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姉ちゃんを家の門のところまで送り出して、家の中へと戻る

玄関に置かれた大量の桃
あまりにも多かったため、僕がいない間に体制を崩し横に倒れて床に転がっている


「2人でも食べ切れないなあ…」


それに弟が帰ってきたとしても、桃を剥くのを面倒くさがって食べないかもしれない


「あ!」


僕はあることを思いつき、部屋から大きな紙袋を持ち出してくる
気分良く鼻歌を歌いながら、袋にあった桃を半分紙袋の中に詰め込んで、部屋着から外着に着替える


良いことを思いついた

これをお裾分けという定義で臣の家に持っていけば、臣にも会えるし、桃を食べて喜ぶ臣が見れるなんていう僕に取ったら一石二鳥な出来事が待っているかもしれない
いつもなら準備するとなると、なかなか動けずにダラダラしてしまうけど今日は違う

愛する恋人との1週間ぶりの再会だから、少しの時間でも無駄にはできない

片手に桃の入った重たい紙袋持ち、ショルダーバックを斜めがけにする

いざ、臣の家の前に着くと連絡を入れ忘れていたことを思い出す
もう家の前には来てしまったが、臣へと一応連絡を入れた

そして合鍵で部屋を開けて、扉の隙間からちらっと中を覗き込むと、大きな靴が何足か散らばっていた

いかにも男性ものの靴

玄関にこれだけ靴が並んでいるということは、友達が家に来ているということ
部屋の中に入ってしまうのは気を使わせてしまうかもしれない

とりあえず、この桃だけ玄関に置いていって臣に後で連絡を入れればいい
気づかれないようそっと靴を脱いで上がり込む

元から影が薄いとか存在感がないなんて言葉をかけられているから、気づかれないように他人の家に入り込むのは僕には楽勝なのかもしれない

才能として生かそうとしても、99.9%は犯罪扱いされて終わるだけの才能
もっと良いところで才能をみつけたかった

玄関の涼しいところに桃を置いた時、扉の奥から変な音が聞こえてきた
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