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しおりを挟む「いちごミルクだ」
僕の好きな飴
たまに舐めていることを知っていたのだろうか。
「いちごミルクってさ、牛乳が成分に含まれてんのかどうか知んないけど、カルシウム入ってるぽいから身長小さくて怒りぽい人にはいいと思って…」
春也が僕に哀れみの目を向けてくるが、他人のことだから相手にしないと自分に言い聞かせてその言葉を無視すると、春也は張り合いがないと言わんばかりに唇を尖らした
「はい、これあげる」
仲直りの印なのか、レジ袋からいちごミルクを取り出してリュックに入れてくれる
「え?いいの?」
「いいよ~、どうせ俺食べないし」
「食べないのに買ったの?」
「そこは触れないであげて」
「春也、可愛い~」
揶揄うようにいうと、こちらをギロリと睨まれたため、これ以上いうのはやめにしといた。
「なんか春也の家に来るの久しぶりだな」
「ん?そうだっけ?」
話しているうちに春也の家の前に着く。
外装は築年数が経っているから、木造建の古いアパートに見えるけど、内装は春也が引っ越してくる時にリフォームしたらしくモダンな作りとなっている。
「はい、入って」
鍵を開けてもらって、中に入ると玄関に置いてあるディフューザーの香りが鼻に伝わってくる。
「これどうしたの?
いい匂いする~」
鼻を近づけてクンクンと嗅いでいると、一本の枝が鼻にコツンとあたり、服の袖で慌てて鼻を拭う。
「あ、これ?
この前、後輩の女の子が誕生日って言ってくれたんだけど、使い道こまったからとりあえずそこに置いた」
「相変わらずモテモテですね~
でも、香水とかの香りものの贈り物って独占欲の現れっていうよね」
「そうなん?
まあ、どうでもいいや
てか、早く入って」
腰をあたりを手でトントンと押されて、部屋の中に入る。
春也は冷蔵庫に向かうと買ったものをテキパキと中に入れていき、それが終わると洗面所に向かい手洗いとうがいを済ませた。
友達の僕からは恥ずかしいから言わないけど春也はしっかりしてるし、優しいし気遣いもできる性格であるため、顔がイケメンじゃなかったとしてもモテているような気がする。
それにプラスして顔がいいというオプションがあるから余計にモテてるのだろう。
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