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しおりを挟む「静をずっと守ってあげられるような存在になりたい」
「な、なんだよ…いきなり…どうしたの、そうくん」
静は涙が溢れそうになるのを抑えて、無理に口角を上げる。こんな人が自分のことを好きだと言ってくれるわけがない。好きだとしても友達としてとか、人としてとか恋愛関係は一切含まれないものだと必死に考えるようにした。
きっと可哀想な自分を見て同情しているだけだ。
勘違いしたら自分が傷つくだけ。そうやって思考が逃げようと必死になる。
「俺は静のこと大好きだよ
静は?」
「お、俺は…」
静は息が詰まって苦しくなる。
本音で話したら嫌われてしまうのではないか、そんな気持ちが襲ってきた。もう大好きな宗介と話せなくなってしまうのではないか。そんな気持ちばかりが巡る。
「大丈夫、俺はどんな静でも大好き」
「はっ…はぁっ…」
荒く呼吸をする静を宗介は包み込むように抱きしめて背中を優しくさする。
「お、俺はっ……!」
「うん」
「そうくんのこと……好きだ…」
そう言ったと同時に瞳から涙がツーと一筋頬に向かって流れていく。言ってしまった。後悔と今まで溜めてきた感情をようやく吐き出して身体から力がスッとぬけるような感覚が襲う。
「うん、俺も大好き」
宗介は目尻を下げて眩しい笑みを浮かべると、1人分空いていたスペースを詰めて、鼻と鼻が触れ合うような距離で静の顔を覗き込んだ。
静はその距離感に耐えきれず赤面してしまう。
醜い顔をこんなに近くで見られたくない、そんな思いで両手で顔を隠すと、宗介は微笑みながら静の両手首を掴み、静の顔の横で拘束した。
「見ないでっ……」
「何で?」
「こんなブサイクな顔見られたくない」
「今、静が俺だけに見せてくれてる表情を見逃したくない」
宗介は下から掬い上げるように静の唇を塞ぐ。
「んぅっ」
少しだけ触れたと思いきや、すぐに離れてもう一度唇に触れる。静は人生初めてのキスに息継ぎのタイミングさえ分からず、緊張で体を硬直させることしか出来なかった。
「静、こういう時は鼻で息するんだよ?」
宗介が静の目元に被さった前髪を指先で避けて言う。
「だって俺の鼻息がそうくんにかかったら嫌だ…」
「静、可愛い」
宗介はにっこりと笑みを浮かべて、息継ぎの暇もなくすくらい唇を何度も重ねた。静の唇を宗介の唇が食む。
「ま、まって息が…」
静は息が苦しくなり宗介の胸を軽く押すと、宗介は簡単に離れた。静の額と肌荒れが1つもない宗介の額が合わさる。
「大好きだよ」
「お、俺も…」
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