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第3章 卵焼きと仲良しキャンプカレー
13.人影
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昼食後は班毎にテントを組み立て、完成した班から火起こしの練習、夕飯の準備に取り掛かって貰う。
午前の遅れを取り戻さんと張り切っているのか、西園寺先生の声は当人からどんなに離れていても聞こえてきた。
私は早々に自分のテントを立ててしまうと、こむぎと荷物をその中に隠すように仕舞った。
『じゃあ、私はお仕事があるから行っちゃうけど、此処で大人しくしてるんだぞ?』
こむぎは返事をする代わりに、無邪気に空になった弁当箱を振った。
(なるべく頻繁に様子を見に来ないとな……抜け出して迷子にでもなったら大変だ)
私は生徒達の作業を見守りつつも、定期的に自分のテントに変化がないか遠目に確認し続けた。
(わわっ……!)
こむぎは時折、テントの入り口からひょっこり顔を覗かせるので、その度荷物を取りに行く振りをして押し戻す必要があった。
そんな事を繰り返す内に、多くの生徒達は火起こしを終えて、食材を取りに管理小屋へ向かい出した。
『じゃあ、僕達も行ってきます!』
そう言って奏汰の班も連れ立って小屋へと歩いていく。
『ああ、行ってらっしゃい』
私が返事をしてテントの方に視線を戻すと、入り口の前に誰かが立って居るのが見えた。うちの学校のジャージを着ているようだが、かなり身長が大きいように思える。
(誰だ…… ? 他の組の生徒でも、あれだけ大きくて目立てば、私も名前くらい覚えている筈だが……)
午前の遅れを取り戻さんと張り切っているのか、西園寺先生の声は当人からどんなに離れていても聞こえてきた。
私は早々に自分のテントを立ててしまうと、こむぎと荷物をその中に隠すように仕舞った。
『じゃあ、私はお仕事があるから行っちゃうけど、此処で大人しくしてるんだぞ?』
こむぎは返事をする代わりに、無邪気に空になった弁当箱を振った。
(なるべく頻繁に様子を見に来ないとな……抜け出して迷子にでもなったら大変だ)
私は生徒達の作業を見守りつつも、定期的に自分のテントに変化がないか遠目に確認し続けた。
(わわっ……!)
こむぎは時折、テントの入り口からひょっこり顔を覗かせるので、その度荷物を取りに行く振りをして押し戻す必要があった。
そんな事を繰り返す内に、多くの生徒達は火起こしを終えて、食材を取りに管理小屋へ向かい出した。
『じゃあ、僕達も行ってきます!』
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『ああ、行ってらっしゃい』
私が返事をしてテントの方に視線を戻すと、入り口の前に誰かが立って居るのが見えた。うちの学校のジャージを着ているようだが、かなり身長が大きいように思える。
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