上 下
54 / 69
手に残るもの

5、寝て過ごしながら

しおりを挟む
 
 沖田さんがやって来たのは、入院した翌々日のことだ。出張先でダグから連絡を受け、帰京するその足で顔を見せてくれた。

 昼過ぎで、わたしは急ぎの原稿の件で咲夜さんにメールを送っていた。入院で遅れる旨はすぐに了解してくれたが『すわ、お見舞いに馳せ参上し…』となり、相変わらずややこしい。

「ありがとう。気持ちだけで嬉しいよ。大したことないしね」と返信…。

 そこへ、ノックの後沖田さんが現れたのだ。怒ったような顔をしている。病院で携帯が不謹慎なのだろう。でも、許可もらったしな…。

 とりあえず、携帯を枕の下に押しやった。

「おい」

 声も尖っている。

 まあ、忙しい中ごめんね。仕事とか妹とか野菜とか、大変なのに。

「へへ、刺されちゃった」と適当に笑った。

 彼はつかつかとこちらに歩み寄ると、顔をのぞき込んだ。むつっとしている。軽くわたしの髪をつかみ、ちょっと引いた。

「笑うところじゃないだろ、馬鹿」

「…笑うしかないことって、あるじゃない」

「だから、欲を張るなって言ったのに」

 そういえば、沖田さんからは夫と揉めていた和解金の件で「あんまり欲張るな」と忠告を受けていたっけ。「ろくなことにならない」と。

 自分のことは思わなかった。総司のために将来を考えて叶う限りの余裕を求めたのだ。

 それを「欲張った」と責められれば腹も立つ。大体あのお金は総司の出生に由来したものだ。あの子を見捨て、親であることも放棄した夫には、手にする権利すらないはず。わたしはそう考える。

 実は事件後、父にも似たようなことをぽつりと説教されている。そのときは「ふうん」で流せたことも、二度目となれば何だかむっとくる。

 そばでパンツのポケットに指を引っかけて立つ彼へ「ふん、偉そうに」と文句の出そうな目を向けた。

 それを彼はちょっと笑って流した。

「まあ、ぶーたれる元気があって、ほっとした」

 出先での仕事中ダグから電話をもらい、芯から驚いたといった。

「息が止まったぞ」

 あら、

 まあ。

 そんなことを打ち明けられれば、気持ちも和む。立った腹もへにゃっと治ってしまう。そう、沖田さんからはこういう優しさがほしいのだ。説教はいい。傷に響く。

 彼の言うほど欲張ったつもりはないが、夫への油断があったのは確か。それで、自分も総司の気持ちも傷つけてしまうことになった。そのことは自覚し反省もしていた。

「…入院は、あと十日ほどだって。その後通院があるらしいけど」

 それに彼は頷いた。妹のいろはちゃんにも、ややこしい部分は抜いて(夫の愛人から金銭がらみで~の経緯)入院のことは告げるといった。

「あいつ、来たがると思う」

「いいよ、わざわざ。…それに「ややこしい部分」を抜いたら、入院の事情がものすごく謎で怪しいよ。ごまかせばいいんなら、そうするけど」

「自分で判断すればいい。お前に非がないんだから、別に何も隠すこともないと思うけどな」

 ありのまま言え、と?

 沖田さんは軽く首をかしげる。本当にわたしの気持ちに任せるつもりのようだ。

 いろはちゃんのどこか純粋なきらきらしたあの理知的な目をまっすぐに向けられれば、ごまかしたり偽ったりする意志が、消えてしまう気がする。多分、問われるままに話してしまうのだろう、わたしは。
 
 ま、いっか。

 そう思いつつも、物好き兄上が選んだ訳あり女に更にでっかい『訳』がプラスされてしまうことになる。わたしのせいじゃない、とはいえ。

 沖田さんは何も隠す必要はない、と言ってくれる。でも、そんなものさらけ出されても、いろはちゃんには重過ぎる内容だ。気分のいいはずはない。迷惑じゃないか…。

 まあ今、悩んでもしょうがない。

 彼女に会ったそのときの気持ちで臨めばいい。わたしは吐息を区切りに、思いを途切れさせた。

 「あの人にはもう会うな」

 そばの簡易椅子に腰を下ろして、彼が言う。

 はて? 

「ダグが、もう警察から返されたって言ってた。何のかんの言ってくるかもしれんが、彼には会わない方がいい。会うなよ」

 彼?

 沖田さんがわたしの頬を指の背でぽんと打つ。やっと気づいた。夫だ。夫のことを彼は言っているのだ。すぐに思い出しもしない、自分のうっかりさ加減にあきれるが、事件から日も浅い。身体があの恐怖を夫の存在ごと忘れたがっているのかもしれない。

 そういうことにしておこう。

 ふうん、そうなのか。もう夫は帰ってるのか。では、罪に問われることもないのだろうか。

「あの人は、来ないよ。わたしに会いになんか」

「…あっちの弁護士が、そういう指示をするのかもしれない。お前に会って、今回の件の言い訳をして謝っとけば有利だとか、知恵をつけることもあるだろ。お前から何か彼に都合のいい言質を引っ張れるかもしれないし。会う理由は相手にはある」

 ふうん。

「あっちの弁護士」だとか「有利」だとか、彼の言葉では夫がまったく無罪放免された訳ではないようだ。彼にしたって専門家ではない。警察から聞いたダグの話をもとにしての推測だろう。

「会っちゃ、まずいの?」

 会いたい訳ではない。見たい顔でもない。でも、相手がぜひとも必要だと言うのなら、しょうがないかな、という気持ちはある。短時間なら。

 そこで、沖田さんの頬がさっとこわばるのがわかった。怒ったのだ。むか~し、彼がわたしの担当編集者だった頃、幾度もの約束を破り、さぼってネームを仕上げてないわたしへ、こんな顔つきでよくお小言が始まった。「お前な…」と。

「お前な…」

 やっぱり。

 おんなじセリフが始まった。懐かしくてちょっとおかしくて。しみじみしてしまった。

 そんなわたしへ、思いがけず彼の硬い声が降り、はっとなる。

「本気であの男と別れる気、あるのか?」

「え? 何を…」

「お前を見てると、そうも言いたくなる」

「だって、わたしの対応一つで、あの人が有罪とかになるかもしれないんでしょ。寝覚めが悪い…」

「あいつの対応一つでお前は死にかけたんだぞ。ダグの来るのが少し遅れていたら、寝覚めどころか、二度と目覚めなかったのを忘れたのか」

 それは、確かに…。言葉に詰まった。凄まじい痛みとともに、必死で救けを求めるわたしの目を避けたあの人の怯えた顔を思い出す。

「甘い」

 許しているのじゃない。

 実際にわたしを刺したあの奥さんへの感情とは違い、夫へのそれは総司の件も絡めて生々しく、根深いのだ。憎しみもあれば、妥協も理解もし合えない不快感もある。そして、わたしは裏切られた驚きをまだ引きずっていた。

 もう他人のつもりでいながら、彼からの仕打ちのあれこれに今も怒りを込めてこだわっているのだ。

 沖田さんが目を三角にして怒るような彼への温情やまさか未練などではあり得ない。

 されたことを同じだけ返す。または倍返ししてやろう、といった思いはなかった。「甘い」と言われれば、それまでだろう。

 これを機会にできるだけしこりを残さず後顧の憂いなく、きれいに別れたいだけ。刺された腎臓も、そのための痛みなら忍んでくれるだろう、なんてことを考えている。

 沖田さんには記入済みの離婚届が手にあること。それを姉に託してすぐにでも役所に提出してもらうつもりのことを伝えた。

「自分で出したかったけど、もういいや、うるさいから」

 ちょっとぼやくと、わたしの返事に納得した顔で頷いていた彼がぎろりとにらむ。

「何がうるさいだ。さんざん待たせておいて。そんな安っぽいセンチメンタルは、死にかけた女には不要だ。害になる」

 まあ、毒を吐く吐く。

 まあ、いいや。それほど自分で提出してけりをつけることにこだわっていた訳でもないし。

「青い顔してるのに、きついこと言って、悪かった。でも、本心だ」

「いいよ、別に」

 彼は急ぐらしく、その後間もなく帰って行った。

「また来るから」

 それに「いいよ、わざわざ」とは返さなかった。会って、またぽんぽん説教めいたセリフを聞かされるのかもしれないが、聞けないよりいいのだ。

 うん。

 わたしは頷いて返した。


 沖田さんが現れてその日のうちに姉に離婚届の件を頼んだ。急かされた気分になったのだ。

『出してきたよ』。姉のあっさりとした返事にちょっと拍子抜けがした。礼を言い、その後でしばらく呆けてしまった。

 後悔でもなく喜びでもない。

 それでも区切りがついたことで気持ちが軽くなった。さばさばは、する。これを嬉しいというのかもしれない。

「さんざん待たせて」と沖田さんの愚痴がよみがえる。そういったことは初めて耳にしたが、きっとイライラしていたのだろう。妹のいろはちゃんにしたって、離婚になかなか踏み切らないわたしの態度が、不審に映ったかもしれない。

 沖田さんには早々このことをメールで知らせた。いろはちゃんへも「よろしく」と付け足しておく。

 翌日、病室に夫(前の)の両親が現れた。姑(前の)が手に花束を持っていた。明るい色のガーベラだ。中に濃い茶っぽいのもあって、あんな色もあるんだと珍しかった。

 うなだれた様子で交互にわたしの身体の具合を尋ねる。

 痛み止めや抗生剤のおかげでそう辛くない。微熱はあるがじき引くらしいこと…。そんなことをもぞもぞと答えた。

「そう…」

 姑(前の)が以前会った威勢の良さを完全に消し、肩を落としながら頷いた。息子がしでかしたことに今も動揺が去らないようだ。

「今回のことは本当に何と詫びていいか…。雅姫さんのお父さんにも、驚きでろくな返事もできず…、あんたにも済まないと以外何と…」

 言葉を濁らせ、舅(前の)が、深く頭を下げた。それに倣い、姑(前の)も頭を下げた。

 事件の契機は作ったが、夫(前の)は刺していない。またこの人たちがしたことでもない。いい大人が成人した息子の不始末にこんな目に遭うのが、少し気の毒になる。

「あの、頭を上げて下さい。お義父さんたち(前の)に謝ってもらっても…」

「いや、わたしらの気が済まん」

「でも…」

 会話にならない。

 ちょっと疲れてきた。ため息をつきながら、頭を下げ続けている二人を眺めた。どれほどかの後、ようやく舅(前の)が頭を上げてくれた。姑(前の)もおずおずとそれに続く。

 そろそろ帰ってくれないかな~。用も済んだろうしこっちは見たい顔でもないし。

「今、外に人を待たせてあるんだ」

 舅(前の)が言う。すぐに夫(前の)かと思った。嫌だな~、そんな思いがきっと顔に出たはず。まあいいや。そこまで気を使うこともない。

 断ろうと口を開きかけたとき、

「息子の件で担当してもらってる、弁護士の先生なんだ。わたしらが雅姫さんに会いに行くと言ったら、ぜひ同席させてほしいと頼まれて…」

 少し、ほんの少しだけ事件のことで確認したいことがあるらしい。

 ああ、

 そういうこと。

 つい先日、沖田さんがこんな場面を口にしていたっけ。相手の都合に合わせてやる義理はない、と。強めに忠告もされた。言葉通りまるで予言のように目の前に起こった。何なんだあの人は、メンタリストか。

 この日、わたしの見舞いや謝罪にやって来たのもその弁護士の指示だったような気もしてくる。二人の気持ちを疑いたくはないが、たぶんそうなのだろう。

 弁護士に会わせるのがまずの目的で、謝罪や何やはついでというか、落語でいえばマクラといった感じの。

 がっかりもしないがちょっともやもやした。

「そういうことはわたしの実家に連絡して下さい。父でも姉でも誰かが、こっちの弁護士に相談しますから」

 わたしにしては珍しく、面会をきっぱりと断った。内心怒りを感じていたのだろう。もやもやどころではなく。

 返事に二人はあ然とした顔をし、互いに見合わせた。

「でも雅姫さん、ほんのちょっとの時間で済むし…、こういったことはちゃんとしておいた方が、あなたにしたってすっきりとするでしょう?」

 何がだ、どうしてだ?

「浩司のためにもお願いよ…」

「あの、すいません。おなかの傷が痛むんでもうお帰り下さい」

 顔をしかめてみせた。痛くはなかったがそろそろ薬の時間だ。

「さっきまで元気そうにしてたのに、ちょっと…!」

「こら、お前」

 姑(前の)の言いかけた非難をさすがに舅(前の)が遮った。これ以上ごり押ししてもわたしの態度が軟化しそうにないのを悟ったようだ。当たり前だ。

 二人が出ていくのをわたしは目の端で捉え、ほんの軽く頭を下げることで見送った。

 どっと疲れた。

 傍らの吸い口のお茶を取り少し飲んだ。そして横になる。せっかく離婚が成立し、さばさばした気分でいたのに嫌になる。

 まあそれでも、意志は伝えられた。なあなあで済ましがちなわたしには快挙だろう。それでいい。
 
 この後でわたしの言葉に従って、義両親(前の)は実家に連絡したらしい。それを受けて姉がやって来てくれた。

 わたしの代理で離婚の件でお世話になった弁護士に問い合わせてくれた。前の件に引き続き、夫(前の)側との窓口になってもらえるらしい。

「弁護士を通すことを伝えたらね、返事をしないで電話を切っちゃうんだよ。話してたお父さんが電話機が壊れたんじゃないかって、驚いてね。あはは。しばらくして、自分の都合ばっかりのそういう人たちなんだって、やっとわかってくれたみたい」

「ふうん」

「お父さんなんかは、急なことで余裕がないんだろうってそれで済ましてるけど、余裕がないのはこっちだよ。雅姫は刺されてその傷が腎臓にまで達して、片っぽ取られちゃうかもしれないのに。全然、余裕なんかないよ。一個なくしたらもう一個しか残らないんだよ、後がないんだよ」

 いや、まだ取るかわからないし。

 姉はひとくさり悪態をついた。この人は口ぶりに毒っ気が薄いから、悪口が割りに耳にマイルドだ。テンパるとときにキーキーわめくが。

 わたしよりものをはっきりと口にでき、なのに物柔らかに響く。実家の寺に携わるにはずっと適性がある。

「結局、お見舞いの振りしてあっちの弁護士に会わせるのが目的だったの。相当落ち込んでいる感じだったからつい同情したけど、損した気分」

 この日総司はいなかった。入院して連日、姉なり父なりダグなりが連れてきてくれているのが、顔を見られないのはやはり寂しい。義実家との嫌な話が続くから、いない方がいいのだが。

 わたしが入院中実家にいる総司は、幼稚園を休ませている。距離もあって毎日の送迎が大変でもあるし、数日のことだ。ダグや父がまめに相手をし、小坊主のように寺をうろうろさせてくれているらしい。姉の子で従姉もいい遊び相手になってくれている。

「総司もいい子にしてるよ」

 総司の様子が普段とそう変わらないのを知り、物足りないながらも満足する。

「あんたは余計なこと考えないで寝てなさいね。ややこしいことは弁護士さんに全部任せてあるから」

「うん、そうする。ありがとう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?

石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。 ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。 ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。 「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。 小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。 扉絵は汐の音さまに描いていただきました。

神様に愛された少女 ~生贄に捧げられましたが、なぜか溺愛されてます~

朝露ココア
恋愛
村で虐げられていた少女、フレーナ。 両親が疫病を持ち込んだとして、彼女は厳しい差別を受けていた。 村の仕事はすべて押しつけられ、日々の生活はまともに送れず。 友人たちにも裏切られた。 ある日、フレーナに役目が与えられた。 それは神の生贄となること。 神に食われ、苦しい生涯は幕を閉じるかと思われた。 しかし、神は思っていたよりも優しくて。 「いや、だから食わないって」 「今日からこの神殿はお前の家だと思ってくれていい」 「お前が喜んでくれれば十分だ」 なぜか神はフレーナを受け入れ、共に生活することに。 これは一人の少女が神に溺愛されるだけの物語。

隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される

永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】 「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。 しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――? 肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!

先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件

桜 偉村
恋愛
 別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。  後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。  全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。  練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。  武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。  だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。  そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。  武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。  しかし、そこに香奈が現れる。  成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。 「これは警告だよ」 「勘違いしないんでしょ?」 「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」 「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」  甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……  オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕! ※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。 「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。 【今後の大まかな流れ】 第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。 第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません! 本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに! また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます! ※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。 少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです! ※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。 ※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

恋煩いの幸せレシピ ~社長と秘密の恋始めます~

神原オホカミ【書籍発売中】
恋愛
会社に内緒でダブルワークをしている芽生は、アルバイト先の居酒屋で自身が勤める会社の社長に遭遇。 一般社員の顔なんて覚えていないはずと思っていたのが間違いで、気が付けば、クビの代わりに週末に家政婦の仕事をすることに!? 美味しいご飯と家族と仕事と夢。 能天気色気無し女子が、横暴な俺様社長と繰り広げる、お料理恋愛ラブコメ。 ※注意※ 2020年執筆作品 ◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。 ◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。 ◆大変申し訳ありませんが不定期更新です。また、予告なく非公開にすることがあります。 ◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。 ◆カクヨムさん/エブリスタさん/なろうさんでも掲載してます。

社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"

桜井 響華
恋愛
派遣受付嬢をしている胡桃沢 和奏は、副社長専属秘書である相良 大貴に一目惚れをして勢い余って告白してしまうが、冷たくあしらわれる。諦めモードで日々過ごしていたが、チャンス到来───!?

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

処理中です...