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しおりを挟む臣は僕の頭を一度ポンと叩くと後ろへと下がって、ソファに腰をかけた。次は僕のリクエストでカートレースのゲームを始めることになった。
ゲームをやっていると、後ろから缶をプシュッと開ける音が聞こえる。おそらく臣が新しい缶を開けたのだろう。飲み会の後だというのにペースが早いけど、大丈夫だろうか。
「あ!ちょ!ずるいって!!」
「ずるくないって」
「あ!また!そういうことする!」
ゲームというのは不思議なものでやっているうちにいつのまに白熱しているものだ。
涼しい顔でゲームをプレイしている春也の横で僕は手に汗を浮かべながらコントローラーを握る。
だけど、こんなに真剣に取り組んでいるのにも関わらずことごとく負けていく。
「うわっ…また負けた…
もう一回!もう一回!!」
「もう何回目だよ」
「あと一回だけだから!!」
「そういって、勝つまでやりそうだから怖いんですけど」
「そんなことないよ」
優しい春也は渋々もう一度ゲームをやってくれるようだ。
データの読み込み中、後ろから突然肩に重みを感じた。
後ろを振り向くと臣がつまらなそうな顔で僕の肩に頭を預けてる。
「臣、どうしたの?
誰も構ってくれないから寂しくなっちゃったの?なーんて」
「そうだけど」
肩に腕を乗せながら真剣な顔をした臣と目合う。至近距離で見つめてくる臣の目が艶かしい気がするのは気のせいだろうか。
「あ、えっ。
げ、ゲームが始まる!」
その雰囲気を誤魔化すように臣から画面へ目を向けると頭に手を置かれて、無理やり顔を向き合わされる。
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