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第2章 お稲荷様とふわふわスフレ
13.もう一人の狐
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やや不本意な形ではあったが、13時まで時間を潰す事が出来たので、我々は西園寺先生と別れて再びきんいろベーカリーへと向かった。
あの後も彼の怒涛のマシンガントークを浴び続けた私は、かなり消耗していた。
『奴との距離が縮まって良かったではないか』
『……おかげさまで!』
私は皮肉たっぷりに答えると、シュンに残しておいたパンを抱えながら、クローズドのプレートが掛けられたドアを開けた。
『ああ皆さん! お待たせしてしまってすいません』
店内に入ると、レジの前に立っていた店主が顔を上げた。彼は直ぐにカウンターの上を整理すると、店の奥を示して言った。
『椅子がありますので奥へどうぞ』
『お邪魔します』
我々はカウンターの裏から店の奥に向かうと、事務机やロッカーのある小部屋に通された。
『此方へどうぞ』
勧められた椅子に座っていると、店主はコーヒーを淹れて来てくれた。パンにも合いそうな、深く良い香りだ。
『ありがとうございます』
私がコーヒーを受け取ると、彼はすっと背筋を伸ばした。
『申し遅れました。私は豊月様の元でこの地域の監視役を務めております、真白と申します』
『あっ、どうも。護堂夏也です。こっちは同居している神様と、問題の子狐です。お世話になります』
真白の丁寧な物腰に、思わず自分もも立ち上がって挨拶した。
(豊月さんとは随分雰囲気が違うな
……)
あの後も彼の怒涛のマシンガントークを浴び続けた私は、かなり消耗していた。
『奴との距離が縮まって良かったではないか』
『……おかげさまで!』
私は皮肉たっぷりに答えると、シュンに残しておいたパンを抱えながら、クローズドのプレートが掛けられたドアを開けた。
『ああ皆さん! お待たせしてしまってすいません』
店内に入ると、レジの前に立っていた店主が顔を上げた。彼は直ぐにカウンターの上を整理すると、店の奥を示して言った。
『椅子がありますので奥へどうぞ』
『お邪魔します』
我々はカウンターの裏から店の奥に向かうと、事務机やロッカーのある小部屋に通された。
『此方へどうぞ』
勧められた椅子に座っていると、店主はコーヒーを淹れて来てくれた。パンにも合いそうな、深く良い香りだ。
『ありがとうございます』
私がコーヒーを受け取ると、彼はすっと背筋を伸ばした。
『申し遅れました。私は豊月様の元でこの地域の監視役を務めております、真白と申します』
『あっ、どうも。護堂夏也です。こっちは同居している神様と、問題の子狐です。お世話になります』
真白の丁寧な物腰に、思わず自分もも立ち上がって挨拶した。
(豊月さんとは随分雰囲気が違うな
……)
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