15 / 52
1.開幕
王道じゃないから!
しおりを挟む
「岬同志ぃ、随分遅かったじゃん? なに、副委員長と何かあったの? ねぇ、ねぇ!?」
なるほど、それが気になって待ってたってわけね。うわぁ、面倒くさ……。
「べ、別に……ただ僕の喋りがトロかっただけだよ。なんか、緊張しちゃって……」
しらっとそれらしい嘘を吐く。この演技を始めて1年以上だからね、咄嗟のことにもさらりと対応できる。
「へー、ほー、ふーん? でも受け答えに時間かかったってだけであんなに長くなる!? 副委員長とフラグ立ったでしょ絶対! ねぇ、ねぇ!?!?」
ウザさギガントMAXです。コイツ、いつか首絞めてやりたい。
俺が唯一失敗したと思うのは、この変装かもしれない。俺は王道とか知らなかったし、自分の変装姿が王道に近いとか知らなかったからさ……こんな変な腐男子に付き纏われるようになってしまった。
もっと普通寄りの変装にしておけばよかったのかな……なんて後悔したところで後の祭りなんだけどね! 何でもかんでもBLと俺を結び付けようとしないで欲しい。
「フラ、グとか……僕には立たないから。はは……」
「いや、転校生クンとはもう立ってるっしょ~」
ニヤリと笑いながら俺を覗き込んむ道添。俺より10cm位は背が低いからか、少し体を曲げて覗き込むような姿勢を取られると、前髪の下を見られてしまいそうでちょっと焦る。
てか転校生とフラグ? 立ってない立ってない! 立ってるはずがない(現実逃避)!
「転校生、岬同志の顔見てたじゃん? んで、驚きながらマジで王道じゃんとか言ってたよね?」
げ、やっぱ顔見られてたことには気付いてたか。位置的に、道添には顔見られてないと思うんだけどな。
「……そうだったっけ?」
「へへ、誤魔化せませんぜ旦那。もう俺には分かってるんだよ、岬同志が超絶美少年だってサ☆」
「そんなことないよ」
「じゃあ顔見せて♡」
「む、無理……」
にっこり笑いながら、じりじりと距離を詰めてくる。あの転校生、余計なことを……。道添から聞いた知識だけだけど、王道ってのは大抵が超美少年とかなんだってさ。それで元々好いていた生徒会とかもより王道に夢中になってしまうんだとか。
思ったよね、俺ってマジで王道じゃんって(自画自賛)。流石に俺は、自分の顔の良さを理解している。じゃなきゃあんな変態達に襲われたりしないでしょ。
コイツはマジでノーマルっぽいし、BLにしか興味がないから大丈夫だとは思うのでぶっちゃけ素顔を見せても構わない。でも、おそらく俺が美形だって分かったら今の倍以上ウザくなる予感しかしないから、やっぱり知られたくはない。ただでさえウザったいのにこれ以上俺の精神が保たない。手とか足とか出ちゃう。
なるほど、それが気になって待ってたってわけね。うわぁ、面倒くさ……。
「べ、別に……ただ僕の喋りがトロかっただけだよ。なんか、緊張しちゃって……」
しらっとそれらしい嘘を吐く。この演技を始めて1年以上だからね、咄嗟のことにもさらりと対応できる。
「へー、ほー、ふーん? でも受け答えに時間かかったってだけであんなに長くなる!? 副委員長とフラグ立ったでしょ絶対! ねぇ、ねぇ!?!?」
ウザさギガントMAXです。コイツ、いつか首絞めてやりたい。
俺が唯一失敗したと思うのは、この変装かもしれない。俺は王道とか知らなかったし、自分の変装姿が王道に近いとか知らなかったからさ……こんな変な腐男子に付き纏われるようになってしまった。
もっと普通寄りの変装にしておけばよかったのかな……なんて後悔したところで後の祭りなんだけどね! 何でもかんでもBLと俺を結び付けようとしないで欲しい。
「フラ、グとか……僕には立たないから。はは……」
「いや、転校生クンとはもう立ってるっしょ~」
ニヤリと笑いながら俺を覗き込んむ道添。俺より10cm位は背が低いからか、少し体を曲げて覗き込むような姿勢を取られると、前髪の下を見られてしまいそうでちょっと焦る。
てか転校生とフラグ? 立ってない立ってない! 立ってるはずがない(現実逃避)!
「転校生、岬同志の顔見てたじゃん? んで、驚きながらマジで王道じゃんとか言ってたよね?」
げ、やっぱ顔見られてたことには気付いてたか。位置的に、道添には顔見られてないと思うんだけどな。
「……そうだったっけ?」
「へへ、誤魔化せませんぜ旦那。もう俺には分かってるんだよ、岬同志が超絶美少年だってサ☆」
「そんなことないよ」
「じゃあ顔見せて♡」
「む、無理……」
にっこり笑いながら、じりじりと距離を詰めてくる。あの転校生、余計なことを……。道添から聞いた知識だけだけど、王道ってのは大抵が超美少年とかなんだってさ。それで元々好いていた生徒会とかもより王道に夢中になってしまうんだとか。
思ったよね、俺ってマジで王道じゃんって(自画自賛)。流石に俺は、自分の顔の良さを理解している。じゃなきゃあんな変態達に襲われたりしないでしょ。
コイツはマジでノーマルっぽいし、BLにしか興味がないから大丈夫だとは思うのでぶっちゃけ素顔を見せても構わない。でも、おそらく俺が美形だって分かったら今の倍以上ウザくなる予感しかしないから、やっぱり知られたくはない。ただでさえウザったいのにこれ以上俺の精神が保たない。手とか足とか出ちゃう。
1
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
犯されないよう逃げるけど結局はヤラれる可哀想な受けの話
ダルるる
BL
ある日目が覚めると前世の記憶が戻っていた。
これは所謂異世界転生!?(ちょっと違うね)
いやっほーい、となるはずだったのに……
周りに男しかいないししかも色んなイケメンに狙われる!!
なんで俺なんだぁぁぁ……
ーーーーーーー
うまくにげても結局はヤられてしまう可哀想な受けの話
題名についた※ はR18です
ストーリーが上手くまとまらず、ずっと続きが書けてません。すみません。
【注】アホエロ
考えたら負けです。
設定?ストーリー?ナニソレオイシイノ?状態です。
ただただ作者の欲望を描いてるだけ。
文才ないので読みにくかったらすみません┏○┓
作者は単純なので感想くれたらめちゃくちゃやる気でます。(感想くださいお願いしやす“〇| ̄|_)
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
大親友に監禁される話
だいたい石田
BL
孝之が大親友の正人の家にお泊りにいくことになった。
目覚めるとそこは大型犬用の檻だった。
R描写はありません。
トイレでないところで小用をするシーンがあります。
※この作品はピクシブにて別名義にて投稿した小説を手直ししたものです。
職場で性的ないじめを受けていることをなかなか恋人に言えずに病んでしまう話
こじらせた処女
BL
社会人一年目の日野 敦(ひの あつ)。入社後半年が経った頃、同じ会社の先輩3人にレイプまがいのことをされ始めてしまう。同居人であり恋人でもある樹(いつき)にもなかなか言えないまま、その嫌がらせはエスカレートしていき…?
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる