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第3章 卵焼きと仲良しキャンプカレー

26.私の神様

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 その時、西園寺先生の肩が、少し動いたように見えた。そろそろ起き出す頃かもしれない。

『すいませんが、こむぎを宜しくお願いします』

 西園寺先生に神様達の姿は見えないので、場の混乱を避ける必要もあったが、何より一刻も早くこむぎを安全な場所に連れて行って欲しかった。

 私は抱いていたこむぎを神様に託した。子狐は大人しく抱かれたまま目を擦ってあくびをしている。

『ふむ、おちびはそろそろ寝る時間じゃな』

『確かに、こむぎちゃんが此処にいては、奴等がまた現れるかもしれません。我々はこのまま引き揚げますね』

『はい。お願いします……』

 そう言うと二人は、こむぎと一緒に林の中へ入って行った。

『……Mr.護堂?』

 丁度、神様達の姿が見えなくなった頃、背後から呻き声が聞こえた。

『気が付いたんですね。良かった。急に転んで気を失われてしまったので驚きましたよ!』

 とりあえず、のっぺらぼうについては見なかった事にしておく。私は西園寺先生を助け起こすと、平静を装って微笑んだ。

『Sorry……しかし、私は倒れる前に何か見た気がするのデス……』

『え? 何でしょうね……私には何も見えませんでしたが? きっと疲れているんですよ。早く戻って休みましょう』

 私は動揺してしまい、少し引きつりながら答える。

『Oh my god……情けない事です。今日は失敗ばかり……。しかしMr.護堂、先程どなたかとtalkしていまセンでしたか?』

『い、いいえ、誰とも』

 心配は無用です。それは神様ですから。
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