第2の人生は癒しのチート能力使って無双したいと思ってたのになぜか男のハーレムができている件について教えてください神様！？

四章(3)

【リアside】

　勉強が終わり、家庭教師が帰った後、ハーデスが戻ってきた。ハーデスは至って普通の表情をしているし、特に問題は無かったのだろう。安心した。

「ハーデスおつかれさま！ぼくも、べんきょうおわったよ！もうすぐおひるだし、いこ～？」

　ハーデスの服の袖を掴んで、俺はそう言うが、ハーデスはしばらく黙ったままだった。

「？　どうしたの？いやなことあった？」

　俺が聞くと、ハーデスは俺の背の高さまで屈み、耳元で、小さな声でこう囁いた。

「……いいえ、リア様。……実は、ミナに告白しようと思っているんです。どう思いますか？ミナは承諾してくれるかなと思いまして」

「……！　ぼくはいいとおもう！ふたりともなかよしだし！ミナもきっとオッケーしてくれるよ！」

　ハーデスは「ありがとうございます」と微笑んで、「リア様は、好みの人などいらっしゃいますか？」と聞いてきた。ハーデスとミナの話からなぜこの話になるかはちょっと分からないが、ひょっとして突然の恋バナタイムか！？俺のタイプかー……？

　前世で俺は、オタクだった。ファンタジー物が特に好きだった。日本に生まれたので、西洋の、日本とは全く違う非日常な雰囲気が好きだったのだ。仕事が忙しくヨーロッパなどには旅行に行けなかったが、憧れは持っていた。
　好みはたくさんあるが、その中でも、金髪の女の子が好きだった。金髪といえば異世界！というような考えが俺にはある。赤とか青とか良いとは思うけど恋人にするなら鮮やかすぎて目がチカチカしそうだし。金髪のあのヒロイン最高だったなぁ……。続きが気になって仕方ない。もう見れないんだなとがっかりする。

「リア様？」

「あ、ごめん！すきなタイプはね、きんぱつのかわいいおんなのこ！」

「金髪は……シャムル家か平民になりますね」

　シャムル家は金髪というか黄色っぽい髪色で平民は金髪(茶色がかっている)らしい。母が金髪なのは元平民だかららしい。身分差があるのに結ばれるなんて良いな！
　……いや、待てよ？金髪が平民だったら相手探し放題じゃないか！？鮮やかな髪色の貴族からわざわざ探さなくても良いし！

「金髪ですか……分かりました。それに女の子」

　何が分かったのか分からないが、とりあえずハーデスは安心したように頷いた。

「……では、お昼ご飯をいただきに行きましょう、リア様」

「うん！」

　ミナも丁度掃除が終わったらしく、奥の部屋から出てきた。……それにしても、ハーデスがミナに告白するのは楽しみだ。上手く行くといいなぁ。