護堂先生と神様のごはん あやかし子狐と三日月オムライス

栗槙ひので

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第4章 お祭りクレープとカルボナーラ

21.再会

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 多少なりとも危険がある事は承知していたが、まさか急に命の危機に晒されるとは思っていなかった。

『先に行ってください!』

 真白さんはそう叫ぶと、何やら呪文のようなものを唱え始めた。赤い光の群れから、再び矢が放たれる。

『真白さん、危ない!』

『落ちろっ……!』

 彼が伸ばした腕を振り下ろすと、飛んで来た矢が一斉に下に逸れて落ちた。

『早く行って! 私は大丈夫です!』

『わ、分かりました!』

『こっちじゃ!』

 私は、夜目の効く神様に導かれるようにして一気に山を下った。

(すいません、真白さん……!)

 真白さんの無事を祈りつつ、私達は走り続けた。

(やっぱり浴衣なんて着て来るんじゃ無かった……草履が擦れて足が痛い)

 やっと麓の方まで戻って来た辺りで、今度は道の先に何者かの気配を感じ、立ち止まる。

(まさか、先回りされて……)

 冷や汗が噴き出したが、前方から聞こえてきたのは良く知った声だった。

『夏也!』

『先生!』

『シュン!? 奏汰!?』

 そして、その隣には天太と見知らぬ中年男性が立っていた。

(いや、この人は……)

 確か、さっき神社でぶつかった人だ。私が彼等に近づいて行くと、その男はニヤリと笑った。

『どうやら兄ちゃん達は無事みてぇだな』

『あ、あの……先程は失礼しました。貴方は一体……』

 「兄ちゃん達」と言うからには、神様の姿も見えているのだろう。
 神様はこむぎを抱いたまま、黙って私の後をついて来た。
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