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しおりを挟む「もっと好きって言って」
「…好き、んっ」
次は頬にキスをされる。
「もっと」
「…大好き」
次は唇の横にキスをされる。
「もっと」
「もう恥ずかしくて死にそうだから…」
自分の頬を両手で包み込んで隠し目を逸らすと、さらに顔を近づけてくる。
お互いの鼻と鼻が触れ合う。
「もっと言って」
「好きだよ、河田くん」
僕も感覚がおかしくなってしまったようで、自分から河田くんに唇を重ねてしまった。
河田くんはその行動に目を見開いている。
「あっ…いや今のは本当にごめん!!」
慌てて離れようとすると腕の中に閉じ込められて身動きが取れなくなる。
「…想像以上かも」
「へ?」
河田くんは僕の前髪をかきあげる。
「ちょっと待って
あんまり顔は。見られたくないというか自信がないというか」
「じゃあ俺だけに見せればいいじゃん
他のやつになんか見せる必要ないよ」
覆うものがなくなった僕の額にチュッと音を立てて吸い付いた。
「…そうやって思わせぶりなことを言って
また僕を惑わすんだ」
「思わせぶりじゃない。
でも、そう思われないように俺は今後努力します」
「え?努力って何を?」
「想いを伝える努力です」
河田くんは笑みを浮かべると、僕の頬に噛み付くようなキスをした。
「千秋先輩、覚悟してください」
「え、今僕の名前
何で知って…」
「当たり前でしょ、だって…」
そのあと何かを呟いたが小さすぎて何を言っているのかわからなかった。
もう一度聞き直して全く教えてくれない。
「いつかちゃんと教えます」
僕の頬を包み込むともう一度キスをして微笑んだ。
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