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しおりを挟む見つかってもいいはずなのに、なぜか隠れて2人を尾行してしまう。
すると、2人は視聴覚室へと入っていく。そこはたまにしか使用されない場所のため、人が入ってくることはほとんどない。
部屋の中は暗いカーテンで外の光が遮断されているため隠れるには最適の場所だ。
麦は扉の前でしゃがみ込み、扉に耳を寄せる。
「俊二、いつもはダメっていうのに今日はどうしたの?」
女子生徒の甘くベタつくような声が聞こえてくる。
「えー?いつも俺そんなこと言ってたっけ?」
「うん、そうだよ
惚けないでよ」
「そういう言及俺嫌いなんだよね
するならさっさとしよ」
恐らく2人はそういう行為を始めようとしているということを感じ取った麦の手に力が込められていく。
俊二は自分だけのものではないとわかっているけど、いざこういう状況になると、耐え難いものがある。
麦は耐えきれずに勢いよく視聴覚室の扉を開ける。そして、目の前に広がった光景に目を見開いた。
俊二と女の2人は横並びになりながら、視聴覚室の使われていないテレビにコードを繋げ、テレビゲームをしていたのだ。
てっきり、行為を始めるのかと思ってしまっていた麦は身体の力が一気に抜けて、その場に座り込んでしまう。
「え、むーちゃん?
なにやってんの?」
俊二の声に応えることなく、よろよろと立ち上がり、俊二の元へと足をすすめた。
「なになに!怖いんだけど!」
突然、暗い場所に現れる白い肌の長い黒髪の女に俊二の横にいた女は自分の体を両腕で抱きしめて、俊二の方へと寄りかかる。
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