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39.イグニス国編〔6〕
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翌日は王太子夫妻同士で交流会をと言うことで、4人で仲良くお茶会だ。
明日は朝イチで帰国に向けて出発するので、これが最後の交流会になる。なんだかんだであっという間だった。
今日もシュテアネ様のヒーリング効果は絶大で、穏やかでのんびりとした、でも実りあるお茶会になっている。
「ふふふ。ジルヴェール様とフィーリアス様は本当に仲がよろしいのですね」
シュテアネ様が会話の流れでそう話を振ってきた。……えっと。昨日の事バレていないよね……?
なんだか、昨日の今日でそんな事を振られ、ついつい昨晩のことが頭によぎった私は顔が自然と赤くなってしまう。
「……え、ええ。ありがとうございます。お陰様で仲良くさせていただいておりますの」
なんとかかんとか、返答できた……ドキドキドキ
「まぁ! うふふ。真っ赤になられて、本当フィーリアス様はお可愛いのですね。ジルヴェール様がフィーリアス様を殊の外愛しく思われるのも納得いたしますわ」
あうぅ。シュテアネ様、本人前にしての恋話は恥ずかしいですぅぅ。
「ええ。私はフィーリアスを愛していますからね。フェイゴ様もシュテアネ様も、本当にお似合いのご夫婦ですよ。今後とも是非よろしくお願い致します」
にっこり笑ってジルが恥ずかしいことをサラッと述べる。
……いやぁぁ~! ジルってばそんな惚気いらないのよぉぉぉ!! 恥ずかし過ぎるぅぅぅ……
もう公開処刑なのでは、と思うぐらい私1人が顔を真っ赤にしながら、無事?お茶会は終了した。
翌日、帰国前にフラム陛下も含め皆が見送りに来てくれた。各々別れの挨拶をしている中、そっと近づいて来たフラム陛下が、こそっと私に囁くように話をする。
「どうだ? このままこの国に残ってもいいんだぞ?」
「私はジルを愛してます。ジルの隣が私の居場所なんです。申し訳ないんですが、その話を受ける事は出来ません」
……
あ、どーしよ、陛下が固まってしまった。
てかてか!! やっちゃった! ついうっかり本音で話してしまった~!! ただの社交辞令なのに、本気で返すとかマジで淑女失格だぁぁぁああ!!!
「しししし失礼しました! フラム陛下の楽しませてくださる心はしっかりと受け取ったんですが! あの、その、そう言った事は私なんかには本当に勿体ないものですから、別の方にぜひっ!」
「くくく。私が本気でフィーリアスを口説いているといったら?」
そう言いながらさっと私の手を取ると、その甲に口付けをした。
「…っ!!」
こんな公衆の面前で慣れない事をされ、羞恥から顔がさっと赤くなるのが自分でもわかる。
「ははは。本当に王太子妃は可愛らしい方だ!」
ますます赤くなった私の顔を見ると、フラム陛下は何故か満面の笑みで爆笑された。
えーー! もう恥ずかしいー!!! 絶対揶揄われているんだ私ーー!
「……ジルヴェールをよろしくな。まぁ、あいつに飽きたら俺の所に来い」
最後耳元でこそっとそう囁かれると、来た時と同じく何事もなかったかのように飄々と去っていった。
むぅ。なんて迷惑な人だ!人生で初めてそう思った。
帰りの馬車の中で、私とフラム陛下のやり取りをしっかり見ていたジルは、消毒と公言しながらフラム陛下に口付けされた甲に口付けてくる。
勿論、馬車の中はラクス様もエステラ様もいる。
「……っジル! もういいよねっ!」
「……ん。だめ……フィーは本当に油断してたら危なっかしいから……ほら。膝の上においで」
いやいやいやいやっ! 何言ってるんですかあなたはっ! ここにはラクス様もエステラもいるのよっ!
「うふふ。フィーリアス様。私達はいないものと思って、是非是非ジルヴェール様のお膝の上にどうぞ」
恍惚の笑みを浮かべながらそう言うエステラに慄く。
その横を見ると、ラクス様は私たちを見ないようにとの配慮なのかずっと窓の外を眺めているんだけど、その耳は真っ赤だ。
……ほらーーーっ! 絶対、絶対、ラクス様が普通だと思うのーーーっ!!
「無理っ! だめっ! ここでは絶対にダメっ!」
「……ふぅん。じゃあ、帰国したら僕のお願いなんでも聞いてくれる?」
今にも押し倒されそうな勢いで私に近づいてくるジルに、めちゃくちゃ危険を覚えた私は、よく考えもせずに返事をした。
「…っうん! 何でも聞くよっ! ……あ、痛いのは嫌だよ……?」
「まぁぁぁっ! フィーリアス様ってばっ! そのようなお可愛いこと仰るなんて。サイコーですわ。ですが、安易にそのような事を言って良いのかしら……」
「……っえ? ダメだった?」
「ふふふ。約束したからね。フィー」
そう言うと、ジルは私の頬に軽く口付けをした後押し倒し気味だった身体を戻すと、ご機嫌そうに窓の外を眺め出した。
……あれ? 私大丈夫かなぁ??
その後帰国した私は、勿論無事ではなかった。
帰国した後、出迎えてくれた侍女たちへの挨拶もそこそこに、ジルに軽く引きずられながら寝室へと連れて行かれた。
「今日の夕食から明後日の朝食まで、部屋の前に配膳しておいてね。それまで誰も邪魔しないように」
ジルは皆にそう宣言すると、寝室の扉をパタンと閉めた。
「ーーーさて。フィー。僕のお願い何でも聞いてくれる約束だよね?」
……はい……約束しちゃいました……でも、ごめんなさい……撤回したいかも……
これからの事を考え、あわあわしながらジルを見上げる。
「フィーがどれだけ魅力的なのか、僕が今からみっちりと教えてあげるね」
そう言ってにっこり笑うジル様の笑顔は、久々に黒いやつだった。
なんと、私はそれから丸一日半部屋から出して貰えず、ずっとジルに抱かれていたのですっ!
フラム陛下と何を話したのか、イグニス国で何を考えて行動していたのかも、ぜーーーんぶ吐かされました。
何故かジルは所どころ喜んでいたようだけど、快楽で責められながら質問されていた私はあまり記憶に残っていない。
勿論、解放された朝は動けるはずもなく、国務を行うために部屋を出ていくジルの後ろ姿をぼうっと眺めていた。
……ジル……なんであんなに動けるの……
何度も擦り合わされた秘所はヒリヒリし、突き上げられすぎた奥が鈍く痛む私は、ふと閃いた。
……これ、治癒魔法で治せるんじゃない?
早速自分の指先を当てて試してみた。
……治ったっ! ヒリヒリしないし、奥が痛くないっ!
わーいわーい! この感じでもしかしてこの動けない身体も治せるんじゃない!?
と勢い付いた所でふと気が付いた。
……これ、治癒できるってジルが知ったら、毎日毎日こんな事になるのでは……
……
………うん。これ以上は治癒魔法使用しないでおこう。そして、この秘密は墓場まで持っていこう。
そう決心した私だったけど。
なんかいつか絶対ジルにバレそうな気がするのだったーー
明日は朝イチで帰国に向けて出発するので、これが最後の交流会になる。なんだかんだであっという間だった。
今日もシュテアネ様のヒーリング効果は絶大で、穏やかでのんびりとした、でも実りあるお茶会になっている。
「ふふふ。ジルヴェール様とフィーリアス様は本当に仲がよろしいのですね」
シュテアネ様が会話の流れでそう話を振ってきた。……えっと。昨日の事バレていないよね……?
なんだか、昨日の今日でそんな事を振られ、ついつい昨晩のことが頭によぎった私は顔が自然と赤くなってしまう。
「……え、ええ。ありがとうございます。お陰様で仲良くさせていただいておりますの」
なんとかかんとか、返答できた……ドキドキドキ
「まぁ! うふふ。真っ赤になられて、本当フィーリアス様はお可愛いのですね。ジルヴェール様がフィーリアス様を殊の外愛しく思われるのも納得いたしますわ」
あうぅ。シュテアネ様、本人前にしての恋話は恥ずかしいですぅぅ。
「ええ。私はフィーリアスを愛していますからね。フェイゴ様もシュテアネ様も、本当にお似合いのご夫婦ですよ。今後とも是非よろしくお願い致します」
にっこり笑ってジルが恥ずかしいことをサラッと述べる。
……いやぁぁ~! ジルってばそんな惚気いらないのよぉぉぉ!! 恥ずかし過ぎるぅぅぅ……
もう公開処刑なのでは、と思うぐらい私1人が顔を真っ赤にしながら、無事?お茶会は終了した。
翌日、帰国前にフラム陛下も含め皆が見送りに来てくれた。各々別れの挨拶をしている中、そっと近づいて来たフラム陛下が、こそっと私に囁くように話をする。
「どうだ? このままこの国に残ってもいいんだぞ?」
「私はジルを愛してます。ジルの隣が私の居場所なんです。申し訳ないんですが、その話を受ける事は出来ません」
……
あ、どーしよ、陛下が固まってしまった。
てかてか!! やっちゃった! ついうっかり本音で話してしまった~!! ただの社交辞令なのに、本気で返すとかマジで淑女失格だぁぁぁああ!!!
「しししし失礼しました! フラム陛下の楽しませてくださる心はしっかりと受け取ったんですが! あの、その、そう言った事は私なんかには本当に勿体ないものですから、別の方にぜひっ!」
「くくく。私が本気でフィーリアスを口説いているといったら?」
そう言いながらさっと私の手を取ると、その甲に口付けをした。
「…っ!!」
こんな公衆の面前で慣れない事をされ、羞恥から顔がさっと赤くなるのが自分でもわかる。
「ははは。本当に王太子妃は可愛らしい方だ!」
ますます赤くなった私の顔を見ると、フラム陛下は何故か満面の笑みで爆笑された。
えーー! もう恥ずかしいー!!! 絶対揶揄われているんだ私ーー!
「……ジルヴェールをよろしくな。まぁ、あいつに飽きたら俺の所に来い」
最後耳元でこそっとそう囁かれると、来た時と同じく何事もなかったかのように飄々と去っていった。
むぅ。なんて迷惑な人だ!人生で初めてそう思った。
帰りの馬車の中で、私とフラム陛下のやり取りをしっかり見ていたジルは、消毒と公言しながらフラム陛下に口付けされた甲に口付けてくる。
勿論、馬車の中はラクス様もエステラ様もいる。
「……っジル! もういいよねっ!」
「……ん。だめ……フィーは本当に油断してたら危なっかしいから……ほら。膝の上においで」
いやいやいやいやっ! 何言ってるんですかあなたはっ! ここにはラクス様もエステラもいるのよっ!
「うふふ。フィーリアス様。私達はいないものと思って、是非是非ジルヴェール様のお膝の上にどうぞ」
恍惚の笑みを浮かべながらそう言うエステラに慄く。
その横を見ると、ラクス様は私たちを見ないようにとの配慮なのかずっと窓の外を眺めているんだけど、その耳は真っ赤だ。
……ほらーーーっ! 絶対、絶対、ラクス様が普通だと思うのーーーっ!!
「無理っ! だめっ! ここでは絶対にダメっ!」
「……ふぅん。じゃあ、帰国したら僕のお願いなんでも聞いてくれる?」
今にも押し倒されそうな勢いで私に近づいてくるジルに、めちゃくちゃ危険を覚えた私は、よく考えもせずに返事をした。
「…っうん! 何でも聞くよっ! ……あ、痛いのは嫌だよ……?」
「まぁぁぁっ! フィーリアス様ってばっ! そのようなお可愛いこと仰るなんて。サイコーですわ。ですが、安易にそのような事を言って良いのかしら……」
「……っえ? ダメだった?」
「ふふふ。約束したからね。フィー」
そう言うと、ジルは私の頬に軽く口付けをした後押し倒し気味だった身体を戻すと、ご機嫌そうに窓の外を眺め出した。
……あれ? 私大丈夫かなぁ??
その後帰国した私は、勿論無事ではなかった。
帰国した後、出迎えてくれた侍女たちへの挨拶もそこそこに、ジルに軽く引きずられながら寝室へと連れて行かれた。
「今日の夕食から明後日の朝食まで、部屋の前に配膳しておいてね。それまで誰も邪魔しないように」
ジルは皆にそう宣言すると、寝室の扉をパタンと閉めた。
「ーーーさて。フィー。僕のお願い何でも聞いてくれる約束だよね?」
……はい……約束しちゃいました……でも、ごめんなさい……撤回したいかも……
これからの事を考え、あわあわしながらジルを見上げる。
「フィーがどれだけ魅力的なのか、僕が今からみっちりと教えてあげるね」
そう言ってにっこり笑うジル様の笑顔は、久々に黒いやつだった。
なんと、私はそれから丸一日半部屋から出して貰えず、ずっとジルに抱かれていたのですっ!
フラム陛下と何を話したのか、イグニス国で何を考えて行動していたのかも、ぜーーーんぶ吐かされました。
何故かジルは所どころ喜んでいたようだけど、快楽で責められながら質問されていた私はあまり記憶に残っていない。
勿論、解放された朝は動けるはずもなく、国務を行うために部屋を出ていくジルの後ろ姿をぼうっと眺めていた。
……ジル……なんであんなに動けるの……
何度も擦り合わされた秘所はヒリヒリし、突き上げられすぎた奥が鈍く痛む私は、ふと閃いた。
……これ、治癒魔法で治せるんじゃない?
早速自分の指先を当てて試してみた。
……治ったっ! ヒリヒリしないし、奥が痛くないっ!
わーいわーい! この感じでもしかしてこの動けない身体も治せるんじゃない!?
と勢い付いた所でふと気が付いた。
……これ、治癒できるってジルが知ったら、毎日毎日こんな事になるのでは……
……
………うん。これ以上は治癒魔法使用しないでおこう。そして、この秘密は墓場まで持っていこう。
そう決心した私だったけど。
なんかいつか絶対ジルにバレそうな気がするのだったーー
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