。
最後に私の恋人だった。
仕事が終わり帰宅すると、ベッドで妹が彼の上に乗っていた。
行為を続けながら妹が私に向ける勝ち誇った顔が、今でも忘れられない。
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昨日、また妹から電話がかかってきた。
相変わらずの「ねぇ、ちょうだい」という我がままな発言を繰り返すだけだ。
私は何も応えられない。
無言で妹の「ねぇ、ちょうだい」という我がままを聞き続けるしかないのだろう。
これは、妹の我がままを抑えることができなかった私の罰なのだ。
今日で四十九日が終わる。
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