8 / 10
008 金田先輩(2)
しおりを挟む
次の日も木藤は、ただ僕を睨んで見ているだけで絡んでこなかった。
何事もなく、放課後、升部で稽古をする。
思いっきり投げようとしたボールを3、4回に一度は止めれる様になった。
「月山君!そのうち完全に出来るようになるよ!」
とボールを投げている水上君が、褒めてくれた。
「いだっ!」
ある程度、速度は落としてくれているんだと思うけど失敗すると、
ゴムボールとはいえ当たると痛い。
「あっごめんね、もうちょい弱く投げよっか?」
「痛くなかったら意味ないでしょ!馬鹿熊!」
「なんかさぁ、こんな感じじゃ心配だなぁ~月っちにほかのも教える?」
金田部長が、皆に言った。
土田君少し悩んだ後、口を開く。
「当身を教えてはどうでしょう?」
「当身かぁすぐ出来るようになるかなぁ~うーん」
「当身ってなんですが?」僕は質問した。
土田君が説明する。
「普通当身は注意を逸らす為に相手の顔に手を突き出すものなんだけど…」
「手を出すだけでいいんですか?」
「うーん、チート部の当身はちょっと違くて…なんというかそれだけで攻撃になる。」
「攻撃?」
「まぁ、月っち、ちょっと見ててよ。」
「熊ちゃんおいで~」
金田部長はそう言うと水上君に手を招いている。
「俺!?えぇぇぇ!!!!」
水上君は物凄い嫌な顔をした。
土田君は「ほっ」とした顔をしていた。
先ほど悩んだ顔をしていたのは、
提案した人が相手役にされると思ったからであろう。
水上君の嫌な顔からかなり痛い技だと思われる。
「金田さん・・・お手柔らかに願い」
「柔らかくってえ?本気でやれって事?」
「いやいやいや痛くないように・・・」
「痛くなかったらやる意味ないよねー?いいから水っち手出して!」
言われたまま手を重ねて前に出す。
水上君は上を見つめて一言言った。
「月山君!さようなら!」
「さようならって?なんで?」
僕がそう言うと土田君が口を押えて笑いを堪えていた。
「速く、当てたらすばやく、引き抜くのがコツ!」
そう言うと、
金田先輩は手の先を水上君の手の平に当たった瞬間、素早く手を引いた。
「ぐあっ!!!」
水上君は、絶句して、その場で膝を付きうなだれている。
なんだろう?スタンガンで撃たれた人みたいな動きだった。
マットに顔を付けたまま水上君が、
「・・・あのう・・・もう帰っていいっすかね…?」
「だめーにひひ!」
「月っちも、一回食らっておこう!味わうと分かるものもあるから!」
そういうと、金田部長は、僕の左肩に。
「ぐはっ!!!」
何が起こったか分からなかった。肩に当たったのにお腹を殴られた感触があった。
そして全身の筋肉が硬直する感じ・・・
そのまま僕は、うなだれてマットに崩れた。
僕は、マットに顔を埋めたまま質問する。
「これって昨日の奴らに使った技ですか・・・?」
金田先輩は目を細くしてニヤっと笑った。
その後、
色々とやり方を教えてもらったけど、
上手くできず、半分目が死んでいる水上君だったが、部活の終わりまで相手役をしてくれた。
「まだ当身は早かったかもですね…」土田君が言う。
そんな感じで今日の部活が終わった。
やはり先輩二人は、理由をつけ逃げるようにどっかに行ってしまった。
金田部長が声をかけてきた。
「月っち!今日も一緒にかえろー!面白い事起こるから!」
「おもしろい?ってなんですか?」
「まぁお楽しみって事で!ふふっ」
楽しそうな部長に、嫌な予感しかなかった。
何事もなく、放課後、升部で稽古をする。
思いっきり投げようとしたボールを3、4回に一度は止めれる様になった。
「月山君!そのうち完全に出来るようになるよ!」
とボールを投げている水上君が、褒めてくれた。
「いだっ!」
ある程度、速度は落としてくれているんだと思うけど失敗すると、
ゴムボールとはいえ当たると痛い。
「あっごめんね、もうちょい弱く投げよっか?」
「痛くなかったら意味ないでしょ!馬鹿熊!」
「なんかさぁ、こんな感じじゃ心配だなぁ~月っちにほかのも教える?」
金田部長が、皆に言った。
土田君少し悩んだ後、口を開く。
「当身を教えてはどうでしょう?」
「当身かぁすぐ出来るようになるかなぁ~うーん」
「当身ってなんですが?」僕は質問した。
土田君が説明する。
「普通当身は注意を逸らす為に相手の顔に手を突き出すものなんだけど…」
「手を出すだけでいいんですか?」
「うーん、チート部の当身はちょっと違くて…なんというかそれだけで攻撃になる。」
「攻撃?」
「まぁ、月っち、ちょっと見ててよ。」
「熊ちゃんおいで~」
金田部長はそう言うと水上君に手を招いている。
「俺!?えぇぇぇ!!!!」
水上君は物凄い嫌な顔をした。
土田君は「ほっ」とした顔をしていた。
先ほど悩んだ顔をしていたのは、
提案した人が相手役にされると思ったからであろう。
水上君の嫌な顔からかなり痛い技だと思われる。
「金田さん・・・お手柔らかに願い」
「柔らかくってえ?本気でやれって事?」
「いやいやいや痛くないように・・・」
「痛くなかったらやる意味ないよねー?いいから水っち手出して!」
言われたまま手を重ねて前に出す。
水上君は上を見つめて一言言った。
「月山君!さようなら!」
「さようならって?なんで?」
僕がそう言うと土田君が口を押えて笑いを堪えていた。
「速く、当てたらすばやく、引き抜くのがコツ!」
そう言うと、
金田先輩は手の先を水上君の手の平に当たった瞬間、素早く手を引いた。
「ぐあっ!!!」
水上君は、絶句して、その場で膝を付きうなだれている。
なんだろう?スタンガンで撃たれた人みたいな動きだった。
マットに顔を付けたまま水上君が、
「・・・あのう・・・もう帰っていいっすかね…?」
「だめーにひひ!」
「月っちも、一回食らっておこう!味わうと分かるものもあるから!」
そういうと、金田部長は、僕の左肩に。
「ぐはっ!!!」
何が起こったか分からなかった。肩に当たったのにお腹を殴られた感触があった。
そして全身の筋肉が硬直する感じ・・・
そのまま僕は、うなだれてマットに崩れた。
僕は、マットに顔を埋めたまま質問する。
「これって昨日の奴らに使った技ですか・・・?」
金田先輩は目を細くしてニヤっと笑った。
その後、
色々とやり方を教えてもらったけど、
上手くできず、半分目が死んでいる水上君だったが、部活の終わりまで相手役をしてくれた。
「まだ当身は早かったかもですね…」土田君が言う。
そんな感じで今日の部活が終わった。
やはり先輩二人は、理由をつけ逃げるようにどっかに行ってしまった。
金田部長が声をかけてきた。
「月っち!今日も一緒にかえろー!面白い事起こるから!」
「おもしろい?ってなんですか?」
「まぁお楽しみって事で!ふふっ」
楽しそうな部長に、嫌な予感しかなかった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
イルカノスミカ
よん
青春
2014年、神奈川県立小田原東高二年の瀬戸入果は競泳バタフライの選手。
弱小水泳部ながらインターハイ出場を決めるも関東大会で傷めた水泳肩により現在はリハビリ中。
敬老の日の晩に、両親からダブル不倫の末に離婚という衝撃の宣告を受けた入果は行き場を失ってしまう。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
産賀良助の普変なる日常
ちゃんきぃ
青春
高校へ入学したことをきっかけに産賀良助(うぶかりょうすけ)は日々の出来事を日記に付け始める。
彼の日々は変わらない人と変わろうとする人と変わっている人が出てくる至って普通の日常だった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
下弦の盃(さかづき)
朝海
青春
学校帰りの少女――須田あかりは、やくざの男たちに絡まれているところを、穏健派のやくざ白蘭会の組長・本橋澪に助けられる。
澪に助けられたことから、澪の兄で強硬派のやくざ蒼蘭会・組長の本橋要との権力争いに巻き込まれていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/youth.png?id=ad9871afe441980cc37c)
放課後、理科棟にて。
禄田さつ
青春
寂れた田舎の北町にある北中学校には、都市伝説が1つ存在する。それは、「夜の理科棟に行くと、幽霊たちと楽しく話すことができる。ずっと一緒にいると、いずれ飲み込まれてしまう」という噂。
斜に構えている中学2年生の有沢和葉は、友人関係や家族関係で鬱屈した感情を抱えていた。噂を耳にし、何となく理科棟へ行くと、そこには少年少女や単眼の乳児がいたのだった。
拝啓、お姉さまへ
一華
青春
この春再婚したお母さんによって出来た、新しい家族
いつもにこにこのオトウサン
驚くくらいキレイなお姉さんの志奈さん
志奈さんは、突然妹になった私を本当に可愛がってくれるんだけど
私「柚鈴」は、一般的平均的なんです。
そんなに可愛がられるのは、想定外なんですが…?
「再婚」には正直戸惑い気味の私は
寮付きの高校に進学して
家族とは距離を置き、ゆっくり気持ちを整理するつもりだった。
なのに姉になる志奈さんはとっても「姉妹」したがる人で…
入学した高校は、都内屈指の進学校だけど、歴史ある女子校だからか
おかしな風習があった。
それは助言者制度。以前は姉妹制度と呼ばれていたそうで、上級生と下級生が一対一の関係での指導制度。
学園側に認められた助言者が、メンティと呼ばれる相手をペアを組む、柚鈴にとっては馴染みのない話。
そもそも義姉になる志奈さんは、そこの卒業生で
しかもなにやら有名人…?
どうやら想像していた高校生活とは少し違うものになりそうで、先々が思いやられるのだけど…
そんなこんなで、不器用な女の子が、毎日を自分なりに一生懸命過ごすお話しです
11月下旬より、小説家になろう、の方でも更新開始予定です
アルファポリスでの方が先行更新になります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる