モブの俺には構わないでくれ。

ぽぽ

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成功

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それからというもの、俺はなんとなーく、さりげなーく樹を避ける生活を送っていた。

保健室に不在になることができないというのが難点だったが、保健室を利用する生徒がいつも以上に多かったため、樹が来たとしてもかまっている暇がなく、あまり意識をしていなかったが距離を置くことに成功しているのではないかと思う。

そして、樹が廊下で話しかけてきようものなら、すぐ高木に助けを求めた。
あまりにも優しく毎回手伝いをしてくれるため、俺はノンケでありながら惚れそうになっていたことは誰にも言わない秘密だ。

避けるというのは心が痛むが、これも俺の教員生命を守るためだ。それと男子校の養護教諭という美味しい立場を守り続けたい。
いつまでも彼らのラブストーリーを期待していたい。

そんな生活が続いて2週間程度経ったある日

またもや、ファンクラブが俺の元に姿を現した。だが、前みたいに数人ではなくリーダー1人きりだ。


「なんだよ、また来たのかよ
お前の言うとおり、距離は置いてやってるだろ?」

「はい、そうですね
どうもありがとうございます」


リーダーは貼り付けたような笑顔を俺に向けてくる。


「で、もう一つお願いがあるんです」

「は?!またかよ!!
もう流石に面倒臭いのは却下!
これ以上、樹を避けろとかだったら流石にあいつが可哀想だろ??俺は平等主義なんだよ」

「違います!
勝手に決めつけないでください!
今度は樹くんが幸せになるようなものです!」


リーダーは胸の前で両手を合わせる。


「幸せ?なんだよそれ」

「樹くんが僕と付き合うの手伝ってくれませんか??」

「はあ?!?!」


想像以上にでかい声が出てしまった。
そりゃそうだ。こんなやつ現実に居たのかよ。漫画やドラマの世界だけじゃねえの??


「僕、樹くんのこと本気なんです
身長も高いし、あのハーフ顔最高すぎる。
バスケしてる姿なんてもう発狂もので。」

「はいはい
それは眺めてるだけじゃダメなのか?
それにファンクラブなら樹と付き合いたいやつも沢山いるだろ」

「でも、ファンクラブの中なら僕が1番可愛いじゃないですか??樹くんとお似合いじゃないですか??」


じゃないですか?とか言われてもしらねえよ!!
それに、こいつ簡単に仲間裏切るのかよ!!
抜け駆けすんなとファンクラブでもない俺が口出ししそうになる。

他のやつだったらアシストしてやってもいいが、リーダーはなんとなく危ないと俺の直感が告げている。






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