護堂先生と神様のごはん あやかし子狐と三日月オムライス

栗槙ひので

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第4章 お祭りクレープとカルボナーラ

2.妖怪取材

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『夏に向かってWEB記事も含めて仕事は増えてるんですけど、このご時世、人は増えないんですよね~。僕も掛け持ちな状態で、締切近いしライターも捕まらないんですよ~! この際、写真撮って貰うだけでもいーんでお願いしますよ先輩~!』

『うーん、写真くらいなら……』

 頼み事を断れないのは私の悪い癖である。自覚はしているのだが。

『ありがとうございます! さすが護堂先輩! じゃあ詳細はメールしますね!』

 まだやるとは言っていないのだが、湊川君は此方が翻意する隙を与えず通話を切った。

『うっ……! しまった、またいつもの調子で丸め込まれた……』

『夏也お祭りに行くの!?』

『たこ焼きとお好み焼きと、かき氷は必須じゃろ、ベビーカステラとあんず飴も食べたいのう』

『こむいも、くー!』

(全員お祭りに行く気満々じゃないか……)

 六月の遠足キャンプ以来、例の妖怪達が現れる事は無かったのだが、わざわざ妙な妖怪の噂が立つ場所へ出向くのはまずい気がする。

『そんなに遠くないんじゃろ? 偶には皆で遊びに出掛けるのも良いではないか』

『……今回はお祭りが目的じゃなくて、隣町の神社に出るって言うお化け提灯の取材の話です。ただの噂に過ぎないとは思いますが、こむぎを連れて行くのは危険じゃないですか……?』

 私が反対すると、神様はニヤリとして返答した。

『なーに、あれからこむぎの親探しも進んでおらんのじゃし、もしそのお化け提灯と奴等が関係していたとしても、ぼでぃがーどをつけて逆に乗り込んでやれば良かろう』
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