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しおりを挟む店内を眺めていると、河田くんの方に集中してしまいそうなので、無理に気を逸らすため鞄からスマホを取り出して、雅也へとメッセージを送る。
さっき、どこから噂を聞きつけたのか知らないが、舞さんと遊びに行ってるかという内容のメッセージが届いていた。
雅也が知っているということはクラスの誰かしらも知っている可能性があるということで、変な噂を流されることを考えると、舞さんが不憫だ。
逆に、僕は非モテのあいつが可愛い子と付き合っているとういうことで、同じ界隈の人間には希望を与えるかもしれない。
目の前の椅子がギィっと床と椅子の脚が擦れる音を立てたため、舞さんが戻ってきたのかと思い顔を上げると、そこには予想外の人物が舞さんの席に座っていた。
「何やってんすか??」
僕の目の前には先ほどまで彼女とイチャイチャしながらパフェを食べていた河田くんがいた。
テーブルに両肘を置き、顔の前で手を組むと、眉間に皺を寄せ僕を睨みつける。
まるで、刑事ドラマで事件を考察する俳優のようでかっこいいと言いたいところだけど、今そんなことをいったら、さらに鋭い目を向けられることなんてわかってる。
「え、なんで?」
河田くんが先ほどまでいたテーブルに視線を移すと、退屈そうにスマホをいじる河田くんの彼女しかいない。
「あの…どうしたんですか?」
恐る恐る聞くと、さらに眉間の皺が深まって情けない声が出そうになる。
「何してるってこっちが聞いてんだけど」
「ごめん!質問を質問で返すってコミュニケーションの基本がなってないよね!学校に行って学び直してこようかな!」
適当に冗談を言ったつもりなのに、河田くんはクスリとも笑わず、深いため息を吐く。
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