13 / 14
アルバム
しおりを挟む「そうくんは中学生の頃もかっこいいね
モテてた?」
「さあ、わかんない
あんまそういうの興味なかったし」
宗介の家に遊びにきた静は宗介の中学の卒業アルバムを眺めていた。
宗介はリビングから運んできたコーヒーと静の好きなミルクティーが入ったマグカップをテーブルに置くと、床で卒業アルバムを真剣に眺める静の体を背後から包み込み、肩の上に顎を置いた。
「それずっと見てるね」
「うん、中学時代のそうくん見れて嬉しいよ」
「楽しい?」
「うん、楽しい」
「かわいい」
一体何が可愛いのかわからず、静が首を傾げると宗介は静の顎の下を指の腹で撫でて、頬に軽いキスを送る。
ページをめくっていくと廊下で撮られたのだろうか、可愛らしい女の子と宗介が肩と肩が触れ合うような距離で写っているツーショットがあった。
元カノだろうかと考えるとほんの少しだけ胸が痛んだ。
女の子は頬を染めながら幸せそうな笑顔を浮かべていて、隣にいる宗介は爽やかな笑みを浮かべている。
本来、宗介はこういう風に生きるべきで自分のような人間にかまっているような暇もない。
静は病院から帰った後、母親に半年後に海外に行き一緒に働くことを約束した。
そして、必ず仕事を手伝うという約束をもとに半年後まで家の契約も伸ばしてもらえることになった。
海外に行くまでの半年間
宗介と離れるべきかと何度も何度も悩んだが、静は別れることを選ばなかった。
何か目的がないと生きていける気がしない。別れるとなったら宗介を傷つけるような別れ方をして仕返しをしてやろう。
そんな別れないための言い訳を自分の中で考えながら宗介と付き合い続けた。
本音は自分が傷つくとわかっていても、宗介に恋することがやめられなかったからだが。
静は宗介を縛り付けていることに多少の罪悪感を覚えたが、宗介も宗介で自分をからかってそれを仲間と共有しながら楽しむというメリットがあるし、不本意ではあるだろうが制欲処理もできるのだからお互い様だと割り切る。
24
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説

無自覚な
ネオン
BL
小さい頃に母が再婚した相手には連れ子がいた。
1つ上の義兄と1つ下の義弟、どちらも幼いながらに
イケメンで運動もでき勉強もできる完璧な義兄弟だった。
それに比べて僕は周りの同級生や1つ下の義弟よりも小さくて
いじめられやすく、母に教えられた料理や裁縫以外
何をやっても平凡だった。
そんな僕も花の高校2年生、1年生の頃と変わらず平和に過ごしてる
それに比べて義兄弟達は学校で知らない人はいない
そんな存在にまで上り積めていた。
こんな僕でも優しくしてくれる義兄と
僕のことを嫌ってる義弟。
でも最近みんなの様子が変で困ってます
無自覚美少年主人公が義兄弟や周りに愛される話です。

嫌われものの僕について…
相沢京
BL
平穏な学校生活を送っていたはずなのに、ある日突然全てが壊れていった。何が原因なのかわからなくて気がつけば存在しない扱いになっていた。
だか、ある日事態は急変する
主人公が暗いです

主人公は俺狙い?!
suzu
BL
生まれた時から前世の記憶が朧げにある公爵令息、アイオライト=オブシディアン。
容姿は美麗、頭脳も完璧、気遣いもできる、ただ人への態度が冷たい冷血なイメージだったため彼は「細雪な貴公子」そう呼ばれた。氷のように硬いイメージはないが水のように優しいイメージもない。
だが、アイオライトはそんなイメージとは反対に単純で鈍かったり焦ってきつい言葉を言ってしまう。
朧げであるがために時間が経つと記憶はほとんど無くなっていた。
15歳になると学園に通うのがこの世界の義務。
学園で「インカローズ」を見た時、主人公(?!)と直感で感じた。
彼は、白銀の髪に淡いピンク色の瞳を持つ愛らしい容姿をしており、BLゲームとかの主人公みたいだと、そう考える他なかった。
そして自分も攻略対象や悪役なのではないかと考えた。地位も高いし、色々凄いところがあるし、見た目も黒髪と青紫の瞳を持っていて整っているし、
面倒事、それもBL(多分)とか無理!!
そう考え近づかないようにしていた。
そんなアイオライトだったがインカローズや絶対攻略対象だろっ、という人と嫌でも鉢合わせしてしまう。
ハプニングだらけの学園生活!
BL作品中の可愛い主人公×ハチャメチャ悪役令息
※文章うるさいです
※背後注意

アリスの苦難
浅葱 花
BL
主人公、有栖川 紘(アリスガワ ヒロ)
彼は生徒会の庶務だった。
突然壊れた日常。
全校生徒からの繰り返される”制裁”
それでも彼はその事実を受け入れた。
…自分は受けるべき人間だからと。

総長の彼氏が俺にだけ優しい
桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、
関東で最強の暴走族の総長。
みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。
そんな日常を描いた話である。


チャラ男会計目指しました
岬ゆづ
BL
編入試験の時に出会った、あの人のタイプの人になれるように…………
――――――それを目指して1年3ヶ月
英華学園に高等部から編入した齋木 葵《サイキ アオイ 》は念願のチャラ男会計になれた
意中の相手に好きになってもらうためにチャラ男会計を目指した素は真面目で素直な主人公が王道学園でがんばる話です。
※この小説はBL小説です。
苦手な方は見ないようにお願いします。
※コメントでの誹謗中傷はお控えください。
初執筆初投稿のため、至らない点が多いと思いますが、よろしくお願いします。
他サイトにも掲載しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる