遊び人は真面目地味女に恋をする。

ぽぽ

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「むーちゃん、何やってるの??」


周りの会話、視線なんかお構いなしに麦の元に来て、話しかける男

耳元には片耳ずつに数個開いたピアス、丁寧にスタイリングされた黒い髪、左手の薬指には高価な指輪がはめられている

男は麦の手を取ると、同じく左の手の薬指にはめられてあっただろう指輪の跡をそっと撫でる


「本読んでた…」

「何の本?」


男は興味深そうな笑みを浮かべながら本の表紙を覗き込み、表紙のタイトルに被さっていた麦の指をそっと避ける


「科学の本…。」


「ははっ、超つまんなそう!むーちゃんくらいしかそんなの読まねえよ
俺が可哀想なむーちゃんの話し相手になってあげる」


「別にいらないっ。」
 

麦は顔をそらしながら、ぶっきらぼうに答えると男はまるで王子のように麦の左手を取り、手の甲に唇を落とす


「は、恥ずかしいってばっ」


「恥ずかしがるむーちゃんってめちゃくちゃ可愛い
写真撮っていい??」


男は口角を上げてニヤリと笑うと、ブレザーからスマホを取り出し、麦へとカメラを向ける


「やめてっ!写真は苦手なの!」

「ええ、もったいなあ…
でも俺のフォルダの中、むーちゃんの隠し撮りでいっぱいなのよ
一緒に見る?」

「見たくない!!早く消して!!」

「ざんねーん…
一緒にむーちゃんの写真の鑑賞会したかったんだけど」


男は麦の腕を掴み、座っていた席から強引に立たせると、麦が座っていた席に腰を下ろし、自分の膝の上を軽く叩いた

「むーちゃん、おいで」

「いっ」


麦が嫌と言い切る前に、男は麦の腕を強引に引き、膝の上に横抱きにして座らせる
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