遊び人は真面目地味女に恋をする。

ぽぽ

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牙は隠さず

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麦は担任から授業で使う、資料を持ってきてほしいと頼まれ両手に重たい資料を抱えながら運び出していていた

麦の身長では抱えてる資料が積み上がっているせいで目の前の視界が遮られてしまい、左右を確認しながら慎重に歩いていく

一度ではなくて、分けて持っていけば良かったと後悔するのも遅く、引き返すにも体力が削られると判断した麦は教室に向かって歩みを進める

周りはそんな麦を見ても無関心で、またやらされている、担任のパシリだ程度にしか思わず特に声をかけたりすることもなく廊下の幅をほとんど占領する麦へ迷惑そうな顔を浮かべた


「鈴木?大丈夫?」


ふと、後ろからかけられた声に驚いて体がびくつき持っていた資料を落としそうになると、声をかけた人物は麦の元へ駆け寄って、麦が抱えていた資料の3分の2をスッと持ち上げる


「ありがとう」

「いいえ~」


相変わらずの無表情ではあるが、麦にとっては精一杯の感謝を伝えているつもりだ
軽い口調で返事する男、上川隼人カミカワハヤトは麦の元クラスメート
薄い唇をクイッとあげて爽やかな笑みを麦へと向ける。

サッカー部に所属して、次期キャプテンを任命されており、明るい性格も人気がある。

褐色肌が多いサッカー部の中で、目立つ白い肌にはすっと通った鼻筋、少し垂れ目がちな大きな瞳、薄い唇美男子の要素が詰め込まれていた。
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