魔王転生日記

第008話 小悪魔誕生

我は幼稚園から帰り、おやつを食べ、犬用に少し残しておいたおやつを持って隣の犬に会いに行く。

我　「我がおぬしの仲間の仇かたきをとってやったぞ！」

犬　「魔王さーん！仲間が一連いちれんの事件を見てたんですってよ！本当にありがとうございます！仲間がよろこんでました！スッキリしたって！！！！しかも復讐ふくしゅうの手口も聞きやした！鮮あざやかな手口てぐちだったってー！！！」

我　「なっ！言っただろう？人間の小僧なんて一ひとひねりだって！」

犬　「スゲーです！皆あいつには色々されていたんです！ありがたや！ありがたや！やっぱり持つべきものは魔王さんだ！」

犬はしっぽを振ってよろこんでいる。

犬　「魔王さんはここいらの生き物の中じゃ！有名人になっちまった！俺だけの魔王さんだったけどよー。少し寂しいや！」

我　「なんでだ？我は動物では、まだおぬししか話したりしてないぞ！」

犬　「本当ですか！おいらは魔王さん尊敬してるんで、そこんとこ宜しくお願いします！！！！」

我　「まーまた困ったら。我に言うがよい！小さき弱きものには寛大かんだいなんじゃ！！！」

犬　「よっ！日本一の魔王さん！！！」

犬は我を担かつぎ始めた。そうそう。これこれ。我は担がれて、崇あがめられて、畏怖いふされる存在なのだ！！！
我はおやつを持ってきたことを思い出した。

我　「今日はこれを持ってきたぞ！」

我はおやつをやった。

犬　「いいんですか？仇をとってもらったうえに、おやつまでもらっちまって！いいことだらけだ！」

と言ってうれし泣きをしながら、おやつを食べている。

これからも我の強さ、賢さ、恐怖を回りに示していかなければ！と張り切る我なのであった。

そうこうしている内に大分だいぶ時間がたっていたようだ。

母　「まおちゃーん！ごはんよー！」

と我を呼ぶ声が聞こえる。

我　「では、またの。さらばじゃ。」

犬　「へい！ありがとうごやいやした！！！」

犬は我をずっと見えなくなるまで見送っていた。