遊び人は真面目地味女に恋をする。

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「うわ、本当だ」

「おとなしそうな顔して、意外と遊んでたりとか？」


"おわった"

"どこにいるの？迎えに行きたい"


携帯の使い慣れてないため、麦の変換もされてないメッセージに頬を緩ませる。


"わたりろうか"

"待ってて"


「なあ、俊二
あれ見てみろって」

「興味ない」

「いや、お前ら
それ俊二に言うなってっ…！！」

「なに？」

「あれ、結構胸デカくね？？」


麦への返信を終え、ようやく話題になっている女子へと目を向けると、気分良く緩んでいたはずの口元の口角が下がり、眉間に皺を寄せた。
悠介が止めたのにも関わらず、男達は俊二にそのまま話を続ける。


「あれで赤はないっしょ」

「てか、あいつってあれじゃん"鈴木麦"
俺、前のクラス一緒だったけど見た目も中の下って感じだし、性格も別にいいってわけではなかったわ。
あ、でもあれでも割と可愛い瞬間あるんだわ」　　　

「え？あんな感じで？
てか、あそこに止まってるけど誰か待ってんじゃね？」

「彼氏？」　

「ないない」

「おい、もう知らないよ？俺…」

悠介はもう手遅れだと頭を抱える。
男達の目線の先にいたのは、渡り廊下で俊二を待つ麦の姿であった。

俊二の表情は一向に明るくならず、さらに眉間の皺を深めていく。


「でもさ、胸がでかいとかいうギャップが…ってどうした俊二……」


男の目の前に立ち、威圧的に睨みつける。
自分の麦が下心で見られていることが許せない。