好きな人の好きな人

ぽぽ

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新たな場所

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「あ~その条件だと厳しいですね
お客様の予算からだいぶオーバーしてしまいます。
共同住宅とかいかがでしょう?女性限定のシェアハウスとかもありますよ?」

「共同はちょっと…」


大学が休みの日、菫は不動産屋に来ていた。
もちろん引っ越しを考えているからだ。

週に数回だった美香の訪問が毎日のように来るようになった。
会いたくないと思っていても、買い物などにいく際は偶然あってしまう機会が増えている。

さらに、美香は菫が関わらないでほしいと言ったにも関わらず、自分の手作りのお菓子やら料理やらをお裾分けという定義で持ってくる。

朔の妹的な立ち位置だと感じているから優しくしようとしているようだが、朔と菫の間にはそのような関係もなくなりかけている。

たかが赤の他人であり、ただのお隣さんなのだ。

そんな2人から菫は距離を置きたくて、新たに家を探すことにしたが、都内で菫の出す条件と予算で当てはまる物件といえば今にも崩れそうな木造の風呂なしアパートや共同住宅ばかりだった。

早起きをして不動産屋を数件回ったにもかかわらず、結局いい物件は見つからず出そうになるため息を抑えながら帰路を歩く。

運動不足の影響もあるが、久々に歩き回ってせいで妙に疲れてしまい、家に入るとふらふらと歩きながらソファに向かいその上に寝転ぶ。

すると、数分もしなうちに徐々に瞼が降りてきて、視界が狭くなった。
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