護堂先生と神様のごはん あやかし子狐と三日月オムライス

第3章 卵焼きと仲良しキャンプカレー

22.不穏な再会

『顔が……無い』

　三人全員がのっぺらぼうだった。まさか妖怪が一度に何匹も現れるなんて。

『No……』

『西園寺先生！？』

　先を行く西園寺先生はぱたりとその場に倒れ込む。慌てて様子を見に行くと、泡を吹いて気絶していた。

『わ、ちょっと先生！？』

　背の高い西園寺先生を運びつつ、三匹の化け物達から逃げ切るのは難しいだろう。かと言って彼を見捨てて逃げる訳にもいかない。

『夏也！』

　その時、化け物を挟んだ道の先から知った声がした。

『神様！』

　そこには、こむぎを抱いた神様が立っていた。

『何でこんな所に！？　真白さんは……？』

『さっき此奴らにテントを取り囲まれての。真白が隙を作ってくれて、わしらだけ先に逃げてきたんじゃが、この三匹だけ振り切れんかったんじゃ』

『この他にもまだ居るって事ですか！？』

　私は気が遠くなってきた。

『十匹くらいはおったかの。真白の身のこなしや霊力からすれば、当人に危険は無いじゃろうが、わしらと合流するには時間がかかりそうじゃったの』

　つまりは、我々だけでこの場を切り抜けねばならないという事だ。

『こいつら、一体何者なんですか……？』

　のっぺらぼう達は、突然現れた私と西園寺先生に始めは戸惑っていたが、直ぐに神様とこむぎの方に向き直った。

『正体までは分からんが、複数に見せかける術等ではないな。本当に三人別々に化けておる』

　私達が妖怪を挟んで話を続けていると、のっぺらぼうの一人が神様に向かって突進を始めた。

『このっ……』