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しおりを挟む「お、俊二!
久しぶり」
「おす」
「俊二、また身長伸びてね?
集会とかで集まると一瞬でわかる」
「まじで?
伸びた自覚は特にない
これでまた女の子にモテちゃうわ」
「羨ましいかぎりですわ」
特にテーマなんか決めずに、思いついたことをどんどん話していく。
駅前のカレー屋のネパール人店主が面白いとか、彼女の友達に告白されて、それが彼女に伝わったせいでなぜか別れた話とか。
「そういえばさ、この前めちゃくちゃ強風の日あったじゃん?」
「うん」
「その時さ、俺みちゃったんだよね…」
「高橋、何見たの?」
グループの1人、高橋がまるで霊を見てしまったというような表情とトーンで話し出すため、俊二もスマホをいじり麦の連絡を待ちつつさりげなく耳を傾けた。
「B組の彩ちゃんいるじゃん」
「ああ、あの可愛い子ね」
「彩って誰だっけ?」
「は?お前彩ちゃんに口説かれてたくせに何言ってるん?!」
高橋はアルバムから彩の写真を探し、どんな顔だったかと思い出した。そういえばこの子に誘われたことあるなあなんて思ったけど今はそんなことどうでもいい。
「あの子さ、声でかいからその日の会話がたまたま聞こえて
何の話してんのかなって思ったら、今日着てる下着の色の話ガッツリしてた」
「ええ、まじ?
あの子、そういうタイプの子だったんだ…
ちょっとショック
やっぱ女の子はお淑やかくらいがちょうどいい」
俊二は遠くを見つめながら、女の理想を語る友人に冷たい目を向けた。
そんなの男が求めすぎだ。
「で、その話してる時、彩ちゃんがさ自分なら女の子がどんな下着つけてるか当てられるとか言ってさ
何か、見た目でわかるらしいよ」
「くだらねえ…」
心霊話かと思い、少しは期待したものの思ってた以上にくだらない話であったため、再び手元のスマホに視線を移した。
それでも横で繰り広げられる会話は耳に入ってくる。
「でさ、それ俺らにもできそうじゃね?
ほらあの子なんて黒の下着つけてそうじゃん」
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