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しおりを挟む「とりあえず、ここで立ち話するのもなんだし
家の中に入ろう」
蒴が部屋の鍵を開けて、3人で家の中に入る。
未だになぜこの場に恭弥がいるのか理由を説明されていない。恭弥が先に部屋に入ったのを確認すると、後に続いて入ろうとする蒴の服の袖を引っ張った。
「ねえ、何で恭弥くんもいるの?」
「ごめん、俺が恭弥と今日家で飲む約束してたの忘れてた
菫に言っておかなかったよね、許してくれるかなって勝手に思ってんだけど嫌だった?」
蒴は拗ねた顔をする菫の頬を指で何度かなぞった。
「別に嫌じゃないけど、蒴ちゃんと2人きりの時間も欲しかったなって…」
「ごめんね、次からはちゃんと言うから今日は3人で鍋でもしない?」
「うん」
菫が笑みを浮かべると、蒴も同じように笑って菫の頬を両手で包み込んだ。
「あのさ、いちゃついてるとこ悪いんだけど、勝手に冷蔵庫開けるから」
恭弥に見られたかと思うと、菫は恥ずかしさを覚えて慌てて蒴から距離を取る。
蒴と恭弥がキッチンに並んで、鍋を作り始めるがその2人の姿はあまりにも絵になっている。
菫も手伝うことも申し出たが、すでにでかい男が2人もキッチンにいるため、菫の入る場所はなく、恭弥には菫ちゃんは"危ないから大人しく待ってようね~"と相変わらずの子供扱いをされ、1人でおとなしくテレビを見ながら待った。
しばらくすると、キッチンから鍋の出汁の香りが漂ってくる。それに釣られるように、菫はキッチンに向かい土鍋の中を覗き込んだ。しかし、見る直前で蒴が土鍋の蓋を閉じる。
「蒴ちゃん、中みたい」
「後は煮込むだけだから大人しく待ってようね」
蒴はキッチンから出ると、菫の前の椅子に座る。
恭弥は冷蔵庫から3本の缶ビールを取り出すと、菫の隣に座る。肩が触れ合いそうなほど近い。
「恭弥くん、近い」
「はあ?別にいいじゃん、蒴だって近いっしょ
問題なし。じゃあ、俺が蒴の隣に移動すればいい?」
「それもダメ」
「わがまますぎ」
恭弥は微笑みながら、菫の頭をポンポンと撫でた。
そして、手に持った缶ビールをそれぞれに配る。
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