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しおりを挟む突然抱きつかれたにも関わらず恭弥の重心はぶれず、両手を上げたまま菫を見下ろす。
「ちょ、いきなり何??」
「愛しの恋人に会えて嬉しいから!!」
「は?お前いきなりどうした??」
菫は恭弥の腰に腕を回して、強く抱き胸元に顔を埋めた。
恭弥は驚きつつ、部屋の奥から歩いてくる蒴にため息をつく。
「てか、何でさあ
蒴くんがこの家にいるのかな?」
「ちょっと菫に大事な話があってね」
「大事な話なんてない!!蒴ちゃんが私に意地悪してくるの!!恭弥くんどうにかして!!」
菫は恭弥の胸元に顔を押し付けて、チラチラと横目で後ろに立つ蒴を睨みつける。
「どうにかしてって投げやりすぎんだろ…
蒴、そんな意地悪して本気で嫌われても知らねえよ?
あと、俺の可愛い彼女ちゃんと直接話したいなら俺を通してくれないと困るわ
他の男とあんま親しく話してほしくないし」
恭弥は菫の後ろ髪を優しく指ですきながら、さりげなく蒴を牽制する。
恭弥の演技があまりにも上手いため、菫は恭弥の胸元に顔を埋めながら感心していた。
「こんな可愛い子手放したのはお前なんだから諦めてよ」
恭弥の腕が背中に回り、菫が腕の中で顔を見上げると恭弥は微笑んだ。
「1人にさせてごめんね
怖かった?菫の好きなお菓子買ってきたから一緒に食べよ」
「うん!」
こわばっていた菫の表情にも笑みが浮かぶ。
「恭弥はいつからそんなキャラになったの?」
蒴が冷たい目をしながら恭弥へと問いかける。
「キャラじゃなくて俺は元から好きな子に対してこんな感じよ、蒴ももっとあの子に対して誠実に接してあげな
不安になるだろ、そんなんじゃ
今も部屋にいんじゃねえの?」
「いや、今日は帰ってもらってた
わかってるよ、大切にしなきゃとは思ってる…」
「お前は昔から大人の振る舞いするくせに余裕なくなるとガキっぽくなるのね、長い付き合いだけど初めて知ったわ」
「うるさいよ、菫また来るから」
蒴は2人の横を通り過ぎる際、菫の頭を撫でるも菫は涙目で蒴を睨みつける。
「来なくていいっ…
恭弥くん、蒴ちゃんに来なくていいって言って」
「ほら、蒴、聞こえんだろ??お前が強引なことしなければ菫がこんなに嫌われることなかったのに」
「あと、私たちがラブラブだってことも言って…」
菫が拗ねたように言うと、恭弥は笑い声を上げる。
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