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005 喫茶店ラミア
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金時「小城さん!ねぇ!どうしたの!?」
「小城さん!おーい小城さん!聞こえる!?」
僕は小さな声で小城さんを耳元で呼ぶけれど彼女の意識が戻ってこない。
何やらブツブツ呟いている。正直怖い。
なんでこんな事に。
話は喫茶店に入る前に戻ろう。
その喫茶店の看板は「ラミア」とカタカナで書いてあった。
ラミアで連想するのは、ゲームとかで上半身が女の人で下半身が蛇のモンスター。
僕は不思議…と思いながら、二人で喫茶店に入った。
そこにはカウンターと4人座れるテーブル席が2つあった
広くはないけど、定番のおしゃれな喫茶店だった。
お店の中は珈琲の良い香りがする。
金時「良い匂い…」
カウンターを見ると髪の毛を一つに結んでいる、眩しい程に美しい男の人がコップを磨いていた。
やばいカッコイイ!写真に残したい…
お客さんは誰もいないこんな美しい人がお店をやっていたら
女性客で埋め尽くすんじゃないのかな?
でも不謹慎だけどお客さんは誰もいなくて嬉しかった。
そして蛭間さんの青い目がこちらを向く。
蛭間「おや…金時君じゃないか!いらっしゃい後ろの子は友達かい?」
金時「はい!今日友達になった小城さんです。」
蛭間「そうかい!わざわざ、私の店に来てくれたのかい?嬉しいねぇ~」
「さぁさぁカウンターに座っておくれ!何か飲みたいものはあるかい?」
金時「じゃ…じゃあアイスコーヒーを…」
蛭間「よしっアイスクリームも乗っけてあげようか!」
金時「ありがとうございます!」
もう僕は蛭間さんとこんなにもいっぱい話を出来るのが嬉しくて、
舞い上がっていて小城さんの事をすっかり忘れていた。
蛭間「お嬢さんは何がいいかい?」
その発言に僕は我に返った。そうだ小城さんが居たのだった。
小城さんは、何も答えずビックリした顔で蛭間さんをジーと見つめている。
蛭間「…お嬢さんは面白い子だねぇ?金時君と同じでいいかな?」
金時「すみません!同じでいいです!すみません!変わった面白い子なんです!」
ハハッと笑いながら蛭間さんは、飲み物を作るため席から離れた。
その隙に僕は、彼女の耳の近くで小声で喋った。
金時「小城さん!ねぇ!どうしたの!?」
「小城さん!おーい小城さん!聞こえる!?」
何かブツブツ言っていて怖いけど言ってる内容が聞き流せなかった。
小城「… オジサマ萌え?…あーうん、まだ…そのジャンルは… 」
彼女が言ってる言葉に愕然とした。
やっぱり僕以外は老人に見えるまさか…?
金時「茜ちゃん!」
その言葉で彼女は意識が戻る。
小城「はっ…!月島ちゃん!うんっちょっとびっくりしただけ…うん!」
金時「話は後でいいから、今はちゃんとして!」
小城「おっオッケイ!落ち着け茜やればできる子…」
蛭間さんが飲み物をもって戻ってくる
蛭間「アイスコーヒーならぬコーヒーフロートおまたせ!」
出されたコーヒーフロートを飲む。
金時「おいしい…」
蛭間「ふふっ市販の珈琲とは違うでしょ?」
金時「はい!とっても良い香りで美味しいです!」
小城「美味しい!アイスもおししい」
蛭間「それは良かった。彼女も心配ないようだね。」
金時「はい!治りました。」
小城「ゴホッ!」
蛭間「そうかい、そうかい、」
あー永遠にこの時が続けばいいのになぁと思った。
あれ?何か大事な事忘れている気がするけどまぁいいや。
この目の前のコーヒーフロートが無くなるまで、
蛭間さんは僕のもの…僕だけを見てくれる…
・・・
毎回無料でいいよと言われたけどそれはさすがに悪いと思い。
今回だけ奢りという事にしてもらった。
小城さんは「えーホントですか!やったぁ」って喜んでいたけど
ずうずうしいなぁと思った。
今、小城さんと二人で帰り道を歩いている。
彼女が口を開く。
小城「月島ちゃん!おじいちゃん好きなの?」
その発言に僕は目が覚めた。
金時「小城さんには、老人に見えるんだね?」
小城「まぁ年の割にカッコイイとは思うけどおじいちゃんだねぇ…」
「美しいとは思わねぇなぁ…はは…」
なんで??なんで僕にはあんな風に見えるんだ…
金時「髪は長い?」
小城「なんでそんな事を聞くの?」
金時「僕、真剣に聞いているんだ。いいから答えて」
小城「うっうん、長いけど白髪」
金時「黒髪じゃないの…?」
「目!目は青いよね??」
小城「黒髪?目も普通に黒だよ?」
小城「ねぇ月島ちゃんは、あのおじいちゃんが黒髪の青目の美男子に見えるって事?」
金時「僕は頭がオカシイのかな?」
小城「…」
小城さんは少し考えて手をポンッと叩く。
小城「あっでも…」
金時「何!なにか分かった?」
小城「お金持ちなら、おじいちゃんでもアリかも!」
彼女とは今後、恋敵になる事はないと思った。
金時「先に帰っていいから…」
小城「月島ちゃん!まって!どこいくの!」
彼女の声を無視して僕は、帰る道を戻って喫茶店へ向かった。
泣きそうなのを我慢しながら僕は走った。
声をはあはぁ言いながら、喫茶店のドアを開ける。
そこに居たのは、テーブルを拭いている黒髪の青目の美しい人だった。
蛭間「どうしたんだい?金時君…」
咄嗟に僕は、彼の胸に抱きつき声を出して泣いてしまった。
もしかしたら、もう老人に見えるのかもしれないと思った。
だけどそのままの彼がそこにいたんだ。良かった…
僕は、頭がオカシイのかもしれない。
でも彼を好きなのは、もう止められないんだ。
蛭間さんは、何も言わず僕の肩を手で優しくトンットンッとしてくれた。
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20019/06/18一部誤字修正、文章追記、変更 話のタイトルを変えました。
「小城さん!おーい小城さん!聞こえる!?」
僕は小さな声で小城さんを耳元で呼ぶけれど彼女の意識が戻ってこない。
何やらブツブツ呟いている。正直怖い。
なんでこんな事に。
話は喫茶店に入る前に戻ろう。
その喫茶店の看板は「ラミア」とカタカナで書いてあった。
ラミアで連想するのは、ゲームとかで上半身が女の人で下半身が蛇のモンスター。
僕は不思議…と思いながら、二人で喫茶店に入った。
そこにはカウンターと4人座れるテーブル席が2つあった
広くはないけど、定番のおしゃれな喫茶店だった。
お店の中は珈琲の良い香りがする。
金時「良い匂い…」
カウンターを見ると髪の毛を一つに結んでいる、眩しい程に美しい男の人がコップを磨いていた。
やばいカッコイイ!写真に残したい…
お客さんは誰もいないこんな美しい人がお店をやっていたら
女性客で埋め尽くすんじゃないのかな?
でも不謹慎だけどお客さんは誰もいなくて嬉しかった。
そして蛭間さんの青い目がこちらを向く。
蛭間「おや…金時君じゃないか!いらっしゃい後ろの子は友達かい?」
金時「はい!今日友達になった小城さんです。」
蛭間「そうかい!わざわざ、私の店に来てくれたのかい?嬉しいねぇ~」
「さぁさぁカウンターに座っておくれ!何か飲みたいものはあるかい?」
金時「じゃ…じゃあアイスコーヒーを…」
蛭間「よしっアイスクリームも乗っけてあげようか!」
金時「ありがとうございます!」
もう僕は蛭間さんとこんなにもいっぱい話を出来るのが嬉しくて、
舞い上がっていて小城さんの事をすっかり忘れていた。
蛭間「お嬢さんは何がいいかい?」
その発言に僕は我に返った。そうだ小城さんが居たのだった。
小城さんは、何も答えずビックリした顔で蛭間さんをジーと見つめている。
蛭間「…お嬢さんは面白い子だねぇ?金時君と同じでいいかな?」
金時「すみません!同じでいいです!すみません!変わった面白い子なんです!」
ハハッと笑いながら蛭間さんは、飲み物を作るため席から離れた。
その隙に僕は、彼女の耳の近くで小声で喋った。
金時「小城さん!ねぇ!どうしたの!?」
「小城さん!おーい小城さん!聞こえる!?」
何かブツブツ言っていて怖いけど言ってる内容が聞き流せなかった。
小城「… オジサマ萌え?…あーうん、まだ…そのジャンルは… 」
彼女が言ってる言葉に愕然とした。
やっぱり僕以外は老人に見えるまさか…?
金時「茜ちゃん!」
その言葉で彼女は意識が戻る。
小城「はっ…!月島ちゃん!うんっちょっとびっくりしただけ…うん!」
金時「話は後でいいから、今はちゃんとして!」
小城「おっオッケイ!落ち着け茜やればできる子…」
蛭間さんが飲み物をもって戻ってくる
蛭間「アイスコーヒーならぬコーヒーフロートおまたせ!」
出されたコーヒーフロートを飲む。
金時「おいしい…」
蛭間「ふふっ市販の珈琲とは違うでしょ?」
金時「はい!とっても良い香りで美味しいです!」
小城「美味しい!アイスもおししい」
蛭間「それは良かった。彼女も心配ないようだね。」
金時「はい!治りました。」
小城「ゴホッ!」
蛭間「そうかい、そうかい、」
あー永遠にこの時が続けばいいのになぁと思った。
あれ?何か大事な事忘れている気がするけどまぁいいや。
この目の前のコーヒーフロートが無くなるまで、
蛭間さんは僕のもの…僕だけを見てくれる…
・・・
毎回無料でいいよと言われたけどそれはさすがに悪いと思い。
今回だけ奢りという事にしてもらった。
小城さんは「えーホントですか!やったぁ」って喜んでいたけど
ずうずうしいなぁと思った。
今、小城さんと二人で帰り道を歩いている。
彼女が口を開く。
小城「月島ちゃん!おじいちゃん好きなの?」
その発言に僕は目が覚めた。
金時「小城さんには、老人に見えるんだね?」
小城「まぁ年の割にカッコイイとは思うけどおじいちゃんだねぇ…」
「美しいとは思わねぇなぁ…はは…」
なんで??なんで僕にはあんな風に見えるんだ…
金時「髪は長い?」
小城「なんでそんな事を聞くの?」
金時「僕、真剣に聞いているんだ。いいから答えて」
小城「うっうん、長いけど白髪」
金時「黒髪じゃないの…?」
「目!目は青いよね??」
小城「黒髪?目も普通に黒だよ?」
小城「ねぇ月島ちゃんは、あのおじいちゃんが黒髪の青目の美男子に見えるって事?」
金時「僕は頭がオカシイのかな?」
小城「…」
小城さんは少し考えて手をポンッと叩く。
小城「あっでも…」
金時「何!なにか分かった?」
小城「お金持ちなら、おじいちゃんでもアリかも!」
彼女とは今後、恋敵になる事はないと思った。
金時「先に帰っていいから…」
小城「月島ちゃん!まって!どこいくの!」
彼女の声を無視して僕は、帰る道を戻って喫茶店へ向かった。
泣きそうなのを我慢しながら僕は走った。
声をはあはぁ言いながら、喫茶店のドアを開ける。
そこに居たのは、テーブルを拭いている黒髪の青目の美しい人だった。
蛭間「どうしたんだい?金時君…」
咄嗟に僕は、彼の胸に抱きつき声を出して泣いてしまった。
もしかしたら、もう老人に見えるのかもしれないと思った。
だけどそのままの彼がそこにいたんだ。良かった…
僕は、頭がオカシイのかもしれない。
でも彼を好きなのは、もう止められないんだ。
蛭間さんは、何も言わず僕の肩を手で優しくトンットンッとしてくれた。
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20019/06/18一部誤字修正、文章追記、変更 話のタイトルを変えました。
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