遊び人は真面目地味女に恋をする。

ぽぽ

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「お前、誰のこと見てんの??」


静かに言い放ち、目の前で威嚇をする俊二は余りにも恐ろしい。
高身長のせいで余計に威圧感を放つ。

周りの男達も俊二が何故怒っているのか分からず、怯えた顔をして俊二の表情を伺う。


「しゅ、俊二何キレてんだよっ
俺らはあの地味女を…」

「あ???」

「俺知らないから…」


悠介はその光景から目を逸らし、俊二達から少し離れた位置に立つ。
俊二は目の前の男の胸ぐらに掴みかかりそうになった瞬間、頭に麦のことが頭に思い浮かぶ。


"暴力する人は嫌い"


この前、2人で帰っている時にそんなことを言っていたのを思いだし、俊二は手の動きを止める。
目の前の男は目をぎゅっと瞑って、まるで殴られることを察知したように身体を縮こまらせていた。


「とりあえず見んな
想像すんな」


それだけを言い放ち、俊二はその場を去っていった。
渡り廊下へと駆け足で向かうと、麦はスマホなどをいじるわけでなく、窓の淵に手をかけ外の景色を眺めていた。
その横顔は何にも染まっていない純粋さがあって、俊二は思わず見惚れそうになる。

不思議なもので麦を見た途端さっきまでの男達に対する殺意は薄れて、どこか温かくなるような気持ちに包まれた。
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