チートクラブ

むねじゅ

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006 通学2日目

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タイトルを「チートクラブ」に変更しました。
あと、内容を細々修正しましたが話の内容はそのままなので軽く読み返せば大丈夫かなぁと。
ちょっと時間が経ったので確認の為にも人物紹介をします。

この話の主人公
月山つきやま…中学1年生、木藤に標的にされている。火口先生に升部に誘われる。

虐めっ子のリーダー
木藤きとう…月山と同じクラス、自称「ストリートファイター」月山をサンドバッグだと思ってる。

升部顧問
火口ひぐち先生…月山を升部に誘う。「熊ごろし」の異名をもつ。容姿は美人

升部部長
金田かねださん…3年生、容姿が小学生に見える「ちんちくりん」、性格は絶対S

升部副部長
土田つちだ君…2年生、高身長「ガリ眼鏡」口調が多々嫌味。

升部部員
水上みずかみ君…2年生、「熊」容姿が熊なので見ようによっては可愛い。


月山は火口先生に「チート部」と呼ぶよう言われてますが、
升部ますぶ」って呼んでいます。

では次の日の話です。
------------------------------------------
今日も朝から全身筋肉痛だ。
学校で木藤は、睨んでいたが何もしてこなかった。
全ての授業が終わり放課後になったが、取り巻きの奴も特に因縁を付けてこなかった。
それとクラスの誰一人も、僕に話しかけてくる人は居なかった。
虐められていた時から居なかったけどね・・・

あれ?イジメが無くなった?
もしかして、解決したのかな!?

火口ひぐち先生のおかげだ。
2日でイジメ解決ってすごいよ!ポンコツ言ってスミマセン。
先生にちゃんとお礼言おう。

そうなると、もう升部に行かなくてもいいのかな・・・

そんなこんな、考えながら放課後、升部へ向かう。

部室にはすでに先生と先輩を含めた4人全員が居た。

「遅いぞ!月山つきやま!次の稽古けいこに入るぞ!」
火口先生はヤル気満々な顔をしている。他の先輩達もウンウンっとうなずいていた。

僕は話をさえぎるように
「ちょっと待ってください。実は、イジメがなくなって・・・解決したかもしれません!」

火口先生は目を閉じて首を横に振った。先輩達も同じくそんな訳ないと首を横に振っている。
その後、こう言った。
「おい熊!そこに立てかけてあるバットで思いっきりちんちくりんの頭をフルスイングだーーー!!!」

ええ!?なぜ金田さんをバットでフルスイングってちょ!?
てかなんで金属バットがここにあるん!?

「私の私物だ!」
まだ何も言ってないのに火口先生はニッコリしながら答える。

水上君はとても嫌な顔をしたが、
「やるよ・・・やってやるよ・・・月山君の為にも・・・」

僕の為に金田さんをやる??こっちを見てる金田さんの笑顔も怖い・・・
「熊~バッチこーい!ちゃんと見てね月っち」

水上先輩は金田さんの頭を叩く為に両手でバットを縦に振り上げた。
見た感じ腕は血管が浮き出ており半端なく力が入っている。

次の瞬間「うぎっ!」
水上君が辛そうな声を出すと、
なぜかバットを振り上げたまま悶絶している。
声を出す前に金田さんが何かしたのは分かるのだが、水上君に触れていなかった。

「熊ちゃ~んほら振り下げて!頑張って!」
金田さんは細い目をしながら煽っている、しかし硬直したまま何も出来ずにいた。
金田さんが手を水上君の肩付近をちょんと触れると、腰からマットに転がった。

火口先生が喋る
「よし!んじゃ月山~金田と交代~」

「はぁ?え?そんな事したら死んじゃいます!」
僕は必死に言った。

「月山~お前近い内にこういう事態になるぞ。」

先輩3人がウンウンと首を縦に振った。

土田君が口を開く
「クラスの不良どもを黙らせた後、教室の椅子で頭叩かれた時あったからね。」
頭部の傷を見せた。

金田さんが言う
「あたしは、男3人を懲らしめたら、ナイフで刺された事あったよ。」
お腹の傷を見せてくれた。
男子3人が目を真ん丸くして凝視した。

水上君が恥ずかしそうに言う
「ぼっ僕は、最終的にトラックでひかかれた。傷はありません。」

椅子は痛そう…
刺されたんだ…
最終的って?轢かれそうじゃなくて轢かれたんだ…傷はないって・・え?

僕は背筋に寒気がした。
そうだよな・・・
いじめがそんな簡単に終わる訳ないか・・・。

・・・

「先生・・・稽古続けさせてください!」

火口先生はニコリとする。
「覚悟が出来たみたいだな~では簡潔に教えてあげよう!」

ただ腕を動かすだけ。
聞いてしまえば単純な説明だった。

自分の肘を相手の首に向けて突き出す。
その時、肘が上に曲がる出し方ではなく、肘が下に曲がる様に出す。
ようは、肘を出した時、肩では無く指で脇を触れる向きだ。
某有名芸人の「アイーン」に似てると思った。

その後、肘を出した勢いで肘を伸ばしてから手刀で振り下ろす。

この動きを行うと、何故か相手は硬直するらしい。
柔らかく素早く行うのがキモらしい。

火口先生はゴムボールを水上君に渡した。

「熊!これで練習してあげな!」

金属バットにゴムボール…野球でもやるのか!でもなぜ金属バット!!!

質問してないのにニヤニヤしながら火口先生が答えた。
「硬球でやってもいいんだぞ?」

「いえ・・・ゴムボールがいいです。」

石とか投げてくる相手に有効と先生は言った。

早速、水上君が僕に向かってボールを投げた。
そのタイミングで腕を動かす。

「いたっ!」
投げたボールが胸に当たる。

その時、土田君が助言してくれた。
「ボールを投げた後ではではなく…」
「ボールを投げる前にやるんだ。」

「投げる前…お願いします。」

ボールを後ろに向けた瞬間やってみた。
「っ!」
ボールを投げるのを一瞬だけ躊躇ちゅうちょしたかのように見えた。

「おっし!じゃあ後は頼んだぞ!」
そう言うと火口先生は部室を出ていった。

その後、何度か練習をして確実に水上君にボールを一瞬だけ投げられなくなる様にできた。
瞬間だけなので、硬直はしてないのでその後、投げられてしまうのだが・・・

タイミングはボールを強く握った時がベストだと思った。
バットでもバットを強く握った時にやればかかるのかなぁ・・・

ボールのお手本を金田さんがやってくれた。
水上先輩がボールを投げようとするが腕が上にピーンと伸び背中がのけ反った。

「最後の振り下ろす手刀は当てると効果があるの」
そういうと、下ろした手刀を水上君のおでこに当てる。

「うぎゃっ!!」
水上君は叫び声を上げてマットに崩れた。

金田さんは「うししっ」と笑っていた。

この人絶対Sだ。と思った。

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