ドン・オニギリーノのエジプトツアー旅行記 ~のほほんエジプト七泊十日の旅~ 1日目

泗水 眞刀(シスイ マコト)

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第一日目(2016年11月9日・水曜日) ◎成田空港~ドーハ(カタール)

1 出発(エジプトへの旅立ちの午後は、波乱と驚きのアメリカ大統領選決定の日でもあった)②

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 十日間位なら、なんとか仕事の合間に行けるのではないかと考えたのです。
 そこで旅行先の候補を、まずピックアップしました。

「エジプト」「ギリシャ」「ローマ」この三つが真っ先に浮かびました。
 行く順番もこの通りとして、一年に一か国ずつ行く事としました。

 ネットでツアー情報を仕入れて、二か月前には今回のツアーに申し込んでいました。
(勿論定番の「地球の歩き方・エジプト編」を即購入したのは当然です。しかしエジプトを歩くのではなく、添乗員と日本語ガイドさんにエジプトを案内してもらうだけなのですがね)

 その他、ネットでエジプトの事を色々と調べる日々が続いたそんなある日、わたしは気付いたのです。
 パックツアーでの旅行記が、全くと言っていいほど出版されていない事に。
(キャビンアテンダントや、添乗員が書いた本ならちらほらあるのですが)

 自由な一人旅をする人の何倍も何十倍もの人が「パックツアー」で旅をしている筈なのに、なんでツアー旅行記が無いのだろうか?
 一人旅と比べて、パックツアーには書くべき面白い出来事が無いのであろうか。
 それともツアー旅行記など書いても、読みたがる人がいないのであろうか。

 いや、ツアー旅行にだって面白い事や、失敗エピソードは数々あるのではないか。
 それに、ツアーに行く人の中には、参考にツアー旅行でのエピソードを知りたがっている人が結構いるのではないのか、とわたしは思ったのです。
(そう言うわたし自身が、ツアーでの旅行記を読んでみたかったのだけど)

 そんな理由でわたしは『パックツアー旅行記』を書いてみようと思った次第です。
 文章はいい加減だし情報も正確ではないが、ツアーでの旅行とはこんなものなのかと思って頂ければ幸いです。
 そしてなによりも面白く、クスクスと笑いながら呼んで下さればそれで本望であります。
(なのでくだらない括弧注釈と言うか馬鹿々々しい心の独り言を、ふんだんに入れて行くつもりです。すでにこの様に数多く入れていますが)


 当然の事ながらこの文章には『深夜特急』の様な文学的な側面もなく、ガイドブックの副読本的な資料的価値など微塵もありません。
 ただ自分が感じた事や経験した事を、面白おかしく綴っただけの軽い読み物です。
(わたし個人の、自己満足的な意味合いがかなり強いことも確かです)

 さて長々と話が逸れましたが、わたしは成田空港へ行く為に愛車へ乗り込む事としました。
 瞬く間に二か月が過ぎ、とうとう出発当日を迎えたのです。


 兎にも角にも、愛車(ラクティス)にて成田空港近くの民間の駐車場まで行く為に、温かい我が家を出て、肌寒い十一月半ばの空の下へ一歩踏み出したのであります。
 母親へ右手を挙げ別れの挨拶をすると、わたしは颯爽と車を走らせた。

 今までは、京成スカイライナーでしか成田空港へ行った事がなかったわたしが、何故今回自家用車を選択したのか。
 それは行きはなんでもいいが、帰りに荷物を転がしながらの電車での帰宅を考えると、相当気が滅入るのではないかと判断したのである。
(しかもひとりなので、帰りは尚更心身共に疲れそうな気がして・・・。祭りの後の寂しさと言うものですね。しかも帰国の時刻は夜なので、さらに寂寥感が半端なく思えて・・・)

 電車代と比べると、十日間の駐車場料金+高速料金は割高だが、全体の旅行に掛かった費用を考えるとそんな些細な差額などどうでもよかった。
 楽なのが一番である。
(複数人で行く際には、電車よりも駐車場を利用する方が割安となる筈なのだ。実際駐車場から空港までのマイクロバスで同乗したのは、三~四人の複数での旅行者のみだった)

 外環自動車道「和光インター」から常磐自動車道へ進み、圏央道を経由して東関東自動車道「成田インター」までのルートである。
 道はすいており順調に走行する。

 圏央道「つくば・牛久インター」から先は初めて通るルートだった。
 車線が一車線となる、東京近辺の自動車専用道路では珍しいタイプの道だ。
(地方へ行くと片側一車線、時々追い越し車の為に二車線になる自動車道がありますね。昨年九州をレンタカーで廻った時に経験しました)

 実はわたし『ドン・オニギリーノ』は二十五年程前の三十歳頃に、フィリピンへ二度行った事がありました。
(ここでの詳しいいきさつは割愛するが、色々と複雑な悲喜こもごもな出来事があったのである。勘の良い人はそれとはなく察しは付く事でしょう、言わぬが花です)

 だから純粋な観光旅行で、海外へ行くのは今回が初めてなのです。
 言ってみればこの年になって、初めての海外旅行も同然のドンちゃんなのであります。

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