異世界転生装置

むねじゅ

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別れ

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「消えた…」
さっきまで六芒星ろくぼうせいの上に立っていた武藤(男か女かわからん奴)が消えた。

「えっマジだったのか!?」

眼鏡君のキツネ目がさらに細くなって答える。
「マジですよ…企業秘密なので誰にも言わないでくださいね?」

誰にも言わないでって…
「ネットに掲載してるのに秘密?」

「あれは来れる人だけが来れるサイトですし…」
「まぁ人に話しても頭のオカシイ人って思われちゃいますよ?」

「確かに…そうだな。これを見ないと信じるわけないな。。。」

眼鏡君のキツネ目が見開く
「では…どうします?転送しますか?」

おれは数秒考えて後、答える。
「一回帰って、考えさせてくれないか?もしやるにしてもお金を用意しないと。」

眼鏡君の目が細くなる。
「・・・ですね・・・お金のご用意できたらいつでも来てください。」

大学を出ると夜になっていた。
「なんだ・・・数時間しか居なかったのにもう9時かよ・・・」

家に帰り玄関を開けると妻が迎えた。
「お帰りなさい!同窓会楽しかった?」

「あぁ・・・楽しかったよ。」

その夜、久しぶりに妻の身体を抱いた。自分でも驚くほど強く腰を動かした。
妻が苦痛で嫌がってもおかまいなしに奥に大量に射精した。
行為が終わって妻は、泣きながら眠りにつく。
もうこの女とは、今日限りなので、何を思われてもよい。

子供・・・俺には小学生の娘がいる。
「最後に顔見ておくか・・・」
娘の部屋に入り、寝ている顔を見た。

「うん・・・まったく可愛くない。」
顔が可愛くないのではない。顔は妻似で美人だ。
なんと言うか、愛おしい感じがまったくしない。
俺は、フッっと笑うと明日の行動を考える。

まず。銀行に全財産下ろす。
その後、大学に行って異世界転生。

全財産って簡単に下ろす事ってできるのか?
疑問は残るが眠りに付く。

次の日、
俺は銀行に向かう。
窓口で全部下ろしたいと言ったら。
かなり下ろすのを止める事を説得されたが、無視した。
最終的に
「現在、現金がありません。ご用意しますので明日もう一回来てください」
と言われた。
銀行って意外に現金ないのか。

家に帰ると、妻が怒っている。
「アナタ、今日会社行ってないの!?会社の方が連絡してくれって!どういうこと!?」

あーーーめんどくさい。
「会社はやめるから。もういいんだ。」

「え・・・なにそれ・・・!??」

「あと・・・離婚しよう。」

妻が唖然としている。
「・・・・!??」

「じゃあ俺は、もう行くから。」

「ちょっ・・・まって!」
妻の言葉を無視して、そのまま家を出た。

「今日は、ホテルに泊まればいいか。」

次の日、銀行に指定された時間にお金を受け取りに行った。

なんと大きい紙の袋1つで渡された。
内心「紙袋って、えー嫌がらせか?1億ってこんなもん?」っと口に出そうになった。
大きなアタッシュケースを渡されると思ったのに・・・
俺のこれまでの何十年の努力が、紙袋1つって・・・。

銀行員が呆れたような、冷やかな顔で対応された。
ちょっと俺の金なんだけど、犯罪者を見るみたいな顔をしてんなよな、まったく・・・

異世界に行く決心も更に強くなった。
「大学に行くには・・・」
下手に歩いて強盗に狙われたら嫌なので、銀行でタクシーを呼んでそのまま大学へ行った。

大学に着くなり
例の部屋の前に着いたのでドアを開けようとすると、

「こんにちは。」

思わず声がでる。
「わぁっ!?」
眼鏡をかけたキツネ目の男が後ろに立ってる。
コイツ、人を驚かせるのが趣味なのか?

「お早いご決断…ご用意してくださったのですね?」

「あっあぁ、持って来たら転送してくれ!」

眼鏡君の目が細くなる。
「では、転送の準備しましょう!」

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6/14訂正 銀行のやりとりを追記しました。
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