遊び人は真面目地味女に恋をする。

クソゲー

昼休み


麦が委員会の活動で教室にいない間、暇を持て余した俊二はあくびをしながら、机に項垂れ片手でスマホをいじる。


「むーちゃん、おっせえ…
俺以外の男に構わないで～
話さないで～」


スマホをいじりながら、不満の声をボソっと漏らすと教室の扉から悠介が顔を覗かせた。


「よっ」

「…」

「え、橘くん
無視っすか」


悠介が教室の中に入ると、女子達は身なりを整えたり前髪を触って持っている手鏡や窓に反射して映った自分の顔を確認する。


「悠介、おは」

「ん、おは～」


女子は悠介手を振ると、悠介はそれを笑顔で振り返す。
まるで、アイドルのような対応に女子達はざわめきを隠せない。


"カッコいい…"

"悠介くん、今日の顔面も天才すぎる
俊二くんと並んだら余計だよね…"


悠介は顔見知りの女の子達に一通り、コミュニケーションを交わし、スマホをいじる俊二の目の前へと立つ。


「俊二、麦さんいねえから暇なの？
いつもべったりじゃん」

「今、委員会行ってる」

「なるほどね～
じゃあ暇つぶしにこっちおいでよ」


悠介が指差した先には、元クラスメイトが数名集まって話し込んでいる。
割と仲が良い方ではあったため、ここにいるよりは暇つぶしになると思い、俊二はゆっくりと腰を上げ、悠介と共に廊下へと向かっていく。