護堂先生と神様のごはん あやかし子狐と三日月オムライス

栗槙ひので

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第3章 卵焼きと仲良しキャンプカレー

16.詮索と言い訳

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 私はリュックサックから、着替え等今は不要な荷物を取り出すと、中にタオルを敷いてこむぎを入れた。

『狭くて申し訳ないけど、これならずっとお前をおぶっててやれるから……』

『あーい!』

 リュックの中から聞こえる声は、割と楽しそうだったので、少しだけ安心する。私はそれを背負うと、カレー作りの監督に戻った。

 夕方になり、段々と辺りも暗くなり始めた。調理場では、焚き火の煙がもうもうと上がり、生徒達がガヤガヤと野菜を洗ったり切ったりしている。

『Mr.護堂はSkillfulですね!』

 野菜を切っていると、西園寺先生が手元を覗き込んできた。

『まあ、普段からやってますからね……』

 教員は生徒達に手本を見せたりしながら、自分達の分のカレーも作らなければならない。万が一、全く食べられないレベルで失敗した班の為にも、少しだけ多めに作る必要があった。

 カレーの支度は私と辻村先生が、はんごうでご飯を炊くのを西園寺先生と伊藤先生が担当していた。

 西園寺先生は煤で汚れた軍手のまま顔を擦ってしまったらしく、頬が黒く汚れていた。

『By the way、Mr.護堂はなぜ荷物を背負いながら料理をしているのですか?』

『うっ……、貴重品やちょっと色々使う物が入ってるんです。テントを少し遠くに貼ってしまったものですから……』

『そうですか!  My tentは中々良い位置取りが出来ました! 先生も私の隣にすれば良かったデスね!』

 そればっかりは遠慮しておく。
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