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💛勇者セレスト編

💛💛

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「まあ。とにかく、今の君の状態は、僕のせいでもあるから。協力する」

 なんだか変な宣言だけど、その場はとりあえずお礼を言って、ミリアさんに頼まれていた買い出しに行くことにした。

 賑わう街は人通りが多い。目的のそのお店までは少しだけ歩くことになる。出店に視線をやりながら、のんびりと歩く。ふと、隣を歩くセレストさんを見る。

 とたんに、昨夜まで絡み合っていた事を思い出す。

 まずいと思い、視線を逸らしたけど、脳内再生が勝手に始まり、映像はなかなか止まってくれない。

 胸に顔を埋めて先を直接嬲られたこと、触られるたびに身体中に甘い電流が流れ、それが快楽を呼び起こし、もっとと自分から脚を開いて求めた。

「っ……」
「……」

 目の前の手に触れたい。触れて欲しい。そんな衝動が湧き上がる。息が自然と上がる。服の内側で勝手に乳首が勃つ。背中がゾクゾクとして、またあの甘い感覚に浸りたくなる。

「フーネ?」
「っ!」

 呼ばれたことにハッとした。

「もしかして、シタくなった?」
「……」
「我慢しなくていいよ」

 手を差し出されていわれ、カラカラに乾いた喉を潤すように、彼の指に手を絡める。途端、ドクンと痺れが走る。
 引き寄せられて、裏路地へと引っ張り込まれた。

 昼間なのに薄暗く、だからこそ目の前の大通りを行き交う人々や、賑わいがよく見える。
 彼が、私がそんなところで今から何をしようとしているのか…‥考えただけで期待で蜜が溢れた。

「不思議だよね。僕だけキミとしちゃダメなんて」

 後ろから抱きしめられ、腰を抱かれれば、ビクンと身体が反応する。

「キミのココに、昨日まで僕のが挿入ってた」
「あっ…!」
「思い出すだけで、たまらない。今すぐにキミのナカに僕のを突っ込んで奥をかき回したい」

 耳元でささやかれ、腰骨を通った手のひらが、下腹を押さえた。
 逆の手がふにふにと胸を揉み、服の上から尖りを探り当てては、弾いてもてあそぶ。お腹にあった左手は、スカートの下から侵入し、太ももに触れるか触れないかの強さでサワサワと触れる。腰骨のあたりまでもどると、ショーツのレース部分を上から撫で回した。それが気持ちよくて、息が上がる。気持ちよさに身を任せるように、セレストさんにもたれかかった。
 彼はクスリと笑う。

「路地裏っていっても。人が来ないわけじゃないから、声、我慢してね」

 そう言ってお腹の上を滑り降りていった指先は、ビーズの上からクリトリスを優しくなでた。

「ぁあ!っぁっ!あっ!」
「あれ?もうこんなに濡れて……」

 ぬちょりとした感触に、セレストさんはわざとらしく少し驚いたように言う。

「前から思ってたけど……ひょっとしてフーネは、この世界に来る前から元々こんなにエッチなコなの?」
「っ、…ちが、」
「ふーん。本当かな…‥フーネのココは、こんなに人通りが多い場所でも、早く欲しいって言ってるみたいにヒクヒクしてるけど」

 溢れ出る愛液をすくいとり、膣口とクリトリスにニュルニュルと馴染ませるように伸ばす。指が秘所を前に後ろにゆっくり動いてなでるたび、もっと決定的な快感が欲しくて、思わず腰を動かす。

「っ、」

 ゴリュっと、お尻に硬いモノがあたる。瞬間またゾワゾワと甘い期待が腰を這い上がった。

「ねえ、…‥フーネ」

 指を動かす手が止まり、だらりと下がる。そして、少し低い声でセレストさんは口を開いた。

「……どうしたんですか?」

 ガラリと変わった雰囲気がいつもと違う気がした。
 
「このまま、ここに残る気はない?家を借りて、ここに残って、僕とずっとここで過ごそう」

 冗談のようにも聞こえる。だけど、雰囲気がそうではない。まさか、セレストさんがそんなことを言い出すなんて驚いた。

「それ、は、だってセレストさん魔族を倒すって使命が……」
「……勝手に決められたことだ。僕はこんなこと望んでなかった。剣が抜けたからって、周りに勝手に勇者に祭り上げられて、世のため人のために魔族を倒せ?……正直、僕にはそれもわからない」
「……」

 なんだか、少しだけその気持ちはわかる気がした。現実世界にいた時、何度となく望んでない役割を任されたことがある。周りはそれをするのが普通だといい、私がその役から降りることは許されなかった。
 私のことに比べてセレストさんのプレッシャーはもっと大きいのだろう。この世界の人の期待や希望が全て彼に重くのしかかっているようにも見えた。

 私は振り向くと、セレストさんに向き合い言った。

「セレストさんが本当にそれを望むなら。勇者なんてやめちゃえばいいんです」
「…‥だけど、ミリアが怒る」
「じゃあ逃げるしかないですね」
「…‥みんなだって、困る」
「セレストさん1人が苦しい思いをして、魔族を倒したらみんなが幸せっ~っていうのも、私はちょっとだけおかしいと思うんですよね」
「神だって、許さない」
「うーん、じゃあ、この世界から逃げちゃいましょう。あ、私の世界に来ますか?……あーでも、あっちはあっちで生きづらいし、ろくなもんじゃないんですけどね。帰り方もわからないし」

 私の答えが予想外のものだったのか、セレストさんはポカンと私を見下ろす。

「うーん、でもセレストさん連れて帰れたとして、その場合って、住民票とかどうなるんだろ?誰かの養子…‥とかに入ればその辺ってクリアできるのかな……。あ、セレストさんも働いてくださいね。私も嫌だけど生活のために働きますんで。そうだ。セレストさんなら人当たり良さそうだからお店の接客とかもいけるのかも?それとも剣の腕が立つなら道場とかに通って……あれ?でも剣道とかこつちの剣術とルール的にどうなんだろ?それも調べないと……」

 ぶつぶつと、1人で考えていたら、目の前の顔が急に破顔した。

「ごめん。勇者やめるなんて冗談」

 それはそうだと思う。それが最初からできてたら、きっと今頃、セレストさんはここにはいないはずだ。

「……だけど」

 彼の顔が近づき、ちゅっ、と羽のように軽い口付けがおちてくる。

「こっちは本気。……フーネ。僕のものになって。正直女性は煩わしいだけだと思ってたけど……キミとならうまくやれそうな気がする」

 キスは好きな人とした方がいいと言っていたセレストさんに、キスをされたことにも驚いたけど、この告白にも驚いた。

「それとももう、アシュランには返事しちゃったの?」
「……いえ、その前に、アシュランさん倒れちゃったので、」
「じゃあ。まだ僕にもチャンスはあるってわけだ」

 また、口付けをされ、それが深いものに変わる時には、ピリピリと頭の芯が痺れそうになる。

「キミのナカに、入りたい」
「んっ、でも、ダメだってミリアさんが」
「ナカには出さない、から」

 言いながら深い口付けを繰り返し、あまりの気持ちよさに思考が回らない。

 私は、了承の代わりに彼の腰紐に手をかけて解くと前をくつろげ、出てきた熱を手に取ると、自分から秘所へとあてがった。
 片足を持ち上げられ、下から突き刺さすように彼の熱がはいってくる。さっきからずっと待ち望んでいた蜜壺は、それを嬉しそうに飲み込んだ。

 あまりの気持ちよさに、矯声がもれそうになり、それをセレストさんの唇が塞ぐ。

「……っ、周りに聞こえる。……キミが、こんなとこで僕のを咥え込んでいやらしく腰を振ってるの、……見られたいなら別、だけど、……」
「むり、こえ、…でちゃ、」

 ぬゅちょ、ぬちゅ、ぬゅちゃと蜜が絡みついたモノで何度も奥を突かれ、お腹の奥がジンジンと気持ちいい。

「はあ、キミのナカ、どろどろだ。……、」
「あっ、ひっ、セレストさん、」

 抱きしめられ、唇を舐められ、舌を絡められてキスをする。柔らかい舌がくちゅ、ちゅぷ、と口の中をかき混ぜる感触と、下から硬くてアツいモノで突き上げられゆさぶられる。クリトリスが下生えで擦れ、快楽を拾い、お腹の奥で気持ちいいが何度も押し寄せてきて、きゅんきゅんと蜜壺が痙攣し、その度にセレストさんのモノをキュウキュウと締めつけた。

「フーネ。……ぁあ、フーネ、もう、……イクっ!」
「アッぁぁあっ!」
 
 ゆるい快楽の波が全身を襲う。セレストさんが最奥まで押し上げてから、熱を引き抜くと同時に白濁が辺りに飛び散った。朦朧とする意識のなか、彼は私を優しく抱きしめて、また嬉しそうにキスを落としたのだった。

 
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