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1.開幕
黒毬藻
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さて、そろそろ食堂に着く。
席に座ることはせず、開きっぱなしになっているどデカい扉に隠れて中を覗いた。
生徒会がいるのだからどれだけ五月蝿いものかと思っていたのに、異様なほどに静まり返った食堂。ほとんどの生徒が着席していて、壁際には座りきれなかった生徒がただ静かに立ち尽くしている。
「ッーー!? お前、何をする!?」
突然響き渡った怒声は、静まりきった食堂内でいやに響いた。声の主は、なんと生徒会長サマ。そしてその隣には、なんか……うん、デカい毬藻……のような黒い塊が。その黒い毬藻に、生徒会長は腰を抱かれている。
「な、なんてことをっ……!」
「ひぃぃっ」
「あ……あ、あばばばば」
「奏様が、汚された……!」
「なにぃ!? 会長受けだと!? アリじゃねぇかオイ……」
そして、周囲のあちこちから悲鳴が立ちは消えていく。
んー、なんか若干一名変な奴が何かに目覚めたな。
「ぶっは! ちょ、奏っちがベロチューされるとか! まじウケるんですけど~~!」
「ふ、ふふふ……ザマァ。私を笑った罰ですよ、奏」
「えー、何この展開!?」
「いろんな意味で非王道じゃん!」
「「コレはコレでアリかもーー!?」」
「!…………!!」
生徒会の面々が各自騒いでいるけれど、無口な会計が無言で黒毬藻から会長を助け出してる。おお、いい奴だなアイツ。全然喋んないけど。
てかあの黒毬藻、あのデカい無口会計と並んでもそう変わりがない。ってことは190cm位はあるってことか……くそデケぇな。10cm位くれればいいのに。ちなみに俺は175cmだから、割といい身長していると思う。でも男の理想的には180cmは欲しいよね。
「おいおい、キス如きでうるせぇな。このガッコの生徒会は初心の集まりなのか? 笑えるw」
黒毬藻がせせら笑う。いや、口悪っ! 目元は今時珍しい瓶底メガネで見えないけど、口元がニヤリといやらしく歪んでいるのが見えた。もう手は出さないという合図なのか、会長を抱いていた両手はひらひらと宙に浮かせている。
……背がでかいからあんな見た目でもかなり目立ちそうなのに、見たことがない。ということは、転校生とか? いや、この学園に転校してくる奴なんかいるのだろうか。
ここはお坊っちゃまが集う学園なだけあって、偏差値が全国一って位に高い。編入試験は某東大間違いなしって位に難しいらしく、編入した俺でも当初は少し騒がれた。だから、転校生となるとそれ以上だろう。
席に座ることはせず、開きっぱなしになっているどデカい扉に隠れて中を覗いた。
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「ッーー!? お前、何をする!?」
突然響き渡った怒声は、静まりきった食堂内でいやに響いた。声の主は、なんと生徒会長サマ。そしてその隣には、なんか……うん、デカい毬藻……のような黒い塊が。その黒い毬藻に、生徒会長は腰を抱かれている。
「な、なんてことをっ……!」
「ひぃぃっ」
「あ……あ、あばばばば」
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「なにぃ!? 会長受けだと!? アリじゃねぇかオイ……」
そして、周囲のあちこちから悲鳴が立ちは消えていく。
んー、なんか若干一名変な奴が何かに目覚めたな。
「ぶっは! ちょ、奏っちがベロチューされるとか! まじウケるんですけど~~!」
「ふ、ふふふ……ザマァ。私を笑った罰ですよ、奏」
「えー、何この展開!?」
「いろんな意味で非王道じゃん!」
「「コレはコレでアリかもーー!?」」
「!…………!!」
生徒会の面々が各自騒いでいるけれど、無口な会計が無言で黒毬藻から会長を助け出してる。おお、いい奴だなアイツ。全然喋んないけど。
てかあの黒毬藻、あのデカい無口会計と並んでもそう変わりがない。ってことは190cm位はあるってことか……くそデケぇな。10cm位くれればいいのに。ちなみに俺は175cmだから、割といい身長していると思う。でも男の理想的には180cmは欲しいよね。
「おいおい、キス如きでうるせぇな。このガッコの生徒会は初心の集まりなのか? 笑えるw」
黒毬藻がせせら笑う。いや、口悪っ! 目元は今時珍しい瓶底メガネで見えないけど、口元がニヤリといやらしく歪んでいるのが見えた。もう手は出さないという合図なのか、会長を抱いていた両手はひらひらと宙に浮かせている。
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ここはお坊っちゃまが集う学園なだけあって、偏差値が全国一って位に高い。編入試験は某東大間違いなしって位に難しいらしく、編入した俺でも当初は少し騒がれた。だから、転校生となるとそれ以上だろう。
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