1 / 34
第一幕:双翼の出会い
001プロローグ
しおりを挟む
失敗した失敗した失敗したッ!
這い寄る大失態の足音に思考は焦って空転し続ける。
俺は今一番の窮地に立っているかもしれない。
どうしよう。
で埋め尽くされた俺の頭はパンク寸前。
暑くもないのに手に汗握る状況に、連れ合いの手を掴んでいたことを思い出して慌てて緩める。
あぁ、俺はこんなにも頭が悪い男だったろうか。
隣を歩く連れ合いに視線を送ればその理由も自ずと出てくる。
柔らかそうで腰まであり、細く光沢がある黒髪が、歩く振動と風を含んで緩くなびいている。
凛々しい柳眉と意志の強さを宿したかのような緋色の目、俺の胸ほどしかない背との落差で、性差を無視して何とも言えない色香を感じさせる。
これだけの説明だと華奢な印象を持つかもしれないがとんでもない。
筋肉と脂肪のバランスが完璧としか言えないボディラインを実現しているんだから。
人の枠から零れそうな際立つ容姿を持つ連れ合いは、最早後光を背負っているような錯覚にまで至る。
何故俺がここまで詳しく連れ合いの容姿を言及できるのか、といった疑問を持つのは至極当然だ。
しかしそれには非常にシンプルな答えが存在する。
俺の連れ合いは今、貸した【水蜥蜴の衣】って名前のケープを身に付けているだけだからな!
つまり全裸ケープ!
靴や下着すら身に付けていない…一応裸よりマシとはいえ、いくらなんでもこれはない。
部分的に隠れ、動くたびにチラチラと肌が見えてしまい、いっそ淫靡な印象を抱きかねない。
こうなるとむしろ全裸の方がまだ『芸術』として押し通せそうで本気で怖い…。
…どう見てもそっち系の趣味の人ですやん。
衝撃の余り言葉遣いまでが崩壊し、今更になって頭を抱える羽目になっている。
背徳的かつ妖艶な印象を強烈に与えるだろう組み合わせ。
言葉だけでも十分な破壊力があるが、現実を前にすると思わず膝を屈してしまいそうになる。
あぁ、どうしてこうなった…。
堂々巡りの問答は今尚続く―――。
這い寄る大失態の足音に思考は焦って空転し続ける。
俺は今一番の窮地に立っているかもしれない。
どうしよう。
で埋め尽くされた俺の頭はパンク寸前。
暑くもないのに手に汗握る状況に、連れ合いの手を掴んでいたことを思い出して慌てて緩める。
あぁ、俺はこんなにも頭が悪い男だったろうか。
隣を歩く連れ合いに視線を送ればその理由も自ずと出てくる。
柔らかそうで腰まであり、細く光沢がある黒髪が、歩く振動と風を含んで緩くなびいている。
凛々しい柳眉と意志の強さを宿したかのような緋色の目、俺の胸ほどしかない背との落差で、性差を無視して何とも言えない色香を感じさせる。
これだけの説明だと華奢な印象を持つかもしれないがとんでもない。
筋肉と脂肪のバランスが完璧としか言えないボディラインを実現しているんだから。
人の枠から零れそうな際立つ容姿を持つ連れ合いは、最早後光を背負っているような錯覚にまで至る。
何故俺がここまで詳しく連れ合いの容姿を言及できるのか、といった疑問を持つのは至極当然だ。
しかしそれには非常にシンプルな答えが存在する。
俺の連れ合いは今、貸した【水蜥蜴の衣】って名前のケープを身に付けているだけだからな!
つまり全裸ケープ!
靴や下着すら身に付けていない…一応裸よりマシとはいえ、いくらなんでもこれはない。
部分的に隠れ、動くたびにチラチラと肌が見えてしまい、いっそ淫靡な印象を抱きかねない。
こうなるとむしろ全裸の方がまだ『芸術』として押し通せそうで本気で怖い…。
…どう見てもそっち系の趣味の人ですやん。
衝撃の余り言葉遣いまでが崩壊し、今更になって頭を抱える羽目になっている。
背徳的かつ妖艶な印象を強烈に与えるだろう組み合わせ。
言葉だけでも十分な破壊力があるが、現実を前にすると思わず膝を屈してしまいそうになる。
あぁ、どうしてこうなった…。
堂々巡りの問答は今尚続く―――。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
グレゴリオ
猥歌堂
ファンタジー
昔々遙か昔(笑)ゲームシナリオとして構想していた一編。
はっきり言って小説の体をなしていない。
まぁ、今さら書き直すだけの熱意もない。最低限の修正で(指示文とか消して)そのまま出します。
どうもアルファポリスはえろではない一品の方がお好みのよう。
当方の作にえろ無しはこれとあといくつかぐらい。
ストーリー紹介
ありきたり。リアル寄り青春ファンタジー? えろ無し。
どがちゃかのバカ騒ぎから、泣ける展開へ。出来てる?え?
何も持ってない俺だから。何一つ手の中に無い俺だから。
気合いと根性だけが俺の武器。
……という話です。
夏真っ盛りだというのに! クリスマスの話ですよ。
まあ、暑気払いに。
オープニングから読み始めて下さい。ゲームシナリオですから。
そのあと三編に分岐します。そこからはお好みで。順次、掲載していきます。
バッドエンドパターンもありますが、併記するか、削除いたします。一応、トゥルーエンドのみを本筋として作劇いたしておきます。
御気に召すかどうか、はなはだ自信はございません。
いんちきゲームブック的にお楽しみいただけたら幸いです。
【ダン信王】#Aランク第1位の探索者が、ダンジョン配信を始める話
三角形MGS
ファンタジー
ダンジョンが地球上に出現してから五十年。
探索者という職業はようやく世の中へ浸透していった。
そんな中、ダンジョンを攻略するところをライブ配信する、所謂ダンジョン配信なるものがネット上で流行り始める。
ダンジョン配信の人気に火を付けたのは、Sランク探索者あるアンタレス。
世界最強と名高い探索者がダンジョン配信をした甲斐あってか、ネット上ではダンジョン配信ブームが来ていた。
それを知った世界最強が気に食わないAランク探索者のクロ。
彼は世界最強を越えるべく、ダンジョン配信を始めることにするのだった。
※全然フィクション
サンキゼロの涙
たね ありけ
ファンタジー
青年ジェロムは欅の孤児院で18を迎えた。その孤児院に魔族のディアナが転送されてくる。二人は海竜神リヴァイアサンの啓示により、世界の秩序を保つという宝珠を探す旅へ出ることとなる。冒険者として旅する彼らは、やがて大きな潮流に翻弄されていくことになっていく・・・
ここには魔女が、多すぎる ~チートな無骨男子と女子高生達の魔法と青春の日々〜
百号
ファンタジー
多くの"魔女"と少数の男性の"魔士"が、一般人に混ざり込んで生活している世界。魔法研究組織である『五山』のひとつから一般社会の高校に編入してきた、一人の転校生がいた。
彼は自分の持つ特殊な力に手一杯で、校内の派閥争いなどに巻き込まれたくはない。しかしそこに登場する魔女、魔女、魔女たちは彼のそんな想いにお構いなしで、少しずつ彼との関わり合いを深めていく。
淡い恋心、ちょっと色っぽいからかい、ライバル心―――。
これは大きな力を持ってしまった少年が、一人前の"魔士"へと育っていく過程の、心の成長の物語である。
琥珀と二人の怪獣王 建国の怪獣聖書
なべのすけ
SF
琥珀と二人の怪獣王の続編登場!
前作から数か月後、蘭と秀人、ゴリアスは自分たちがしてしまった事に対する、それぞれの償いをしていた。その中で、古代日本を研究している一人の女子大生と三人は出会うが、北方領土の火山内から、巨大怪獣が現れて北海道に上陸する!戦いの中で、三人は日本国の隠された真実を知ることになる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる