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第6章 言葉たちを沈めて
11.最悪な再会
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『どういう事なんですか……?』
背後から声がして、俺は咄嗟に振り返った。
目の前に立っていたのは、兄と良く似た優しい目をした青年。しかし今その目は、怒りと不安の色を露わにしていた。
俺が一番巻き込みたくなかった甥。
『夏也……何でお前がここに……』
『……先に帰っておれと言うたのにな』
神様が困ったように呟くと、夏也の後ろからシュンも顔を出した。
『……友和、なんでここにいるの? 今の話って……本当なの?』
(まさか、この三人で一緒に居たなんて……)
俺が戸惑っていると、神様がふわりと飛び上がった。
『さて、わしはそろそろ月神の元へ行かねばならん』
『待て! 行くな!』
俺は神様の袖をつかもうとしたが、彼はひらりと躱すと桜の木の上に向かって飛んでいってしまった。
(いつもゴロゴロしている癖に、逃げ足ばかり早いのだ、アイツは……)
俺が桜を見上げていると、シュンが口を開いた。
『逃げられちゃったね……。俺達、今日はみんなでお花見に来てたんだ。夏也が山の中に綺麗な桜が咲いているのを見つけたっていうから、ちょっと散歩のつもりで……』
シュンはゆっくりとこちらに近づいて来て、俺の手を握った。
『そしたら神様が突然、この桜が神様のお社……御神木なんだって思い出して、神様の昔話を聞いた。その後みんなでお団子も食べた。神様の話には驚いたけど、安心もしてたんだ。まだ俺達は一緒に居られるって。それでみんなで家に帰ろうとしたら友和が現れて……ねえ、蛮神を眠らせるのに神様も一緒に封印されるってどういう事なの?』
シュンは話しながら下を向いてしまった。最後の方は殆ど涙声だった。
『……シュン、その少年は誰なんだ? 知り合いなのか?』
俺達のやりとりを、その場に立ち尽くしたまま聞いていた夏也が尋ねた。
もう、夏也にも一切を話すしかない。俺は意を決した。
『夏也、聞いてくれ。信じられないとは思うが、俺の名前は護堂友和。お前の死んだ叔父だ』
背後から声がして、俺は咄嗟に振り返った。
目の前に立っていたのは、兄と良く似た優しい目をした青年。しかし今その目は、怒りと不安の色を露わにしていた。
俺が一番巻き込みたくなかった甥。
『夏也……何でお前がここに……』
『……先に帰っておれと言うたのにな』
神様が困ったように呟くと、夏也の後ろからシュンも顔を出した。
『……友和、なんでここにいるの? 今の話って……本当なの?』
(まさか、この三人で一緒に居たなんて……)
俺が戸惑っていると、神様がふわりと飛び上がった。
『さて、わしはそろそろ月神の元へ行かねばならん』
『待て! 行くな!』
俺は神様の袖をつかもうとしたが、彼はひらりと躱すと桜の木の上に向かって飛んでいってしまった。
(いつもゴロゴロしている癖に、逃げ足ばかり早いのだ、アイツは……)
俺が桜を見上げていると、シュンが口を開いた。
『逃げられちゃったね……。俺達、今日はみんなでお花見に来てたんだ。夏也が山の中に綺麗な桜が咲いているのを見つけたっていうから、ちょっと散歩のつもりで……』
シュンはゆっくりとこちらに近づいて来て、俺の手を握った。
『そしたら神様が突然、この桜が神様のお社……御神木なんだって思い出して、神様の昔話を聞いた。その後みんなでお団子も食べた。神様の話には驚いたけど、安心もしてたんだ。まだ俺達は一緒に居られるって。それでみんなで家に帰ろうとしたら友和が現れて……ねえ、蛮神を眠らせるのに神様も一緒に封印されるってどういう事なの?』
シュンは話しながら下を向いてしまった。最後の方は殆ど涙声だった。
『……シュン、その少年は誰なんだ? 知り合いなのか?』
俺達のやりとりを、その場に立ち尽くしたまま聞いていた夏也が尋ねた。
もう、夏也にも一切を話すしかない。俺は意を決した。
『夏也、聞いてくれ。信じられないとは思うが、俺の名前は護堂友和。お前の死んだ叔父だ』
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