魔王転生日記

むねじゅ

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第011話 結果オーライ

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我は泣き止まないタダシをなんとかなぐさめようと話しかける。

我 「もう、あの乱暴者だって怖くないし。僕がいないときだって大丈夫じゃん。しかも、タダシが大事な人とかを守れるんだよ!すごいよ!正義の味方だよ!」

やはり、タダシはガキだった。我の言った正義の味方という言葉に反応して納得しはじめた。

タダシ 「そっかー!容姿は関係ないよね!自分が正義の味方になればいいんだよね!そっかー!すごいかもー!」

タダシは考えを変えたらしい、そうだ!容姿より、心構えよ!と我は思った。
タダシもこれで男が上がったの!我の眷属、万歳!!!!

今日こんなことがあったので、その日からハナフックは笑いものになっていた。
あのガキ大将が号泣しながらおらしをして、小便を撒き散まき ちらしていたのだから当り前だ。
ハナフックはその日から、しょんべん小僧のトシオという二つ名がついてしまった。
池にある像のしょんべん小僧、見た目が正にそれだったからだ。ざまーみろ!

幼稚園はハナフックが通うようになってから、荒れに荒れていたが、やっと平和を取り戻した。
ハナフックはよっぽどショックが大きかったのか、あまりしゃべらなくなり、終始ビクビクするやつに成り下がった。
そのせいで、子分はいなくなり、ひとりぼっちのようだ。
まぁ、あれだけ暴れていたのだから、少し大人しいくらいが丁度いいのだろう。そのほうが世の中のためにいい。
幼稚園の先生たちもハナフックが問題を起こさなくなったので、楽そうだ。
あー我はなんていいことをしたんだろうと悦に入った。

しかも!眷属承認も成功したし!タダシとは親友以上の絆で結ばれている。このことも喜ばしい!
我の人生、前途多難?と思っていたが、案外楽勝か?と心の中でニヤニヤしている我であった。

あれからタダシは、まだ一回も変化していない。
まぁ、ピンチがないのだから、必要がないのだ。よいことではないか。平和なのだ・・・

我は自慢しようと、隣の犬に会いに行った。

我 「やはり、我に不可能という文字はなかったのだ!」

犬 「何がですか?」

我 「だから、眷属承認は成功しておったのだ!!!!」

犬 「えっ?お友達のタダシくん、眷属にできちゃったんですか?大丈夫なんですか?」

我 「大丈夫に決まっておろう!ピンチには緑の超人になれるのだ!すごかろー!!!」

犬 「はっ?緑の超人?人間の子供が?えっやばくないですか?それ化け物ですよ!!!」

我 「なにが、化け物じゃ!正義の味方だ!心がけ次第じゃ!」

犬 「なに言ってるんです?この世界じゃ見た目が全てと言っても過言かごんじゃないんですよ!」

我 「そんなわけなかろー!人間は気持ちが一番だとのたまわっているではないか!」

犬 「それは、建前で・・・実際は見た目なんですよね・・・この世の中は・・・」

我 「なに?人間はけしからん奴らだの!我がその世の中を変えてみせる!!!」

犬 「魔王さんだったら、できるかもしれないですね!なんせ元魔王なんですから・・・おいらもついて行きます!魔王さん!クゥーン!!!」

我 「よかろう!我の世界におぬしも連れて行ってあげてもよいぞ!」

犬 「ありがとうございます!魔王さん!」

我 「それには、まず眷属承認じゃ!おぬしも眷属にならねば!!!」

犬 「えっ?そっそっそうですよね・・・」

犬はとたんに嫌そうな顔になった。

我 「今すぐではない!タダシで少々マナを使い切ってしまったのでな!また溜めなくてはいけなのじゃ!それまでの辛抱じゃ!」

犬 「そうですか!それまで期待してます!」

犬は今すぐ眷属承認をするわけではないと知って、とたんに明るくなる。よっぽど嫌だったらしい・・・
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