護堂先生と神様のごはん あやかし子狐と三日月オムライス

栗槙ひので

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第2章 お稲荷様とふわふわスフレ

23.見送りと買い出し

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『うー!』

 私が奏汰と一緒に玄関を出ようとすると、こむぎが足にひっついてきた。

『一緒に行きたいみたいじゃぞ』

 神様達とお留守番していて貰おうと思ったのだが。こむぎは意外に強い力で、私のふくらはぎにぐりぐりと額を押し付けてくる。

『は、剥がれない……困ったな……。あの、買い物にも寄りたいので、一緒に来て貰えますか? スーパーの中では、また抱っこしていて貰えると助かります』

『勿論じゃ!』

 神様は腰に手を当てて良い返事をする。
 余計な物を買わされそうで、出来れば連れて行きたくなかったが仕方がない。私は神様にもついて来て貰う事にした。

『じゃあシュン、行って来るね!』

『うん、奏汰もまたな!』

『また遊ぼう!』

 私は駅前まで奏汰を送り、反対口のスーパーに向かった。通勤では通らない道なので、週末くらいしか使わないが、商店街で手に入り難いものを探す時はいつもこの店を利用していた。

 生クリームやクリームチーズ、薄力粉の他に、やはり神様に菓子や惣菜をねだられたが、こむぎは神様の腕の中で大人しくしており、買い物は無事に終える事が出来た。

(帰ったら夕飯の支度だな……。何だか今日は一日色々あったなぁ……)

 そんな事を考えながら、暗くなった坂道を歩く。だが、本日最大の事件はこの後に起こるのだった。
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