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64.トニトゥルス国編〔1〕
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ジルと出逢ってそろそろ1年が経とうとしている。
なんだかんだと色々あり過ぎて、婚約破棄された舞踏会なんて最早遠い昔の出来事のように思える。
……私もだいぶ成長しましたよっ!
そんな中、フラム陛下が単身ふらりとウェントゥス国を訪れた。相変わらず自由な人です。
「よぉ、元気にしていたか。相変わらずそうだなフィーリアス。くく」
「……フラム陛下もお元気そうで何よりです」
……相変わらずって何だ何だーっ! と心の中で突っ込みつつ挨拶する。
「わざわざどうされたのですか、数年ぶりに単身こちらに来られるなんて」
「くくく。そんなに嫌がるなジルヴェール。……ちょっとお前に話がある。フィーリアスも聞いておけ。どうせお前も関わるようになるだろうしな」
フラム陛下はいつもの飄々とした感じではなく、珍しく真面目な顔をしていた。少し只ならぬ雰囲気を感じ、私は真面目に話を聞く事にする。
ジルが人払いをして、ラクス様と私たち3人だけとなった。
「……さて。ちょっとお前たちに依頼があってきた。実は、東の大国トニトゥルスについてだ」
トニトゥルス国は、ソルム国の東に位置する広大な国土と歴史を持つ大国だ。林業を生業にしていて、木材加工や建築に優れこの世界の土台を支えている。
「トニトゥルスがどうしたのですか?」
ジルが王太子の顔をしてフラム陛下の話を促す。
「それが、どうもきな臭い動きがあるようだ」
「きな臭い動き? ……下手をすると『闇の石』の流通ルートが途絶えるか……」
ジルがフラム陛下から話を聞くと、何やら思案し呟いている。
「流石、話が早いなジルヴェール。……そうだ、このままだと恐らく『闇の石』の流通ルートが潰れるかもしれん。それだけじゃなく、下手をすると我々各国の王家まで波紋が広がるかもしれん」
『闇の石』とは、それ自体が発光し、燃料にもなる優れた石である。割りと高価なもので、民衆はあまり一般的には使用していないんだけど、蝋燭の火より断然明るくて危なくないし便利なので、貴族の家では夜の照明として結構使用している。
この『闇の石』、トニトゥルス国の更に東に位置する地域から産出されている。実はラクス様のお母様の故郷にあたるこの地域は、特に国として建っているわけではなく部族ごとに纏まっており、『闇の石』を各国へと輸出し暮らしているのだ。
この世界では貴重な燃料となるその『闇の石』は、東の地域しか産出されず、流通するにはトニトゥルス国を通るしか道がない。
「……そんなに逼迫した状況なんですか?」
ジルが危機感を覚えたような口ぶりでフラム陛下に問う。
うーん、燃料が入ってこないとかなりのピンチだ。夜間に今更蝋燭とかちょっと困る。電気とかあればいいんだけど、そんなの無いしね。
てか、電気ってどうやって作られたんだろう……? 仕組みなんて全然分からない。いやぁ、前世の知識マジで無いね私っ!
「あまり状況は芳しくなさそうだ。いかんせんトニトゥルスはここからかなり遠くなるから、流石の俺でも単身行くわけにはいかなくてな」
トニトゥルス国はソルム国の更に東に位置し、ウェントゥス国からだと行くだけで多分20日近くはかかるはず。
流石のフラム陛下もそんなに長く国を空けるわけにはいかないのだろう。
……って、普通国王陛下自らが、単身他国へ行かないからねっ!
「……で、わざわざ僕たちの所へ来たのには訳があるのでしょう?」
「くくく。もう分かっているだろう?」
フラム陛下が人の悪そうなニヤニヤした笑みを浮かべている。悪のお代官様みたいな悪い顔ですよ~陛下~。
「……はぁぁ……しょうがないか……でも、フィーが……あぁ、でも……」
ジルが何やらぶつぶつと呟いている。……私がどうしたのかな?
「フィーリアスも連れて行け。往復だけでひと月近くになるからな。ウェントゥスの国王には俺から話をつけておいてやる。あいつももう少し働くべきだ。どうせお前に色々と押し付けて楽してるんだろうからな。くくく」
「……はぁぁぁぁ。嫌だ……でもしょうがないか……フィーを置いては行けないし」
え? 私どこに行くの? ……すいません、話に全くついていけていません。
ラクス様を縋るようにチラリと見上げると、ラクス様は困ったような顔をしていた。
……えっと、ラクス様は状況わかっているのかな? どうなんだろう??
何となくこの場で理解していないのが私だけな気がして微妙に焦ってくる。
……えっと……トニトゥルス国が怪しくって、フラム陛下は行けなくって、私たちの所に来て、ジルが私を置い行けないということは……
……
……あっ!! もしかして私とジルでトニトゥルス国に行くってこと!???
とりあえずこの閃きが合っているかジルに聞いてみることにする。
「……えっと、ジル……もしかして、私たちはトニトゥルス国へ行くという事でしょうか?」
「……うん。そうだね……」
ジルは苦虫を噛み潰したような、苦々しい顔をしている。
「……ジルヴェール様……よろしいのですか?」
ラクス様がそっとジルに聞いている。
「しょうがない。どう考えても僕たちが動くのが1番だ。……その代わり、フラム陛下には後方支援もお願いするし、戻ってきたら色々と便宜を図ってもらうから」
「くくく。また温泉旅行にでも招待してやる」
あ~あの温泉はサイコーでした~。また温泉旅行に行けるなら、俄然私もやる気になりますっ!
というわけで、トニトゥルス国への訪問が決定致しました。
ーーーこれで、東の地域を除くと全国制覇だ~っ!!
フラム陛下はウェントゥス国の首脳陣へと話を付けると、来た時と同じようにあっという間に帰っていった。
相変わらず本当、行動力と機動力がハンパない。
私たちはとりあえず3人で今後の予定を話し合う。まずはトニトゥルス国の隣国であるソルム国へと立ち寄り、情報収集を行う事にする。その後、トニトゥルス国へ入国し王家へ挨拶を行いつつ、トニトゥルス国内の情報を集める、という方向で話がまとまった。
「今回は、ジルヴェール様の元を離れません」
「……ラクス……」
きな臭いという国に行くのだ。今までの訪問とは少し意味合いが違ってくる。私も呑気に構えてちゃいけない、と気を引き締める。
「フィーリアス様には、ジルヴェール様のブレスレットの守りがあります。ですが、ジルヴェール様を守るものはありません……今度こそ、貴方を守りたいのです」
「……ラクス。ありがとう……正直助かる。流石に1人で調査は難しかったから」
ラクス様ががっつりジルに付くことになる為、今回の訪問では侍女を2人随行させる事にした。
……本当は私の侍女たちを、そんなきな臭い所に連れて行きたくなかったんだけど……
「基本的に、フィーたちはトニトゥルス国への訪問団として、表向きの事しかしてもらわないから。絶対に危険は事はしないこと。常に侍女2人と一緒にいれば、そんなに危険は事はないだろうし。後は、フィーは何かありそうなら躊躇わずに魔法を使用すること。ーーーいいね?」
ジルに何度も念を押されながら、こうして私達はトニトゥルス国へと旅立つことになったーーー
♢♢♢
「お久しぶりです。ジルヴェール様、フィーリアス様。その節は本当に大変なご迷惑をお掛けしました……ウェントゥス国からの支援のお陰で、我がソルム国の民もかなり助かっております」
久しぶりにお会いするグラキエス様は、相変わらず知性的で丁寧な方だった。
私たちもグラキエス様に挨拶をして、支援の話題を少ししていく。
「……フィーリアス様には初めてお会いします。ルーメン・テハ・ソルムです。我が姉が大変なご迷惑をお掛けし、本当に申し訳ありませんでした」
グラキエス様との会話がひと段落した頃、その隣に位置していたルーメン王太子が挨拶をしてくれた。
ルーメン様には実は初めてお会いする。なんて言ってもこの間の私の訪問は、ガチでお忍びだったしね。
実の姉であるソルスターニアにずっと毒を盛られ続けていた影響で弱かった身体も、こうして公式の挨拶に出てこられるぐらいには回復したのだろう。
「ルーメン王太子、もうお身体の調子はよろしいのですか? 私たちは同じ歳ですし、そのような畏まった言い方をされなくてもいいですよ」
私は同じ歳の親しみを込めて、にっこりとルーメン王太子に笑いかける。
「…っ……ありがとう、ございます、フィーリアス様……」
ルーメン王太子の顔が赤くなると、隣のジルの顔が能面のようになる。
……え? 普通に挨拶しただけだよね?
「……ルーメンはずっと身体が弱くて、なかなか舞踏会にも出席していなかったですから……ジルヴェール様、よろしければルーメンに王太子としてのご指導ご鞭撻をお願い致します」
グラキエス様が深々とジルヴェールに頭を下げる。
「っ! 私はジルヴェール様のような王太子になりたいと思っておりますっ! ぜひよろしくお願いしますっ!」
ルーメン様はジルに向けて憧れ満載のキラキラした顔をし、姉のグラキエスと同じように深々と頭を下げた。
「……わかりました……ルーメン様、これからよろしく」
「っはい! 私のことはぜひルーメンとお呼びくださいっ!」
わぉ。ジルに向ける眼差しが、ガチで憧れの先輩の前にした後輩そのものだ。ルーメン様いい子だなぁ。
ーーージルが若干引いているけど、ここはいずれ国王になるもの同士、ぜひとも仲良くしていただきたいものである。
なんだかんだと色々あり過ぎて、婚約破棄された舞踏会なんて最早遠い昔の出来事のように思える。
……私もだいぶ成長しましたよっ!
そんな中、フラム陛下が単身ふらりとウェントゥス国を訪れた。相変わらず自由な人です。
「よぉ、元気にしていたか。相変わらずそうだなフィーリアス。くく」
「……フラム陛下もお元気そうで何よりです」
……相変わらずって何だ何だーっ! と心の中で突っ込みつつ挨拶する。
「わざわざどうされたのですか、数年ぶりに単身こちらに来られるなんて」
「くくく。そんなに嫌がるなジルヴェール。……ちょっとお前に話がある。フィーリアスも聞いておけ。どうせお前も関わるようになるだろうしな」
フラム陛下はいつもの飄々とした感じではなく、珍しく真面目な顔をしていた。少し只ならぬ雰囲気を感じ、私は真面目に話を聞く事にする。
ジルが人払いをして、ラクス様と私たち3人だけとなった。
「……さて。ちょっとお前たちに依頼があってきた。実は、東の大国トニトゥルスについてだ」
トニトゥルス国は、ソルム国の東に位置する広大な国土と歴史を持つ大国だ。林業を生業にしていて、木材加工や建築に優れこの世界の土台を支えている。
「トニトゥルスがどうしたのですか?」
ジルが王太子の顔をしてフラム陛下の話を促す。
「それが、どうもきな臭い動きがあるようだ」
「きな臭い動き? ……下手をすると『闇の石』の流通ルートが途絶えるか……」
ジルがフラム陛下から話を聞くと、何やら思案し呟いている。
「流石、話が早いなジルヴェール。……そうだ、このままだと恐らく『闇の石』の流通ルートが潰れるかもしれん。それだけじゃなく、下手をすると我々各国の王家まで波紋が広がるかもしれん」
『闇の石』とは、それ自体が発光し、燃料にもなる優れた石である。割りと高価なもので、民衆はあまり一般的には使用していないんだけど、蝋燭の火より断然明るくて危なくないし便利なので、貴族の家では夜の照明として結構使用している。
この『闇の石』、トニトゥルス国の更に東に位置する地域から産出されている。実はラクス様のお母様の故郷にあたるこの地域は、特に国として建っているわけではなく部族ごとに纏まっており、『闇の石』を各国へと輸出し暮らしているのだ。
この世界では貴重な燃料となるその『闇の石』は、東の地域しか産出されず、流通するにはトニトゥルス国を通るしか道がない。
「……そんなに逼迫した状況なんですか?」
ジルが危機感を覚えたような口ぶりでフラム陛下に問う。
うーん、燃料が入ってこないとかなりのピンチだ。夜間に今更蝋燭とかちょっと困る。電気とかあればいいんだけど、そんなの無いしね。
てか、電気ってどうやって作られたんだろう……? 仕組みなんて全然分からない。いやぁ、前世の知識マジで無いね私っ!
「あまり状況は芳しくなさそうだ。いかんせんトニトゥルスはここからかなり遠くなるから、流石の俺でも単身行くわけにはいかなくてな」
トニトゥルス国はソルム国の更に東に位置し、ウェントゥス国からだと行くだけで多分20日近くはかかるはず。
流石のフラム陛下もそんなに長く国を空けるわけにはいかないのだろう。
……って、普通国王陛下自らが、単身他国へ行かないからねっ!
「……で、わざわざ僕たちの所へ来たのには訳があるのでしょう?」
「くくく。もう分かっているだろう?」
フラム陛下が人の悪そうなニヤニヤした笑みを浮かべている。悪のお代官様みたいな悪い顔ですよ~陛下~。
「……はぁぁ……しょうがないか……でも、フィーが……あぁ、でも……」
ジルが何やらぶつぶつと呟いている。……私がどうしたのかな?
「フィーリアスも連れて行け。往復だけでひと月近くになるからな。ウェントゥスの国王には俺から話をつけておいてやる。あいつももう少し働くべきだ。どうせお前に色々と押し付けて楽してるんだろうからな。くくく」
「……はぁぁぁぁ。嫌だ……でもしょうがないか……フィーを置いては行けないし」
え? 私どこに行くの? ……すいません、話に全くついていけていません。
ラクス様を縋るようにチラリと見上げると、ラクス様は困ったような顔をしていた。
……えっと、ラクス様は状況わかっているのかな? どうなんだろう??
何となくこの場で理解していないのが私だけな気がして微妙に焦ってくる。
……えっと……トニトゥルス国が怪しくって、フラム陛下は行けなくって、私たちの所に来て、ジルが私を置い行けないということは……
……
……あっ!! もしかして私とジルでトニトゥルス国に行くってこと!???
とりあえずこの閃きが合っているかジルに聞いてみることにする。
「……えっと、ジル……もしかして、私たちはトニトゥルス国へ行くという事でしょうか?」
「……うん。そうだね……」
ジルは苦虫を噛み潰したような、苦々しい顔をしている。
「……ジルヴェール様……よろしいのですか?」
ラクス様がそっとジルに聞いている。
「しょうがない。どう考えても僕たちが動くのが1番だ。……その代わり、フラム陛下には後方支援もお願いするし、戻ってきたら色々と便宜を図ってもらうから」
「くくく。また温泉旅行にでも招待してやる」
あ~あの温泉はサイコーでした~。また温泉旅行に行けるなら、俄然私もやる気になりますっ!
というわけで、トニトゥルス国への訪問が決定致しました。
ーーーこれで、東の地域を除くと全国制覇だ~っ!!
フラム陛下はウェントゥス国の首脳陣へと話を付けると、来た時と同じようにあっという間に帰っていった。
相変わらず本当、行動力と機動力がハンパない。
私たちはとりあえず3人で今後の予定を話し合う。まずはトニトゥルス国の隣国であるソルム国へと立ち寄り、情報収集を行う事にする。その後、トニトゥルス国へ入国し王家へ挨拶を行いつつ、トニトゥルス国内の情報を集める、という方向で話がまとまった。
「今回は、ジルヴェール様の元を離れません」
「……ラクス……」
きな臭いという国に行くのだ。今までの訪問とは少し意味合いが違ってくる。私も呑気に構えてちゃいけない、と気を引き締める。
「フィーリアス様には、ジルヴェール様のブレスレットの守りがあります。ですが、ジルヴェール様を守るものはありません……今度こそ、貴方を守りたいのです」
「……ラクス。ありがとう……正直助かる。流石に1人で調査は難しかったから」
ラクス様ががっつりジルに付くことになる為、今回の訪問では侍女を2人随行させる事にした。
……本当は私の侍女たちを、そんなきな臭い所に連れて行きたくなかったんだけど……
「基本的に、フィーたちはトニトゥルス国への訪問団として、表向きの事しかしてもらわないから。絶対に危険は事はしないこと。常に侍女2人と一緒にいれば、そんなに危険は事はないだろうし。後は、フィーは何かありそうなら躊躇わずに魔法を使用すること。ーーーいいね?」
ジルに何度も念を押されながら、こうして私達はトニトゥルス国へと旅立つことになったーーー
♢♢♢
「お久しぶりです。ジルヴェール様、フィーリアス様。その節は本当に大変なご迷惑をお掛けしました……ウェントゥス国からの支援のお陰で、我がソルム国の民もかなり助かっております」
久しぶりにお会いするグラキエス様は、相変わらず知性的で丁寧な方だった。
私たちもグラキエス様に挨拶をして、支援の話題を少ししていく。
「……フィーリアス様には初めてお会いします。ルーメン・テハ・ソルムです。我が姉が大変なご迷惑をお掛けし、本当に申し訳ありませんでした」
グラキエス様との会話がひと段落した頃、その隣に位置していたルーメン王太子が挨拶をしてくれた。
ルーメン様には実は初めてお会いする。なんて言ってもこの間の私の訪問は、ガチでお忍びだったしね。
実の姉であるソルスターニアにずっと毒を盛られ続けていた影響で弱かった身体も、こうして公式の挨拶に出てこられるぐらいには回復したのだろう。
「ルーメン王太子、もうお身体の調子はよろしいのですか? 私たちは同じ歳ですし、そのような畏まった言い方をされなくてもいいですよ」
私は同じ歳の親しみを込めて、にっこりとルーメン王太子に笑いかける。
「…っ……ありがとう、ございます、フィーリアス様……」
ルーメン王太子の顔が赤くなると、隣のジルの顔が能面のようになる。
……え? 普通に挨拶しただけだよね?
「……ルーメンはずっと身体が弱くて、なかなか舞踏会にも出席していなかったですから……ジルヴェール様、よろしければルーメンに王太子としてのご指導ご鞭撻をお願い致します」
グラキエス様が深々とジルヴェールに頭を下げる。
「っ! 私はジルヴェール様のような王太子になりたいと思っておりますっ! ぜひよろしくお願いしますっ!」
ルーメン様はジルに向けて憧れ満載のキラキラした顔をし、姉のグラキエスと同じように深々と頭を下げた。
「……わかりました……ルーメン様、これからよろしく」
「っはい! 私のことはぜひルーメンとお呼びくださいっ!」
わぉ。ジルに向ける眼差しが、ガチで憧れの先輩の前にした後輩そのものだ。ルーメン様いい子だなぁ。
ーーージルが若干引いているけど、ここはいずれ国王になるもの同士、ぜひとも仲良くしていただきたいものである。
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