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しおりを挟む「大丈夫、2人きりにはしないって」
「うん」
恭弥は菫から蒴の方へと視線を移し、菫の手を握っていない方の手で自分の頭を軽く掻いた。
「蒴、菫と2人きりで話したいのもわかるけど一旦俺と話そうよ」
蒴は不服そうな顔をしたが、数秒おいて小さく首を縦に振る。
「わかった、どうせここで2人きりで話なんてさせてくれないのはわかってるから段階踏むことにするよ
でも、とりあえずその手はダメ」
蒴の鋭い目が2人の繋がれた手元へと向く。
「蒴ちゃんには関係ない」
「関係ある」
「ない!!」
「ある」
2人で言い合いをしていると、恭弥は睨み合う互 双方の顔を見て呆れた顔をする。
「あのさ、2人とももう大人だよな?
それにここは俺が住んでるマンション
騒がしくしていいの??」
恭弥は自分の部屋の扉を指差して2人に問いかけると、菫は気まずそうな顔をして蒴から目を逸らし、恭弥の背中側へと回り込み腰に腕を回して強く抱きついた。そして、恭弥の背中越しに蒴を睨みつける。
「蒴ちゃんのせい…」
「今のはすーちゃんも悪いでしょ
俺は蒴と話してくるから、買ってきたものを冷蔵庫の中に入れといてもらっていい?」
恭弥は近くに置いていた荷物を持つと、部屋の鍵を開ける。菫の背中を押して部屋の中に入れて、玄関に荷物を置いていく。
「じゃあ、菫
ちょっと間だけいい子にしてて」
出て行こうとする恭弥の背中に菫が抱きつくと、恭弥の体が固まる。
恭弥は外に出ようと開けかけていた扉を閉じて、腰に回った菫の腕を掴んでどかした。
(あ、そうだ…今1人になるのは寂しいと思ってつい抱きついちゃったけど、いきなり抱きつかれたら嫌だよね)
菫は勢いで行動してしまったことに気づき離れようとすると、恭弥が菫の方を振り返って菫の腰回りに腕を回して抱きしめた。
「俺は正面同士で抱き合う方が好き」
恭弥の笑みを含んだ声が耳元に響く。
「恭弥くん…色々と巻き込んでごめんね…」
「まあ…でも俺も自分から巻き込まれに行ってるから菫たちのことどうこう言えないね」
恭弥が菫の背中を一度だけポンと叩くと、肩を掴んで離す。
「じゃあ行ってくるから」
恭弥が蒴と話に行ってしまってから数十分が経つが、菫は座ることもなく部屋と扉の前を行ったり来たりしてそわそわしてしまう。
そんなことを何往復も繰り返していると、扉のノブが動いた。
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すいません、前回のページがなぜか半分以上前のページの内容が書かれてしまっていたようです。修正しておきました。
誤字やら間違いやらたくさんあって読みにくいかもしれませんが、今後もよろしくお願いします…
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