忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
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一度目はサラッと読んでしまいましたので、二度目です。
二度目で読んでみると「あぁ~これがあの事に繋がるのか~」なんて思います。
読み易いのに読み応えがあり、話の中の人達がまるで生きている様に動きます。
あと少しで二度目も終わります。
素敵なお話を有難うございました。
こんにちは。
作品を読んでいただけてとても嬉しいです。二度も目を通していただけて、感激しております。
物語が進むにつれ登場人物も増え視点も増えました。目の滑る文章ではないかなどと悩みながら書いています。
こちらこそ感想をいただけてありがとうございました。
感謝を込めまして。
ひぇ~、大きな穴が必要な粗大ゴミってディアーの遺体ですかね? フーってなんだか得体が知れなくてコワイです。いったいどうしてそこまでドリトルン家の人間に恨みがあるのでしょうか。もしかしてフー自身がドリトルン家の庶子だったりするとか? ロフィが将来、家の支配権と財産を取り戻せるといいのですが。
ロフィが成人するまでアリスがロエルと結ばれないとしたら、気の毒過ぎますね。ディアーもいなくなったことだし、障害はフーだけかな? 早くアリスがロエルと(もちろんロフィと一緒に)幸せになってほしいです。
こんにちは。
本作を見つけていただき、ありがとうございます。
気味の悪い展開になりました。ご想像の通り、中身はディアーでした。
フーはディアーの異母兄のようですが、確証はないまま彼自身も消えてしまいました……。
ディアーに次いでフーが消えれば、アリスにとって障害はロフィの親権のみです。これも都合のいい形に収まりました。
フーに何かを語らせることも考えましたが、彼なら本音は口にしないだろうな、と想像しました。
長い物語になりました。おつき合いをありがとうございました。
メッセージを頂戴し、大変励みになります。
小リスの退場で、ディアーとアリスの関係にも変化が訪れるのでしょうか。
小リスの手切れ金、満額回答なんでしょうかね?
愛人時代にディアーに山ほど貢がせたものだけでもひと財産ありそうですけど。
手切れ金はやるけど、荷物は全部置いて行かせるとか?
ドリトルン家を実質上支配し、巨万の富を手に入れたフーが次に狙うのは何か。
しかし、完全犯罪と高をくくるフーにまさかの落とし穴…。
でも証拠は小リスの目撃証言だけだし、遺体は既に墓の下。
フーの牙城を突き崩すのは誰か。
ロエルにそこまでの立ち回りが出来るのかなぁ。
長くなった物語におつき合いをありがとうございます。
子リス出ていってしまいましたね。書いていて楽しいキャラでした。ディアーとの絡みなどもっと書ければ良かった、と思います。
彼女的にはお金も手に入ったし、貢がせた品々で損はない。とドリトルン家を見限ったようです。
あっさり外の世界を選べる子リスに、アリスの心境はいかがなものかと……。
子リスも消え、ますますフーはつけ上がりそうですね。
思いがけず筆が乗り、物語も延びました。着地点は見えているので、今後も更新を努めます。
いつもありがとうございます。とってもうれしく拝見しております。
ああ、遂に言い逃れの出来ない不貞関係になってしまったんですね。
最初の逢瀬こそ今生の別れかもという大義名分(?)がありましたが、2度目はもはや白昼堂々と。
いつかアリスの婚姻が解消出来る日が来るまで、2人には身綺麗でいて欲しかったですが……。せめて最後の一線は死守出来るか。
背徳感をスパイスに禁断の関係に酔いしれた2人はこれからどうなって行くのか。
夫を更に失脚させるネタでもあれば良いのですが。
こんにちは。
物語におつき合いありがとうございます。
とうとう堂々とデートしていますね。二人はもうすっかり自分たちの世界に没入してしまっているようですね。
向こう見ずなロエルにアリスもすっかり参ってしまっているのかな……。
彼女の側は夫に子供に、実家にとがんじがらめですね。そんな彼女を救い出したいという騎士道精神もロエルの気持ちにはあるのでは、と思います。若干歪んでいますが。
まだまだ続きます。今後もどうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。
嵐の中で6.
人事不省が
人事不正になっています。
お目汚しを申し訳ありませんでした。
確認し訂正をいたしました。
教えていただきありがとうございます。
こうやって不貞関係になっていくんだな…
ロエルは正義感に、アリスは外界への憧れと背徳感に酔ってますね〜。
ロエルが心配性なのは分かるけど、相手の事情も慮らず嫌味な言い方が鼻につく…好かれたいなら言い方考えないと、まぁたアリスちゃんに嫌われるぞ〜( ;´Д`)
ロエルさん、今のところ、密会以外は口だけ男になってるから、これから姫を救う騎士になると良いですね(*´ω`*)
メッセージをありがとうございます。
ロエルは特に周囲が見えていないことが多く、アリスへの態度も慇懃無礼気味です。自分に自信のあるタイプでしょうから、俺様気質なのかも。
ただ、動いてくれ易いので書き手としては楽なキャラでもあります。
アリスはそんなロエルに振り回されている感が強いですね。初めてづくしで、いいも悪いも判断がつかないのでしょうが。
今後物語を盛り上げていけるよう頑張ります。
ありがとうございました。
少し疑問なのですが、ロエルとやり取りした今までの手紙は、その後どうしているのでしょうか?
手紙を貰って読んだ直後に「ノートブックに挟む」という描写がありますが、2通3通程度なら挟んだままでも問題ないと思います。
ですが、既にそんな回数では収まらないくらいのやり取りになっているはず。
その過去の手紙の行方は。
仮にレイナの手紙でカモフラージュして鍵付きの文箱とかに入れても、部屋を改められて鍵を壊して開けられるようなことになる可能性もあるし、手紙を挟んだノートが風で捲れたりノートを落として手紙が、例えばフーの前に飛び出したりしたら。
読んだら燃やすが1番確実ですが、最初にそういう取り決めがなければアリスの性格的に貰った手紙を燃やすとも思えないので。
こんにちは。物語におつき合いをありがとうございます。
ご質問の手紙の件ですが……、
アリスは直近の手紙をノートブックに挟み、読み返しています。以前のものは寝室にしまってあるという設定です。父やレイナからの手紙に紛れて置いてあるという風に。
わかりにくい表現になり申し訳ありません。
ただ、これ以降の話の中でアリスの迂闊さが出てくる場面もあります。そこへ結びつく設定なので、ご容赦いただけましたら幸いです。
ただ、ご指摘のようにヒロインは危機感の薄い性分のようですね。
まだまだ続きます。今後もお読みいただけますと嬉しいです。
ありがとうございました。
ロエルは何がしたいのか……。
いくらアリスの境遇に疑問があったとしても、ロエル自身が矢面に立って(あるいは根回しをして)アリスを救う為に動くのではないなら、現状は口先だけのただの偽善でしかない。
アリスにしたら余計なお世話。
アリスの父がアリスの現状を知り、冷遇されるアリスの待遇改善を申し入れたところで、ガタガタ言うなら援助金を打ち切ると言われたら、お金がないと困る父親は黙るしかないんだし。
多少の健康を取り戻したとしても、結局は家を存続させるだけの稼ぎもない。
そもそも最初から、アリスはお金の為に父親に「売られた」んだから。
物語におつき合い下さいまして、まことにありがとうざいます。
話を作る上で「高家」という特殊な身分を設定しました。聖職に近いようなイメージでしょうか。
家が途絶えることは、同じ系統の親族同士養子などでカバーし合う感じで。アリスのきょうだいは特に考えませんでしたが、他家に養子に行った人もあるかもしれません。
陰気な家で育ったアリスは外を知りませんから、そういう点も婚家に染め易く、ドリトルン家は都合が良かったようです。可哀そうな境遇ですが、アリス自身は食べて着れれば我慢が効くようです。
小さな世界の彼女ですが、ロエルと知り合ったことで外に触れる機会を得ました。その変化が彼女にいいように働くといいなあ、と。
ロエルは貴公子で、アリスを気にかけながら真の意味では勘違いしきりです。このキャラは綴るうちに動いてくれる感じなので、ちょっとその奔放さに任せているところもあります。
しかし、余計なお世話が多くて、アリスはいい迷惑でしょうね。そういう彼女がまた、彼には猫のおもちゃのようで追いかけたくなるのかも。
この後も、逃げるアリスと追いかけるロエルの展開は続きそうです。フーもまだ登場予定です。離れの中で満足して完結していた彼女の覚醒は、書きながらちょっと残酷に思えましたね。知らない方が幸せなこともありますから……。
メッセージをありがとうございました。励みになります。
独特な世界観のお話ですね。
身分とプライドだけは高いらしい、しかし生活能力のないボンクラな父に売られたアリス。
アリスを妻に迎えただけで放置する夫。
愛人との間に生まれた子供もアリスに押し付け放置。
面倒ごとは全てアリスが肩代わりし、アリス自身は搾取されるばかり。
不思議なんですが、アリスの家は子供はアリスだけなんですかね?
兄がいるとも、弟がいるとも話には出てきませんが。
だとしたら、アリスの家の後継は?
アリスが一人娘で家を出たら、父親一人で家を存続させても意味がない。
親族から養子を迎えるなり、親族の誰かに家督を譲るにしても、高家という名ばかりで旨味の1つもないような家を引き継ぐ人物がいるとも思えない。
アリスの夫が愛人にまた子供を産ませてその子を後継にすれば、乗っ取りの完成か?
それにしても、フーって何者なんですかね?
いつも偉そうだし、口を開けば嫌味まじりの話ばかり。
初めはフーがアリスを狙ってるのかと思いました。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。