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喫茶店

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小さな喫茶店でバイトしていた。

混めば相席になるような小さな喫茶店。

常連客が多くってよく相席になる。

実は俺もここの元常連で、今でもバイト前にコーヒーを飲んでいる。

その日もコーヒー飲んでたら、何も言わずに誰かが目の前に立っていた。

バイトの時間までしばらくあるし、無視していたらそいつが話しかけてきた。

「キミはここで働いている子だよね?」

目むけると若い男性だった。

対応するのも面倒だったが、不愛想にして働くときに邪魔されても……と、考え適当に愛想良くしていた。

「実は俺、女関係でトラブルがあってね……」

なんてことはない悩みというか、愚痴を言ってきた。

そいつの話を、とりあえず聞いてる素振りだけみせた。

当たり障りがないように「忘れることが一番です。そして誰かと一緒にいてください」と、笑顔を見せて答えてやった。

「一緒って、誰でもいいの?」

「ええ、貴方が興味を持った女性と一緒に行動してみてください。それだけで過去のことは忘れられますから」

そいつは礼を言って店を後にした。

おそらくもう彼を見ることはないだろう。

壁にかかっている時計に目を向けると、いつの間にかバイトの時間になっていた。

俺はレジまで行って会計のお願いをした。

「あ、これからバイト? ……誰かと相席だったっけ?」

「いえ、一人でしたよ」

ふと、店の外に目を向けると女性が俺を見ていた。

さっきの男性との会話を見られてたみたいだ……
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