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夏は休み
過去とセンターベルト
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誰が、焼きとうもろこしなんて買って来いって、言ったんだよぉ!
「ホラ、私がお腹壊してるからさぁ~」
そもそも、食べ物を買って来いって、言ってないだろーが、しかも、お腹壊したのは、柚月が、海でかき氷をドカ食いしてきたからだろーが!
「違わい! 放せよぉ~」
うるさい! 柚月のくせに、いいところで邪魔ばかりしやがって、折角、これから燈梨が話してくれそうになったのに……。
あ、そうだ! 私は、後ろの席を見ると、ぽかんとした表情で私たちのやり取りを見る燈梨がいた。
そして、プッと吹き出した。
ホラ見ろ、柚月のせいだぞ!
その後、柚月が、焼きとうもろこしとミルクティーを渡すと、一瞬戸惑いながらも食べ始め、2口ほど食べたところで
「それじゃぁ、私の事、話すね。長くなるかも……だけど」
と言って、話し始めた。
燈梨が産まれてすぐに、両親は離婚し、母親に育てられたが、モラハラ働き放題の母親は、離れて暮らす年の離れた兄を自慢する一方で、燈梨に対しては、学校以外での外出を禁止するなど、徹底して外の世界との交流をさせなかったため、燈梨には友達と呼べる人はいなかったそうだ。
高校生になっても、それは変わらずに、放課後は、時間割を把握され、帰ってくる時間を決められており、やはり、誰とも交流を持てない生活を余儀なくされたそうだ。
そんな中で、1年生の頃、唯一、燈梨に話しかけてくれた娘がいた。その娘とは、学校の中にいる間だけの付き合いだけど、休み時間には話したり、一緒にお昼を食べたりと、楽しい時間を過ごしたそうだ。
しかし、2年生のクラス替えで別のクラスになり、しかも、悪いことに燈梨のクラスと、その娘のクラスが、別フロアの端と端に位置するために、2年生になると、自然と会う機会が少なくなったそうだ。
2年生になって、しばらくした頃、燈梨が、クラスの女子の中で、孤立させられるという事件が起こったそうだ。
燈梨には元々、クラスに友人などいなかったので、あまり影響はなかったのだけど、その時は気がつかなかったが、1年生の頃の友人が、燈梨の見てないところで、燈梨のクラスのグループから、イジメられていたらしく、夏の終わりに、突然、父親の単身赴任に随行するという、かなり無理矢理な感じで転校してしまったそうだ。
私は、燈梨を見ていて思うんだけど、燈梨はイイ奴だと思うよ。裏表もなさそうだし、ちょっと、とっつき辛い感じがするけど、それは、今まで育ってきた環境がおかしいからで、本来はもっと明るい娘だと思う。
だから、孤立させられた理由って、どうせ、燈梨が美人だから妬んだとか、しょーもない理由だろって思うんだ。
まぁ、ウチらの学校で、そんな事したら、私らのグループが徹底して、そいつらを潰すんだけどね。
私も柚月も、結衣もイジメとかシカトとか、大嫌いだからさ、文句があるなら直接1対1で言えばいいだろって、考えだからさ。
それで、今回、探してるのはその娘って訳なんだね。
「うん、そうなんだ」
燈梨は言って、焼きとうもろこしを食べ始めたんだけど、私と柚月は、どうもスッキリしないなって、思って顔を見合わせたんだよ。
柚月は、表情で『ここまで来たら、マイが訊き出すべきだよ~』ってサインを送ってきてるので、私が口を開いたよ。
燈梨はさ、まだ隠してる事、あるよね?
「えっ!?」
だって、燈梨のお母さんって人、聞く限り、かなり厳しい人だよね。
そんな人がさ、燈梨が北海道から、ここまで行くことを許してくれる、なんて思えないんだけど、それに、その話を聞く限り、お母さんって人が、一緒にここまで来てるとも思えないんだよ。
「うっ」
すっかり下を向いて、暗い表情で黙り込んじゃったよ。
何か声をかけようと思ったら、柚月に制されちゃった。今は、何も言わない方が良いらしい。
燈梨は、下を向いたまま、真っ直ぐ下に伸ばした左腕を、右手でギュッと抑えながら
「そうだよね……うん」
と、言った後、意を決したように、私たちの方をを見ると
「家出したんだ……もう、10ヶ月くらいになる」
と、力強く言った。
「ええっ!?」
思わず声を上げてしまった私に対して、柚月は落ち着き払っていた。
柚月は、交友範囲が広いからね。こういう人に会ったのも1度や2度じゃないんだろうね。
燈梨は、リアの中央席のシートベルトをいじりながら、話し始めた。
その後、従姉妹《いとこ》と会っているところを母親に咎められ、会えなくなり、その従姉妹が絶望して踏切に飛び込む瞬間を目撃したことから、母親になじられて、心無い言葉を浴びせられたのをきっかけに、燈梨は、遂に家を飛び出したそうだ。
最初は、家出を知った兄から貰ったお金で、宿泊していたが、兄は家庭内のトラブルを解決させずに、燈梨をお金で厄介払いして、お金が尽きたところで『もう帰れ』としか言わなかったそうだが、燈梨は、どうしても家に帰りたくなくて、その日からは、街で見知らぬ男の人に泊めて貰うという、最悪の方法を使って、家出生活を継続したらしい。
燈梨の話を訊いて、ウチの兄貴も結構酷いけど、燈梨の兄貴はもっと酷い奴だな、と思ったよ。
だって、燈梨に渡した結構な金額が出せるんなら、アパートくらい普通に借りられるじゃん! どこかにアパート借りて、燈梨を転校させて、母親と離れて暮らさせるのが、一番の解決じゃね?
それに家出した燈梨をそのまま帰したら、プライドを傷つけられた母親から、何されるか分かったもんじゃないじゃん! よく『帰れ』なんて言えるね。他人の私でも、ウチで良かったら1週間くらい泊まっていきなよ、って言って、芙美香に頭下げるよ。
で、挙句、この状態になっても、捜索願も出さず、探しにも来ないんでしょ? 言っちゃぁ悪いけど、燈梨の家族って、鬼畜だよね。
私は、心の中で言っていたつもりが、後半は口から出ていたらしく、柚月に肩をポンと叩かれ
「マイ~、私も同じ気持ちなんだけど、一応、燈梨ちゃんいる前だからさ~」
と言われてしまった。
燈梨を見ると、苦笑いをしながら、私を見ていた。
そして、燈梨は続けた。
今の燈梨は、4ヶ月前に、ひょんなことから出会ったおじさんに、泊めて貰っているそうだ。
その人は、燈梨に何も求めずに、黙って泊めてくれて、燈梨が立ち直れるようにと、色々な人に出会わせてくれ、バイト先も世話してくれたそうだ。そのおじさんを通じて出会った人の中に、オリオリさんが含まれているそうだ。
へぇ、良いおじさんもいるんだね。てっきり、そのおじさんもただのスケベかと思ってたんだけど、燈梨に手も触れて来ない上、最初の頃、燈梨が誘ったりしたら、怒られたらしいから、筋金入りだね。
そして、オリオリさんも、燈梨に似た家庭環境で、家出して高校を中退したんだって、そうなのかぁ……。
そこまで話した燈梨が、改めて言った。
「私、1年遅れだけど、もう1度、高校生をやり直したいんだ。そのために、過去の事にけじめをつけなきゃと思ってる。だから、彼女に会って謝りたい。許してくれるとは思わないけど……」
そこまで訊いた私は、後席の燈梨を引き寄せると、思いきり抱きしめていたよ。しかも、思わず涙も出てしまったよ。
「あ……の、苦しい……」
と、燈梨が言うので、我に返ると、反対サイドから、柚月も、燈梨を抱きしめており、柚月の絡めた腕が、燈梨の胸や首を圧迫していた。
バカ野郎! 柚月、アンタのバカ力で締めたら、燈梨が死んじゃうでしょー!
「なんだよー! 私を化け物みたいに言うなよー!」
いや、充分化け物だろ。やーい、柚月の化け物ー、砂かけババァ。
なんだ、やるのか柚月? やるってんなら、この間の、全裸海老反り縛り動画は、公開してやるからな。『JKのM字開脚ご開帳~』動画より、ホットに炎上させてやるぞぉ~。
どうしたの燈梨? 顔色悪いよ。
『M字開脚ご開帳~』って、公開されたのかって? いや、予告で煽りまくった割には、公開されないからって、炎上したんだよ。
なんか、燈梨がホッとした顔してる。どうしたの? もしかして知り合いとかだったの?
その時、LINE着信音が鳴り、それを見た柚月から、それを見せられた私は言った。
燈梨、例の娘ね。
一応、今日は私の友達と会ってるって、明日以降も、取り敢えず、こっちにはいるらしいよ。どうする? 今から会いに行く?
「いや、今日は、さすがに準備して来てないよ」
そうなんだ。じゃぁ、連絡するから、連絡先を交換しよう……って、燈梨のスマホ、新しいねぇ~、メモリーの順番がメチャ若いもん。
よし、連絡先交換できたぞ。
じゃぁ、送って行くよ。オリオリさんのいた別荘の方で良いの?
「いえ、私も車で来てるんだ……だから、今日はありがとう。準備が出来たら連絡するね」
燈梨は言うと、柚月が一度降りて、助手席側から外に出ると、私たちに丁寧に頭を下げると、隣に止まっていたシルビアの運転席のドアを開けて、中に乗りこむとエンジンをかけ、ゆっくりと、私たちが来た方向へと去って行った。
関東のナンバーの、シルビアを見送ると、なんとなくだけど、私は思った。この件の後も、また、燈梨に会える……と。
「ホラ、私がお腹壊してるからさぁ~」
そもそも、食べ物を買って来いって、言ってないだろーが、しかも、お腹壊したのは、柚月が、海でかき氷をドカ食いしてきたからだろーが!
「違わい! 放せよぉ~」
うるさい! 柚月のくせに、いいところで邪魔ばかりしやがって、折角、これから燈梨が話してくれそうになったのに……。
あ、そうだ! 私は、後ろの席を見ると、ぽかんとした表情で私たちのやり取りを見る燈梨がいた。
そして、プッと吹き出した。
ホラ見ろ、柚月のせいだぞ!
その後、柚月が、焼きとうもろこしとミルクティーを渡すと、一瞬戸惑いながらも食べ始め、2口ほど食べたところで
「それじゃぁ、私の事、話すね。長くなるかも……だけど」
と言って、話し始めた。
燈梨が産まれてすぐに、両親は離婚し、母親に育てられたが、モラハラ働き放題の母親は、離れて暮らす年の離れた兄を自慢する一方で、燈梨に対しては、学校以外での外出を禁止するなど、徹底して外の世界との交流をさせなかったため、燈梨には友達と呼べる人はいなかったそうだ。
高校生になっても、それは変わらずに、放課後は、時間割を把握され、帰ってくる時間を決められており、やはり、誰とも交流を持てない生活を余儀なくされたそうだ。
そんな中で、1年生の頃、唯一、燈梨に話しかけてくれた娘がいた。その娘とは、学校の中にいる間だけの付き合いだけど、休み時間には話したり、一緒にお昼を食べたりと、楽しい時間を過ごしたそうだ。
しかし、2年生のクラス替えで別のクラスになり、しかも、悪いことに燈梨のクラスと、その娘のクラスが、別フロアの端と端に位置するために、2年生になると、自然と会う機会が少なくなったそうだ。
2年生になって、しばらくした頃、燈梨が、クラスの女子の中で、孤立させられるという事件が起こったそうだ。
燈梨には元々、クラスに友人などいなかったので、あまり影響はなかったのだけど、その時は気がつかなかったが、1年生の頃の友人が、燈梨の見てないところで、燈梨のクラスのグループから、イジメられていたらしく、夏の終わりに、突然、父親の単身赴任に随行するという、かなり無理矢理な感じで転校してしまったそうだ。
私は、燈梨を見ていて思うんだけど、燈梨はイイ奴だと思うよ。裏表もなさそうだし、ちょっと、とっつき辛い感じがするけど、それは、今まで育ってきた環境がおかしいからで、本来はもっと明るい娘だと思う。
だから、孤立させられた理由って、どうせ、燈梨が美人だから妬んだとか、しょーもない理由だろって思うんだ。
まぁ、ウチらの学校で、そんな事したら、私らのグループが徹底して、そいつらを潰すんだけどね。
私も柚月も、結衣もイジメとかシカトとか、大嫌いだからさ、文句があるなら直接1対1で言えばいいだろって、考えだからさ。
それで、今回、探してるのはその娘って訳なんだね。
「うん、そうなんだ」
燈梨は言って、焼きとうもろこしを食べ始めたんだけど、私と柚月は、どうもスッキリしないなって、思って顔を見合わせたんだよ。
柚月は、表情で『ここまで来たら、マイが訊き出すべきだよ~』ってサインを送ってきてるので、私が口を開いたよ。
燈梨はさ、まだ隠してる事、あるよね?
「えっ!?」
だって、燈梨のお母さんって人、聞く限り、かなり厳しい人だよね。
そんな人がさ、燈梨が北海道から、ここまで行くことを許してくれる、なんて思えないんだけど、それに、その話を聞く限り、お母さんって人が、一緒にここまで来てるとも思えないんだよ。
「うっ」
すっかり下を向いて、暗い表情で黙り込んじゃったよ。
何か声をかけようと思ったら、柚月に制されちゃった。今は、何も言わない方が良いらしい。
燈梨は、下を向いたまま、真っ直ぐ下に伸ばした左腕を、右手でギュッと抑えながら
「そうだよね……うん」
と、言った後、意を決したように、私たちの方をを見ると
「家出したんだ……もう、10ヶ月くらいになる」
と、力強く言った。
「ええっ!?」
思わず声を上げてしまった私に対して、柚月は落ち着き払っていた。
柚月は、交友範囲が広いからね。こういう人に会ったのも1度や2度じゃないんだろうね。
燈梨は、リアの中央席のシートベルトをいじりながら、話し始めた。
その後、従姉妹《いとこ》と会っているところを母親に咎められ、会えなくなり、その従姉妹が絶望して踏切に飛び込む瞬間を目撃したことから、母親になじられて、心無い言葉を浴びせられたのをきっかけに、燈梨は、遂に家を飛び出したそうだ。
最初は、家出を知った兄から貰ったお金で、宿泊していたが、兄は家庭内のトラブルを解決させずに、燈梨をお金で厄介払いして、お金が尽きたところで『もう帰れ』としか言わなかったそうだが、燈梨は、どうしても家に帰りたくなくて、その日からは、街で見知らぬ男の人に泊めて貰うという、最悪の方法を使って、家出生活を継続したらしい。
燈梨の話を訊いて、ウチの兄貴も結構酷いけど、燈梨の兄貴はもっと酷い奴だな、と思ったよ。
だって、燈梨に渡した結構な金額が出せるんなら、アパートくらい普通に借りられるじゃん! どこかにアパート借りて、燈梨を転校させて、母親と離れて暮らさせるのが、一番の解決じゃね?
それに家出した燈梨をそのまま帰したら、プライドを傷つけられた母親から、何されるか分かったもんじゃないじゃん! よく『帰れ』なんて言えるね。他人の私でも、ウチで良かったら1週間くらい泊まっていきなよ、って言って、芙美香に頭下げるよ。
で、挙句、この状態になっても、捜索願も出さず、探しにも来ないんでしょ? 言っちゃぁ悪いけど、燈梨の家族って、鬼畜だよね。
私は、心の中で言っていたつもりが、後半は口から出ていたらしく、柚月に肩をポンと叩かれ
「マイ~、私も同じ気持ちなんだけど、一応、燈梨ちゃんいる前だからさ~」
と言われてしまった。
燈梨を見ると、苦笑いをしながら、私を見ていた。
そして、燈梨は続けた。
今の燈梨は、4ヶ月前に、ひょんなことから出会ったおじさんに、泊めて貰っているそうだ。
その人は、燈梨に何も求めずに、黙って泊めてくれて、燈梨が立ち直れるようにと、色々な人に出会わせてくれ、バイト先も世話してくれたそうだ。そのおじさんを通じて出会った人の中に、オリオリさんが含まれているそうだ。
へぇ、良いおじさんもいるんだね。てっきり、そのおじさんもただのスケベかと思ってたんだけど、燈梨に手も触れて来ない上、最初の頃、燈梨が誘ったりしたら、怒られたらしいから、筋金入りだね。
そして、オリオリさんも、燈梨に似た家庭環境で、家出して高校を中退したんだって、そうなのかぁ……。
そこまで話した燈梨が、改めて言った。
「私、1年遅れだけど、もう1度、高校生をやり直したいんだ。そのために、過去の事にけじめをつけなきゃと思ってる。だから、彼女に会って謝りたい。許してくれるとは思わないけど……」
そこまで訊いた私は、後席の燈梨を引き寄せると、思いきり抱きしめていたよ。しかも、思わず涙も出てしまったよ。
「あ……の、苦しい……」
と、燈梨が言うので、我に返ると、反対サイドから、柚月も、燈梨を抱きしめており、柚月の絡めた腕が、燈梨の胸や首を圧迫していた。
バカ野郎! 柚月、アンタのバカ力で締めたら、燈梨が死んじゃうでしょー!
「なんだよー! 私を化け物みたいに言うなよー!」
いや、充分化け物だろ。やーい、柚月の化け物ー、砂かけババァ。
なんだ、やるのか柚月? やるってんなら、この間の、全裸海老反り縛り動画は、公開してやるからな。『JKのM字開脚ご開帳~』動画より、ホットに炎上させてやるぞぉ~。
どうしたの燈梨? 顔色悪いよ。
『M字開脚ご開帳~』って、公開されたのかって? いや、予告で煽りまくった割には、公開されないからって、炎上したんだよ。
なんか、燈梨がホッとした顔してる。どうしたの? もしかして知り合いとかだったの?
その時、LINE着信音が鳴り、それを見た柚月から、それを見せられた私は言った。
燈梨、例の娘ね。
一応、今日は私の友達と会ってるって、明日以降も、取り敢えず、こっちにはいるらしいよ。どうする? 今から会いに行く?
「いや、今日は、さすがに準備して来てないよ」
そうなんだ。じゃぁ、連絡するから、連絡先を交換しよう……って、燈梨のスマホ、新しいねぇ~、メモリーの順番がメチャ若いもん。
よし、連絡先交換できたぞ。
じゃぁ、送って行くよ。オリオリさんのいた別荘の方で良いの?
「いえ、私も車で来てるんだ……だから、今日はありがとう。準備が出来たら連絡するね」
燈梨は言うと、柚月が一度降りて、助手席側から外に出ると、私たちに丁寧に頭を下げると、隣に止まっていたシルビアの運転席のドアを開けて、中に乗りこむとエンジンをかけ、ゆっくりと、私たちが来た方向へと去って行った。
関東のナンバーの、シルビアを見送ると、なんとなくだけど、私は思った。この件の後も、また、燈梨に会える……と。
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