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セクハラ疑惑
しおりを挟む「や、大和??なんでこんな所に」
「何でって学校だからだろうが
お前も普段来いとか言ってるくせに」
確かに来いとは言ってるけど、なんでこのタイミングで話しかけてくんだ!
「え?待って??誰かいる??!」
「やばい、見られたかな?」
男子生徒たちは俺たちの声に気付き慌てて反対方向に走っていってしまった。いつもなら廊下を走るなというのにそのチャンスを逃してしまったことで注意する気力さえ失ってしまいその場に項垂れる。
「おい、健太
どうした?」
「何でもねえよ……」
俺は肩を落としながら保健室へと向かうと、後ろから大和がついてくる。
「健太、さっき何してたんだ?」
「いや、生徒同士が場所をわきまえずいちゃついてたから注意をしようと……」
「でも、お前しばらくあれ覗いてただろ」
「はあ??!お前見てたのかよ!!」
「しばらく後ろにいたけど全然気づかねえんだもん」
「声かけろよな?!?何で?!なんで声かけなかった?!」
大和に詰め寄り、両腕を掴み前後に揺らす。
「あ???お前が鼻息荒くしてあれを見てたからだろうが??」
くそ!!鼻息荒くしてたことまでバレてんじゃねえか。最悪だ。BL好きがバレたか??流石にバレたよな??これを大和の親父や教師たちなんかにチクられたら1発アウトだよ。クビだよ、クビ。
これがニュースにでもなってセクハラ教員懲戒免職なんて報道されたら俺は完全に路頭に迷い教員という仕事に戻れないかもしれない。
俺は頭の中で現在の貯金額を思い浮かべながら、今後どれくらい暮らしていけるのかと考える。
次の仕事をしようとしてもそんな変態は受け付けられませんと拒否されて最終的にホームレスにでもなるのか…??
「おい、健太?大丈夫かよ」
大和が俺の肩を揺らす。
「なあ、大和ごめんな…
こんな俺がここになんかいて…」
「は??突然どうした?」
「俺はこの学校をいなくなるかもしれない…」
「あ?どういうことだよ??」
「だってこんなことがあったからには俺は教員を辞めないと、周りの生徒も苦しめることになる…。だってこんな俺と一緒の空気を吸いたくないだろ」
「健太、まじでどうした
お前おかしいぞ」
大和は俺の顔を覆い隠すほどのでかい手で俺の頬をペチペチと叩く。
「大和、元気でいろよ
他の先生になっても、ベッドで寝る時はあまり邪魔しないでくれって伝えておくからな」
「勝手に話進めんな
お前がこの学校いなくなるってことかよ
どいつが決めた??言え」
「これから決まる予定ってことだよ
まだ完全に決まったわけじゃないけど、こんなの…こんなの絶対ダメだ」
俺の目元にはうっすらと涙が浮かぶ。
「……健太」
大和は俺の名前を呟くと、俺の背中に腕を回し強く抱きしめた。ふわっと大和の香水が香る。
「ふえっ」
急に大和に抱きしめられた俺は情けない声が出てしまう。
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