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第5章 神と天狗と月見うどん
27.交渉
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『わ、私が説得してみます! 貴方達のお宝を返すように、銀胡を説得してみせます!』
私の叫びは思いの外大きくなってしまい、本堂の天井にこだました。天狗達は黙って此方を見ている。
一ノ瀬さんは片眉を上げてニヤリとした。
『彼がこむぎの親なら、あの子を何故あんな場所に放置したのか、今後も育てる気があるのか、直接聞いてみたいんです! その上で、こむぎを返して欲しいと言うのであれば、宝の返却を交換条件にします! これでどうですか!?』
『ふむ、銀胡がそもそも子どもを必要としていなければ、お前さん方に子狐を渡したところで、交渉材料にならん事は変わらんからの』
神様もニヤニヤしながら続けた。天狗達はざわつき始める。
『まあ、交渉の役に立たん子狐など、腹いせに食ったところで、大した腹の足しにも妖力にもならんしな?』
『しかし、そうなったら宝が返ってこないじゃないか。その時はどうするのだ?』
その時、腕を組んで俯向いていた天狗の親分が顔を上げた。
『……お前達が銀胡と協力関係にあるなら、銀胡は子どもに興味が無い振りをすれば済んでしまうだろう。やはり、お前の話は飲めない』
賢さんの言う通り、天狗達は疑り深い。
『じ、じゃあ、銀胡がこむぎを必要としない時は、貴方達が宝を取り返すのに私も協力しますよ!』
私の叫びは思いの外大きくなってしまい、本堂の天井にこだました。天狗達は黙って此方を見ている。
一ノ瀬さんは片眉を上げてニヤリとした。
『彼がこむぎの親なら、あの子を何故あんな場所に放置したのか、今後も育てる気があるのか、直接聞いてみたいんです! その上で、こむぎを返して欲しいと言うのであれば、宝の返却を交換条件にします! これでどうですか!?』
『ふむ、銀胡がそもそも子どもを必要としていなければ、お前さん方に子狐を渡したところで、交渉材料にならん事は変わらんからの』
神様もニヤニヤしながら続けた。天狗達はざわつき始める。
『まあ、交渉の役に立たん子狐など、腹いせに食ったところで、大した腹の足しにも妖力にもならんしな?』
『しかし、そうなったら宝が返ってこないじゃないか。その時はどうするのだ?』
その時、腕を組んで俯向いていた天狗の親分が顔を上げた。
『……お前達が銀胡と協力関係にあるなら、銀胡は子どもに興味が無い振りをすれば済んでしまうだろう。やはり、お前の話は飲めない』
賢さんの言う通り、天狗達は疑り深い。
『じ、じゃあ、銀胡がこむぎを必要としない時は、貴方達が宝を取り返すのに私も協力しますよ!』
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